No.245 「親離れ子離れのとき」

今月娘が小学校を卒業した。来月からは中学生だ。

小さな頃から親を恋しがることが少なかった。親がいなくても平気に過ごせる子供だった。いつも祖父母が近くにいたことが大きいとは思うが、我が子ながら独立心の強さに感心した。

親として一般的な躾をするため、ときにおしつけたり、問答無用で強制させたこともある。反発し、親子喧嘩もたくさんした。
ただ、様々な場面で真剣な話をするときには、決して子供扱いすることなく対等に話し合った。

小学5年生辺りから順調に反抗期に入った。親離れのときである。

真剣な話をしようと伝え、「中学から家を出てみるのはどうか?」と提案した。すると、「実は私もそう考えていた」と、答えが返ってきた。
親子の意見が一致し、それから娘は日本のみならず世界の学校を視野にネット検索を始めた。

本心はスペインに行きたかったようだ。幼い頃からスペイン語に興味を抱いていたし、スペインに住む学び子を家族で訪ねたことで、スペイン留学への魅力を加速させたようだ。しかし、このコロナ禍にあって実現するのは難しいと悟ったのだろう。海外の選択肢は消えたと伝えてきた。

私が全国の学校を訪ねていることは知っている。情報収集を手伝おうかと申し出ると、素直に首を縦に振った。
直接学校を訪ねたり、オンラインでの学校説明会に参加しつつ情報収集を重ねた。本人の素直な感覚や感性、直観を大事にしたかったので、この間、どの学校が良いという話は一切しなかった。最終的に、学寮を持つ4校に絞り込んだ。

そして、4校の中からお互い一番良いと思う学校を一つ選んだ。
同じ選択だった。

しっかりしている娘ではあるが、筆記試験は頼りなかった。(笑)
面接は、我が子ながら大したものだと感心した。
無事合格証を手にすることが出来た。

早速、一人でパッキング(荷造り)を始める娘。気づかれないように横目で見ていると、パッキングが上手い!
つい「上手いな~」と声掛けすると、「誰の子だと思ってんの」と返ってきた。

パッキングなら、私の右に出る者はいない。(笑)

親離れ、そして子離れのとき。


2021年3月

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