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Photoshop 第2戦を振り返る

私の職場は首都にある職業訓練校のため、同じICTコースのクラスが2つある。今回は2つ目のクラスでのPhotoshop授業(5days)を振り返る。

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1日目

NVQ(スリランカにある職業技能レベルの国家認定制度)の試験に関連する内容や「グラフィックデザインとは?」の説明を最初に同僚の講師が行ってくれる。正直、私はまだNVQのシステムとか、それに伴ってカリキュラムがどう動いているのか、全然把握しきれていないので、抽象的な話でNVQの試験に関わる重要な所を現地の先生にカバーしてもらえるのは有難い。

そして、その話が終わった後に私の方から実際にPhotoshopの使い方をレクチャーしていく。1日目は久しぶりの授業に少しビビっていたこともあって、変なシンハラ語をいっぱい発してしまう。そのせいもあって一部の生徒たちは、しかめっ面で私の話を聞いていた。また、一番近くにいた男子生徒は私のシンハラ語に一々反応し、仲間内でヒソヒソ話をする。

正直、3か月ぐらい集中してシンハラ語を学んだだけの人間が、現地人に対して何かを教えるって相当ハードルの高いことだ。だからこそ、生徒の反応が思わしくないのも仕方がないことである。そう言い聞かせて、すぐにでもキレてしまいそうな自分の心を落ち着かせる。

2日目

朝、教室に行く道中でPhotoshopの初戦を行ったクラスの生徒数名が廊下に立っていた。「何してるの?」と聞くと「(クラスの開始時間に遅れたから)教室の中に入れてもらえない」と生徒が言った。ここ最近、生徒達の中で何かしらの問題があったのか講師の人たちがミーティングをしていた。これもその一種なのだろうか?と思いつつ、外国人の私に出来ることは限られているので、生徒の話を聞くだけ聞いて、自分の教室に向かう。
自分の教室に入ろうとした時、さっきのクラスの子たち同様にドアに鍵が掛かっていた。ディモ(日本でいうTAみたいな人)がすぐに開けてくれたが、その時に「(同僚講師)が8時半になったら教室のドアを鍵を掛けろって言ったのよ」と言った。何というか、何も間違ってないことだけど、想像してたスリランカではないスリランカの姿を見ているように感じた。
しかし、そもそもの話として日本でも時間を守る人と守れない人がいるのと同じで、スリランカも時間を守る人と守れない人がいるだけのことなのだろう。(それぞれの割合は多少の差があると思うけど)

昨日の授業の様子から、私はずっと戦々恐々としていたのだが、今日は不思議なぐらいに生徒たちはニコニコしながら話を聞いてくれた。昨日は初めての授業だったから緊張していただけだったのだろうか?それぐらいに昨日と様子が違うものだから、1人であまり悶々と考え続けるのも良くないと思い始めた。

朝の1時間ぐらい「良いデザインってどうやって作るのか?」という話をする。今のクラスはデザイン特化のクラスではないので、デザインを考える初歩の初歩みたいな話しかしていないが、まずはデザインを見る意識を持ってほしくて、デザインの4大原則とそれらが一般的なデザインにどう活用されているのかを話した。正直、私の話を覚えていてくれる生徒が一人でもいれば万々歳だと思っていただけに、自分の作ったスライドの写真撮る生徒がいたのは嬉しかった。

まだまだブラッシュアップは必要だけど、こういう話をちょこちょこしていこうと思う。

3日目

1~2日目に生徒達が取り組んだプラクティス(練習問題)の解説。ニコニコしながら「ハリ~」と言うので、サクサク進んでいく。しかし、たまに生徒達の様子を見て回ると、さっき解説したことを何度も聞いてくる。全然話聞いてへんやん、と思いつつも何度も教える。まぁこればっかりは仕方ない。

4日目

2日目にちょっと話にも出た、既存デザインのトレースを一緒にやってみる。勿論、一緒にやっている子とやっていない子(PCで別の内職してる)で分かれる。まぁ、それはいいよ。

1日目にヒソヒソ話をしていた男の子は私と言う存在にだいぶ慣れたのか、今日は「別々に」というシンハラ語を教えてくれた。「ウェナウェナマ」って言うそう。

5日目

一応最終日。今までやった分のプラクティス(練習問題)を全部解説する。その時に一緒にピアスを開けに行ってくれたビューティーミスが教室にやって来た。彼女はチキンカレーを私にくれた。私は嬉しくて、手はパタパタするし、声は高くなるしで、その様子を見て生徒たちは面白いからだろうか?笑ってた。その後は生徒たちの自主製作を見守る。(自分がカリキュラム理解できてなかっただけ)

生徒達が自分達で誕生日カードなどを作る様子を見ていると、色んな事が見えてきて面白い。全然話聞いてないなぁと思っていた子が意外と細部の作り込みまで観察出来る子だったり、授業は爆睡してても、作るとなるとこだわりを爆発させる子もいる。(もちろん、全く興味がなくて消化試合的に終わらせる子もいる)こういう様子を見ていると、本当にデザインと言うかITの分野って、日本とスリランカでそこまで変わりはないように思う。

6日目

この日も引き続き生徒たちは自主製作をしていたので、同じ教室にいて見守る人になる。そういえば、朝来た時に同僚から「今日はちょっと遅いね」と言われた。8時半にちゃんと来ているはずなのにと思って「なんで?」と聞いたら「今、8時34分だよ」と言われた。時々、この職場は本当にスリランカなのか疑ってしまう。


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