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スマホという、「抗いがたい欲求を生み出すもの」と適度な距離を取る

普段、生活していて、ストレスを感じませんか。いつも不安感があったり、そわそわしたりしませんか。それって、スマホの通知やSNSが原因かもしれません。

ひと月くらい前、ふと思い立って、スマートフォンの通知をすべてオフにしました。それと同時に、メール・LINE・SNSの見る頻度を「一日3回」と制限しました。

これが、想像以上に自分にとって効果がありました。

すぐ実感したのは、集中力の持続です。

スマートフォンの通知をオンにしていると、「いつ通知が来るかわからない状態」が絶えず続きます。何か作業をしていても、そばに置いてあるスマホに意識の何%かは持っていかれる。

それが通知をオフにすると、スマホへの意識がかなり小さくなります。「鳴ることがない」とわかっているので、目の前の作業により深く入ることができるんです。

丸一日くらい、「通知なし。メール・LINE・SNSは一日3回」を実行してみると、ほぼスマホへ意識がいかなくなりました。その結果、より深く・長く、集中力が続くようになりました。

通知を切っても、最初のうちはスマホが気になっていました。なにしろそれまでは、空き時間があれば用事もないのにディスプレイを見てしまう、完全な中毒症状。

特に気になるのが、メール・LINE・SNSです。何かしら変化があるんじゃないか(つまり新しいメールが届いたり、「いいね」が押されているんじゃないか)と、確認したい衝動に駆られたんです。

よくよく考えてみれば、そんな「見たくてしょうがないもの」をそばに置いて、集中力の続くはずがないんですよね。

でもなぜかぼくたちは、特に疑問を持たずスマホをそばに置いて仕事なり勉強をしています。仕事をしながら、極端に言えば「スマホから通知が来てくれないかな」とそわそわすらしています。

人間はランダムな報酬に弱いです。規則的に報酬をもらえるより、いつもらえるかわからない状態のほうが、脳は快感を感じます。

ギャンブルが典型的な例ですね。ごくたまに、ランダムに絵柄が揃って報酬がもらえるから、やるひとの脳にドーパミンが発生して快感を得る。それが中毒症状を引き起こします。

SNSはランダムな報酬の面で本当にタチが悪くて、フェイスブックが「いいね!」という世紀の発明をしたことで、現代の人間はランダムな報酬の虜になってしまいました。

SNSで何かしら発信をすると、「いいね!」がついていないかと何度も確認したくなります。今書いている、このnoteもそうです。記事を投稿したあとは、「スキ」がどのくらいつくだろうと気になってしまいます。

発信して「いいね!」がつくのは、ランダムな報酬の典型です。ものすごく手軽に承認欲求を満たしてくれるので、SNSに時間がどんどん吸い込まれてしまうのです。

フォロワーがたくさんいて、SNSがビジネスに直結しているなら話は別ですが…。ぼくの場合は、奪われる時間の損失のほうが圧倒的に大きいです。

通知をオフにするだけでなく、「SNSを見るのは、一日3回まで」と制限したことで、良い結果を生み出しました。

時間が増えたのはもちろんですが、「スマホを見たい抗いがたい欲求」がほぼなくなりました。

なくなって改めて気づいたのですが、スマホって、「見ずにいられない、抗いがたい欲求」を伴う、おそろしいものなんです。

一度、この欲求がなくなると、「どうしてこれまで、見ずにいられなかったのだろう」と不思議に思えます。アルコールやニコチンなどと違って、行動の中毒症状(「行動嗜癖」と言ったりします)は「それをやらない」と決めてしまうと、つきものが落ちたように適度な距離を取れるのかもしれません。

その結果、ストレスが軽減したのは言うまでもなく、SNSで費やしていた決して少なくはない時間を取り戻すことができました。

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