No.206 「心のブレーキを外し体感する」

2017年が間もなく終わろうとしている。今年も多くの若人に出逢い、持てる力を総動員して指導に当たった。自分でも満足できる1年になったこと、支え続けてくれる全てに心から感謝する。

若人たちは、変化を恐れるようになった。
極端に失敗を避けるようになった。
「無理」「出来ない」を、簡単に発するようになった。

しかし、
「成長したい」「出来るようになりたい」
という本心は、いつの時代も変わらない。

その本心を目覚めさせ引き出してあげられるかが、トレーナーとしての勝負だ。

気付かせたいのが『心のブレーキ』。

「自転車に乗ることを想像してご覧。こぎ出そうとすると何故か前に進まない。誰かが後ろを捕まえているのかと振り向くけど誰もいない。何でだろう?と思ってよくよく考えたら、両手でしっかりブレーキをかけていることに気付く。これじゃ、前に進むわけない」
「両手の力を抜いてごらん。そうすると身体全体の力が抜けて随分楽になる。これだけでもちょっとした快感。その後ペダルを踏むと前に進む。進む瞬間は、ちょっと重く感じたりふらついたりすることもあるけれど、一旦進んでしまえばこれまた快感。すると今度は、ブレーキなんかかけたくなくなるね」

「無理」「出来ない」の原因は、自分自身の『心のブレーキ』だと気づかせることができれば、大きな前進だ。

ブレーキを外せば力が抜ける。心も身体も楽になる。
これらを体感すると、次はペダルを踏んでみようかと欲も出る。

「鉄は熱いうちに打て」
若人の成長は、大人の比ではない。


2017年12月

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