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【日本学術会議】学術会議メンバー推薦外しに思う

学術会議の推薦名簿に上がっていた数人の方が、政府からの認定に漏れた事について、学術会議はもとより、野党からも選定漏れの理由説明と選定外しを決定した方を明確にするよう求める声が上がっている。この事に関して、菜根譚(王福振著 日本能率協会マネージメントセンター刊)にある一節を思い起こす。  

吾儒云、水流任急境常静。 花落雖頻意自閑。 人常持此意、以応事接物、身心何等自在。

 ”ある儒者は、「水の流れが激しくとも、流れに身を任せていれば、落ち着いていられる。花がしきりに落ちて行くのも、自然な事だと思えば心も乱れない」と言う。この様な心構えで人に接していれば、心身ともに自由でいられよう。”

との意味だそうである。 これに関する逸話を紹介したい。 

ある禅師が、その師匠である高僧と対坐していた。高僧は禅師に「私の前の師匠の教えを覚えているか」と訊いた。禅師は少々得意げに答えた。 「はい。自分の素晴らしさは普段気づき難いものですが、無欲になればそれが見えてくる。悟りとはそういう事である、という事でした」 高僧はこれを聞くと大笑し、その場から去った。禅師は何が何やらわからなくなり、一晩中、高僧の大笑の意味を考えた。 翌日、禅師は高僧にわけを尋ねた。高僧は笑うだけだったが、突然、「道化者は人に笑われようと気にしないが、お前は笑われることが気になって仕方がない」。禅師はこれを聞いて忽ち疑問が氷解した。自分が何も間違ったことをしていないのであれば、他人から笑われようと気にすることはない、と。 

推薦者外しに動いた方は、何も躊躇する事はない。自信をもって、はっきり、これこれこういう理由で私が外しました、と名乗り出て欲しいものである。

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