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つづきものエロ小説(18禁)

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2話以上にまたがるエロ小説は、読みやすいようにこちらにまとめます。
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#創作大賞2024

ホラー官能小説:百目(ひゃくめ)【1/7】

【1/7】 【2/7】 【3/7】 【4/7】 【5/7】 【6/7】 【7/7】 ■ 「だめだよ…………ほんと。だめ。見てるんだから」そう言いながらも鳴門さんはうっとりと した目で僕に振り返り、厚めの唇を半開きにしている。「お願い、ほんと、見てるんだから……ねえ……そんなの、だめだよ」  そう言って僕の膝の上で裸身をくねらせる鳴門さん。 「……見せてやりゃあいいじゃないですか」  僕はそう言いながらも、膝に抱えた鳴門さんの内股に自分の膝をこじ入れ、太股を大きく開い

ホラー官能小説:百目(ひゃくめ)【2/7】

前回【1/7】はこちら ■  鳴門さんはバイト先の居酒屋での先輩だ。  歳は僕より二つ上、僕が入った時点で既にもう2年もその居酒屋でバイトしていた。  決して美人というわけではないけれども、しなやかな動作と色白の肌がまず大好きになった。  僕は同年代の友達からもよく変わっているといわれる。  こと女性の趣味に関しては。    僕ははっきり言って美人が嫌いだ。  また、あんまり可愛らしい子も好きではない。  合コンなんかにもたまにつき合いで顔を出すけども、そういう

ホラー官能小説:百目(ひゃくめ)【3/7】

前回【2/7】はこちら 初回【1/7】はこちら ■  部屋中を新聞やシーツやタオルで覆ってしまうことの意味は、よくわからない。  でも、そうすることによって、鳴門さんはますますエッチな気分になるようだった。  僕は何に対しても、ややこしい細かいことは考えず、実を取るタイプだ。  だから別に、彼女の変なこだわりのことは一旦頭の隅に追いやって、セックスに集中することにした……  というか、鳴門さんの積極姿勢に身を任せていただけだったけど。  鳴門さんは僕の口の中で激し

ホラー官能小説:百目(ひゃくめ)【4/7】

前回【3/7】はこちら 初回【1/7】はこちら ■  そんなこんなで、鳴門さんの部屋に僕が度々訪れるようになってから3ヶ月になる。  僕が部屋に来て、なんだかあやしいムードになる度に、鳴門さんはいつも鏡やテレビを覆う、あの“儀式”を繰り返す……  じゃあ、ずっとそのままにしとけばいいじゃないか、と思わないでもないが、まあ鳴門さんがそうしたいなら別に僕がそれに文句を言う筋合いはない。   「いったい、誰が見てるってんですか?」  ある日、なんとなく鳴門さんに僕は聞い

ホラー官能小説:百目(ひゃくめ)【5/7】

前回【4/7】はこちら 初回【1/7】はこちら ■  そのままセックスになだれ込みたいとこだったが、セックスする前には例の儀式がある。  さっきまでもうノリノリだった鳴門さんは、さっと素に戻ると、せっせとガムテープと新聞紙とタオルで部屋中を覆いはじめた。  鳴門さんはとても嬉しそうだ。  頭がおかしくなって、精神病院に入院してしまった「身近な人」にしてみれば大変気の毒だが……  鳴門さんのしてくれた話は、奇妙なことに僕を物凄く興奮させている。  ヘンだろうか?  

ホラー官能小説:百目(ひゃくめ)【6/7】

前回【5/7】はこちら 初回【1/7】はこちら ■  鏡で鳴門さんの表情を確認しながら、僕は彼女を突き上げつづけた。 「あっ……んんっ……す、すごっ……ね、ねえ、すごくない? い、いつもよりすごくないっ……?」 「鳴門さんが目隠しされて、ビンカンになってるだけですよ……」  嘘だった。  僕自身も、いつもの数倍は興奮していた。  鏡のなかでは目隠しをされた鳴門さんが、厚めの唇を開いて顔を歪め、頬を真っ赤にして喘いでいる。 「ち、ちがうよっ……こ、こんなっ……へ、

