メルカリというすごいビジネスモデル
メルカリを初めてやってみました。何事も経験しないと気づかないことがたくさんあります。体験してわかったのは、「メルカリすごい!」でした。
メルカリのすごさは、ご存知の通り出品と購入の手軽さにあります。そのことを書きたいわけではなくて、ビジネスモデルの優秀さを伝えたいと思ったんですね。(すでにおわかりの方には、今更感のある内容ですよ)
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これまで不用品を売ろうと思ったら、ブックオフなど買い取りショップへ持っていく必要がありました。これを買い取り1.0とします。
1.0の時代はリアルな買い取り店が存在していて、客自らが不用品を持っていきました。「査定しますのでしばらくお待ちください」と言われ店内で待機し、査定結果を直接聞く。了承すればその場で現金がもらえるというシステム。
その後、ネットが登場しました。わざわざリアルな店舗へ足を運ばなくても、ネットで店舗を検索し査定を依頼、宅配便で送ればその結果をメールなりで教えてくれるのです。
中には発送料を負担してくれるお店もあります。梱包しておけば宅配業者が取りに来てくれます。結果はメールなどで教えてくれて、了承すれば、指定の銀行口座へお金を振り込んでくれます。
自分で持ち込んでいた時代に比べれば、かなり楽ちんになりましたね。ネットが登場して、買い取り1.0から1.1とか1.2へマイナーアップデートしたわけです。
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メルカリはここから飛躍して、買い取り2.0になったなと思いました。
どういうことかというと、それまで自分たちは買取業者へ引き取ってもらうだけをやっていました。買い取った業者は欲しい人へ向けそれを販売します。つまり買取業者という中間業者を介して、必要としている人の手に渡っていたわけです。
中間業者はマージンを取ります。それは当然のことです。販売のため在庫を持ち、広告を打ち、販売後のリスクも背負うわけですから。
ここでメルカリが画期的だと思ったのは、「メルカリは中間業者ではない」という点でした。
彼らがやっていることは、売りたい人と買いたい人が出会うための場所の提供です。フリーマッケットを開催するなら、場所が必要ですよね。公園とか広い駐車場などを主催者が借り、それを区分けして出店したい人へ場所貸しをします。
一日いくらと時間単位で貸すところもあるし、販売金額の数割を取るところもある。いずれにせよ、主催者は「場所代」からしか利益を得られません。
メルカリも基本的にはこれと同じで、売りたい人と買いたい人をマッチングする場所を提供しています。
そしてここがインターネットの肝なんですが、リアルなフリーマッケットでは場所に制限があります。どんなに広い場所でも無限に土地はありません。つまり売上には明確な天井が存在します。
でもネット上ならサーバーを増設していけば、ほぼ無限に出店者へ向けて場所を与えられるのです。
場所は無限にあるのだから、出店そのものに対して場所代を請求していません。出店そのものは無料でできる。そのかわり、一つの商品が売れるたびに手数料として一割を自動的に持っていきます。
つまりメルカリ上では毎日、膨大な商品の売買が行われていますが、それが完了するたびにメルカリへチャリンチャリンと手数料が入っているのです。しかもそれは場所の制限がありません。どこまでも拡大が可能です。
ぼくは実際に自分で取引をやってみて、そのチャリンチャリン手数料が入っていくことをイメージしたとき、「メルカリすごいな!」と身震いしてしまいました。
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その1割の手数料の中には、もちろん出店した場所代(サーバー料)も入っているでしょうし、手軽に決済できるシステムの使用料なども含まれているでしょう。
買取業者と違い消費者どうしのやり取りなので、値段は自由に決められます。手数料を見越した値付けにすれば、差し引かれる一割に不満を持つ売り手はほとんどないはず。
なにより買取業者の査定より高く売れるし、業者が買い取ってくれないような不用品も売却できる可能性があるのです。
買う方にしてみても中間業者を介さず購入すれば、中古市場の市価より安く購入できます。
そしてメルカリには、取引のたびに手数料が入っていく。
なんなんでしょう、この三方良し過ぎるシステムは…。
もちろんこういったフリマサイトはこれまでにもあったのでしょうが、実際にメルカリをやってみてそのあまりの手軽さに「こりゃ流行るわけだ」と膝を打ちました。
スマホひとつで10分もあれば出品できますからね。メルカリ内にプールしたお金はそのまま購入資金にできるので、欲しかったものがあればすぐに買うことができます。そして売ったり買ったりするたびにメルカリへ手数料が入るんです(しつこい)。
そしてなによりすごいのは、「フリマサイトはメルカリ」というポジションを取ってしまったことですね。自分も売りたい人がいたら、「メルカリで売れば?超簡単だよ」と勧めると思います。
まだ体験したことがなければ、物は試しでやってみては。お金以上に得られることはあると思いますよ。
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