【全文公開】ルビ機能でボイスオーバーが使いにくいのは自分だけ?

タイトル画像:カタカナで書かれた、ルビ、という2文字の上に、「ふりがな」とひらがなで振られたルビのイラスト

noteで始まったルビ機能。一つのテキストに対し、難しい場合の読み仮名や、別の意味合いを付与、など表現が広がりました。

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画像:第二の矢、と漢字かな混じりで書かれた言葉の上に、カタカナでセカンドインパクト、とルビが振られた文章のキャプチャー

視覚に障害がある方は、音声合成で記事を読む

iOSならボイスオーバー、AndroidならTalkBackという、テキストを音声合成で音声の読みに変換する機能が、皆さんの端末にも備わってます。

視覚に障害がある方は、全く見えないかた、見えにくいかたも含めて、スマホを使うときの大事な機能です。

どんな感じになるの?

段落ごとに選択されて、その範囲を読み上げます。

画面で見るとこんな感じ。

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画像:ボイスオーバーで読まれる範囲が黒い線で囲まれてる画面のキャプチャー

この囲われた範囲が、一連の音声で再生されます。

問題なのはこの上の段落の、「巷」で頻繁に見かけるレーダーチャート、という部分。巷、という漢字は読みにくいということから、ひらがなで「ちまた」とルビとして振られています。

これが、ボイスオーバーで読む範囲をぶつ切りにしてしまうのです。

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画像:巷、という漢字一文字しか囲われてない様子

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画像:その後ろに続く、「で頻繁に見かけるレーダーチャート」という部分のみ囲われてる様子

これにより、次々と読む範囲を指で変えていかないと行けませんが、ビジュアル情報がない方には、なんで途切れたか、は分かりません。

また、イントネーションもここで独立して処理させるから、おかしなことになる場合も。

るびは何のために実装したのか

noteは、テキストをじっくり書いたり読んだりすることができるメディアということもあり、視覚に障害がある方も楽しんでいます。

るび機能が、新たな表現として開発されるのは良いことですが、特定の条件の方々に不便を強いることになるのは、もったいない気がします。

今回は、難しい漢字の読み方、という情報の使い方です。ぶつ切りにされても意味はまだ通じます。

でも、リリースの際に提示された文では、書いてある漢字とは異なるるびが振られています。見た目とるび、という異なる意味をミックスする効果はあります。

でも、音読をするときにはどのように読むのが最適なのか、はスタンダードがありません。

視覚に障害がある人に対する想像ができていないのか、不便と考えなかったのか

少なくとも視覚に障害がある方の使い方だとどうなるか?というのは、当事者に検証してもらったり、自分達の端末でボイスオーバーで試すだけで、この現象は発見できます。

つまり、どちらもやってないか、やっていたとしても、この仕様で良しとしたわけです。

どっちなんだろう?

つまり、noteの姿勢がどうなんだろう、という疑問です。

きっとやり方はある

ボイスオーバー側に対応をお願いする、というのは一つのコンテンツ事業者からの声では実現は難しい気がします。

そうすると、るび機能の方で何とかしなくてはいけない。例えば、と対応例を出すこともできますが、ぜひ、そこは一緒に考えさせてほしい領域です。自分達でも今、苦労してそこを作っていますので。

まずは検証してみてください

せっかくの機能ですが、ボイスオーバーでどうなるか?は一度検証してみてください。

色々な表現は、全部全員が同じ情報として取れるわけではありません。映画を聴覚障害者と視覚障害者と一緒に体験した後、それぞれ受け取れている情報は異なります。でも、ツールにより、同じ作品はそれぞれで楽しめ、みんなで一つの映画に対してあーだこーだと話をすることもできる。

下のリンク:映画館で視覚障害者、聴覚障害者に対し、一つのアプリで異なる情報補償が行えるアプリ、ハロームービーについて書いた記事


noteもそんな媒体であって欲しいと思います。


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日々の生活で、障害のある方に接してる人は少ないと思います。 幸い様々な方と仕事で知り合い、様々な気付きがありました。その気づきを書いていきます。 一見雑に見えることも書きます。リアルな接触体験は、ヒューマニズムに溢れたものばかりではないのです。 そのため、少しだけ敷居を作らせていただきます。

様々な障害を持つ友人がいて、一緒に活動するだけで、様々な知見が得られます。無力を感じることも。 でも、少しでも自分の気づきを世の中にシェ…

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