全員で稼ぐ組織

こんばんは。
とある経営企画マンです。

 先日読了した「全員で稼ぐ組織」についての感想を書きたいと思う。
本書を読もうと思ったきっかけは、管理会計、特に収益性を高めるための経営管理について学びを深めたいと思っていた中で、京セラ流アメーバ経営の経営手法を駆使しJAL再建を果たすというケーススタディの中で、赤字体質企業をどのように筋肉質な企業に変えていったのかということを、具体的事例を通じて学びたかったことに準ずる。

 結果、大きく3つの学びがあった。

①アメーバ経営では、採算部門と非採算部門に分けるとともに、製造部門が採算部門になる。採算部門と非採算部門を組織として区別し、構築する。
②社内売買価格はマーケットプライスで調整される。
③時間当たり営業利益が生産性のポイント

①②アメーバー経営は独立採算ということはもちろんだが、外部環境に迅速に対応できる組織になっていることに純粋にすごいと感じた。外部環境の変化が速い時代に、マーケットプライスは変動することが多い。特にインフレ・為替変動が激しい時代に、受託型のメーカービジネスは、マーケットプライスの変動を特に受けやすい。アメーバー経営は営業を起点に、社内売買を行い、独立採算で、各部門で利益を出す組織設計になっている。変化に対応することができない組織構造で、メーカービジネスを行うと、半年~1年間商品を作ったあげく、ふたを開けたら大赤字ということは大いにあり得ると考えている。アメーバーは外部環境に迅速に対応し、組織で利益を出すために自部門の利益を追求することで、組織としても営業利益を出せるようになっている点である。アメーバー経営は筋肉質な経営が自然とできる仕組みであると感じた。

③生産性の指標を時間当たり営業利益とした点も参考になった。時間は誰にも平等に与えられているからこそ、時間あたりに稼ぎ出した利益を見ることは、平等な生産性指標であると感じた。

最後に経営管理部門はアメーバを推進していくうえでキーポイントであると考えた。ルールをきっちり整理し、正しい数字をはじき出し、経営管理部門が事業部門をリードしてアメーバを浸透させていく。経営管理部門こそが、筋肉質な経営のカギだと感じた。

個人・アメーバ単位の目標を組織の目標と一致させ、部分最適が全体最適になっている組織設計と外部環境に対応で切る力こそがアメーバの本質だと考えた。


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