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#性癖の瓶を満たさないと出られない部屋 10centswriterさんの企画↓に参加しました。 「んん……」 中学二年生の少年、三郎は見知らぬ部屋で目を覚ました。 天井も床も、四方の壁も真っ白で、広さは十畳ほど。 ドアや窓は見当たらない。 「こ、ここは……い、いったい? ……ぼ、僕っ……」 たしか学校の帰り道だったはずだ。 かなり遅い時間で、公園の近くの暗い道を歩いていたときだ。 いきなり、後ろから羽交い絞めにされ……お決まりの何かを沁み込ませた白い
当然のことながら彼女はすごく怒っていた。 なぜなら職場でわたしと倫子が、最寄り駅のラブホテルから出てきたといううわさに、尾ひれが付いている状態だったからだ。 「ただのうわさだよ、気にすんなって……怒るなよ」 「知ってんのよ……あたし。あんたがどんな女が好きか。倫子はあんたの好きな女のタイプそのものじゃん……」 彼女は頑なだった。 しかし、うわさはうわさだ。事実ではない。 実際、わたしは倫子とそういうことは一切していない。 しかし、彼女の言う『倫子が私の
■ 例えばだな。 わたしが、海に来ているとする。 泳ぐつもりで来たんじゃない。いちおう、水着は着ているが。 日焼けするのがいやなので、ラッシュガードで全身完全武装だ。 そうしてわたしはビーチに腰かけ、海を見ている。 照り付ける太陽の下、ビーチパラソルの影で体育座りをして、ギラギラと輝く海面と水平線を見ている。 サングラスをしたまま。 いや、海を見ているのではない。 海のほうを見ているが、見ているのは波打ち際ではしゃぐ、水着の女の子たちだ。 女
「あんた、あたしの妹が目当てなんでしょ?!」 香織がまっすぐに俺の目を見て言った。 どうやら冗談ではなく、マジメらしい。 おれはできるだけ自然な笑顔を作ろうと、必死に意識を顔面に送った。 ちゃんと顔面に伝わっただろうか……? いや、ダメだ。 香織はまだ怒っている。 「なに言いだすかと思えば……どうしたの? 何かあったの?」 「なんかあったの、ってよくそんなトボケられるよね……ってかあんた、前から思ってたんだけど、ド変態だよね」 「ド変態って君、何
人生に一度でいいから、冗談では無く、大まじで、『身体は正直だぜ』という台詞を吐いてみたい。 もちろん、セックスの最中にだ。 いや、言おうと思えば恋人なり、妻なり、愛人なり、あるいはお金でそういうことをさせてもらえる女性に対してなら、いくらでも言えるはずだ。 しかし、それは冗談が前提であって、いわばイメージプレイのようなものだ。 女性にたわむれに 『お代官様、お慈悲を』とか『先生、ダメだよ』とか『社長、困ります』とか言ってもらう。 そうした他愛のな
■ 「部長……ほんとうにすみません。こんなに酔っちゃうなんて……」 タクシーの後部座席に二人で乗っているときから、部下の島尻玲子の身体の柔らかさと、香水の甘い香りが私の官能をくすぐり続けていた。 断っておくが、この時点ではやましい思いは一片もなかった。 「いや、気にすることはないよ。ほら、気をつけて降りて……」 タクシーの払いを済ませると玲子に肩を貸し、なんとか降車する。 小雨が降っているなか、その建物を見上げる。 はじめて見た玲子の自宅はひどく質素な二
みんな、先生のことをキモいというけれど、あたしもそうおもう。 確かに先生は40も前にして独しんだし、太ってるし、肌はきたない。 すぐヒステリーをおこしてキレるし、かわいい子にはえこひいきして、男子にはやたらきびしい。 すう年前、5年生の担任を受け持っていたとき、女子が体育の着がえをしていると、やたらと部屋の前をいみもなくうろうろしていた……みたいなうわさもある。 たぶん、ただのうわさじゃなくて本当だと思う。 クラスの女子はみんな、先生のことがとりはだが
わたしは超能力者だ。 あ、何かもうすでに、君の『話をまじめに聞こう』というモチベーションが下がるのがわかったぞ。 いや、聞き手がどれだけ話をまじめに聞いているか、ということを推し量るのは、人並みに会話の空気を読むことができる人間ならば誰にだってできることだ。 それは何も、超能力じゃない。 わたしに授けられたこの奇妙な天分は、一種の透視能力だ。 透視能力、というと何かスカートの上から女性がどんなパンツを履いているのかを見通せる、あるいは女湯と男湯を仕切る壁を
■ (今日もこんなショーパンを履いて脚をむき出しにして……けしからん) 勉強机の下、ショートパンツから伸びる未可子ちゃんの脚はとても伸びやかで細く、健康的です。 肌も白くてつやつや。つま先は裸足。 その脚が、勉強机の下でぴん、と張ったり、組み換えられたり、だらしなく投げ出されたりします。 「センセー? ねえ、先生ってば」 「はっ……え、な、なに?」 勉強机の隣の椅子で思わず未可子の脚に見とれていた僕は、はっとして顔を上げました。 眼の前に、今にもポカ
昨日、バイト先の先輩、林さんの家に行ったら、なぜか話をしているうちに、急に意識を失った。 目が覚めると、あたしはベッドの上で寝ていた。 何も着ていない。 パンツとTシャツはベッドの上に、ブラジャーは床にほかの衣類と一緒に脱ぎ散らかされていた。 林さんはお風呂に入っているらしい。 風呂場のほうから、林さんが鼻歌でを調子よく歌っているのが聞こえてくる。 ああ、こりゃ……やっぱり一服盛られたんだなあ、とあたしは思った。 林さんには悪いうわ
■ とにかく僕の先輩はがさつで酒癖悪くて口汚いです。 「てめーはナヨナヨしてっからカノジョも出来ねーんだよ! それでもキンタマついてんのかあ?」 パワハラとセクハラのダブルパンチです。 僕は先輩のアパートでお酒を飲んでいました。 というか、無理やり飲まされていました。 あんまりお酒強くないのに。 「はあ……あの、先輩、ちょっとお酒のピッチ早くないっすか? そんなに飲むと……」 「うるせー! ガタガタ言ってるとボッコボコにすんぞっ! ほらもっと飲めよっ!」
■ 「こんばんは~……ユウナでーす……げっ!」 それが部屋のドアを空けてわたしの顔を見たときの、香菜の第一声でした。 「“げっ”って……ええっ、げっ!」 「あ、あんた……ウソでしょ!? なんでデリヘルなんか呼んでんの?」 きれいに脱色した金髪。 9頭身のすらりとした身体のラインにフィットした、ベージュのニットワンピ姿。 見たところ、20代前半のその女。 はい、わたしが出張先のホテルからデリで派遣をお願いした女です。 「ってか……か、香菜ちゃんだ……ね?
「さあ、それじゃあ……一枚一枚……脱いでもらおうか」 「……は、はい」 荻原さんは、あたしと一切目をあわさずに、ベッドに腰掛け、タバコをふかし、いかにもそれらしく振舞おうとしている。 それらしく、というのは、金にものを言わせて女を自由にするゲス野郎のことだ。 でも、ほんとうの彼はそんなことはとてもできない小心者だと思う。 小心者だけど、品性は下劣なので、やはりあたしの願っていたとおりのことを言ってくれる。 「……あの……う、上から脱げばいいでしょうか……そ
■ ふだんの美咲さんは、まるでドラマに出てくるようなクールで“デキる女”だ。 すらりとした長身に、スタイルの良さが際立つ細身のダークスーツ。 ほっそりとした両頬を覆う黒髪に、ちょっとキツめだけど鼻筋の通った丹精な顔立ち。 (……ああ、いったいどんな男があの人の彼氏なんだろうか……) 彼女と付き合い始める前、はっきり言って仕事ができない俺はいつもそんなことを考えていた。 入社3年目でそろそろ落ち着いてもいいはずなのに、俺はいつも2年先輩の美咲さんには叱られてばか