ホラー官能小説:百目(ひゃくめ)【7/7】

前回【6/7】はこちら 初回【1/7】はこちら ■  幸いにも、僕は正気を失うことは無かった。    それどころかちゃんとセックスを最後までやり遂げた。  僕と鳴門さんの体じゅうに出来た、無数の充血した目に見つめられながら。    どうなんだろう……?  僕は人より図太いのだろうか?    少なくとも、鳴門さんのはじめての相手より図太いのは確かだ。   「見てないっ………? 見てないよね………?」目かくしをされた鳴門さんは同じことを繰り返し続けた。「誰も……何も見て

セルジュの舌/あるいは、寝取られた街【1/13】

■全話こちらから読めます。 【1/13】 【2/13】 【3/3】 【4/13】 【5/13】 【6/13】 【7/13】 【8/13】 【9/13】 【10/13】 【11/13】 【12/13】 【13/13】 ********************************************************************************** 君にやさしくするよ、むりやりなんてしない なにが怖いの? 怖がることなんて何もないんだよ お

セルジュの舌/あるいは、寝取られた街【2/13】

初回【1/13】はこちら ■  その翌日、クラスに和男の姿はなかった。  その翌日も、さらにまた翌日も、和男は登校してこなかった。  恵介には何の連絡もない。LINEでも返事をよこさない。  何か、イヤな予感がした……何かがあったに違いない。  その日の昼休み、恵介は担任の江藤を廊下で呼び止めた。 「先生、和男……どうかしたんですか?」 「えっ、恵介くんも知らなかったんだ……二人、仲がいいから連絡取り合ってると思ったんだけど……」  江藤は昨年この中学に赴任して

セルジュの舌/あるいは、寝取られた街【3/13】

前回【2/13】はこちら 初回【1/13】はこちら ■  カーテンを締め切った部屋で、和男は毛布にくるまっていた。  まるで凍えているかのように頭からすっぽり毛布を被り、顔を出さない。  部屋には生臭い異臭が立ちこめている。    複雑な異臭だった。  10代男子の、活発な新陳代謝の匂い。  なにかが腐ったような匂い。  そして……なにか恵介にとってもなじみ深い匂い。  部屋は静まり返っていて……和男がカチカチと神経質そうに噛み合わせる音だけが聞こえる。  和男は

セルジュの舌/あるいは、寝取られた街【4/13】

前回【3/13】はこちら 初回【1/13】はこちら ■  いったいどういうことだ?   親友の和男が自分の下半身にのしかかり、ズボンのベルトを外そうとしている。  恵介は和男の頭を押さえつけ、なんとかその凶行に抵抗しようとした。 「やめろって! 何なんだよっ?! 一体何なんだよ!」 「おれがどんな目に遭ったと思う? あのセルジュの部屋で? お前にわかるか? そこには裕子がいたんだ!……素っ裸でな! 素っ裸で裕子が笑ってたんだ! このおれを、笑ってたんだよ!」  い

セルジュの舌/あるいは、寝取られた街【5/13】

前回【4/13】はこちら 初回【1/13】はこちら ■  その夜、恵介は3回も自慰をした。  恐怖に打ち震えながらも、その一日に自分の目が見たこと、聞いたこと……そしてもちろん和男から与えられた刺激のはけ口を、かりそめの快楽で逃がすしかなった。  1回目に負けないくらい、2回目に吐き出したものも大量だった。  それでも収まらず、衰えを知らない自らの分身が「まだヤ まだイけるやろ”」とセルジュの声でさらなる解放を求めてくる。  改めて握り直し、また励み始める。 (

セルジュの舌/あるいは、寝取られた街【6/13】

前回【5/13】はこちら 初回【1/13】はこちら ■  落ち着かなかった。  カーラジオからはあべ静江の「恋はみずいろ(日本語バージョン)」が流れている。  恵介はまるでシートベルトによって座席に拘束されたまま、爪を噛み、貧乏ゆすりをし、奥歯をカチカチと鳴らしながらセルジュの家を見ていた。  ちらりと車のデジタル時計を見ると、江藤がセルジュの家に入ってから、5分が過ぎている。  恵介にとっては1時間にも思える5分間だった。 (セルジュが留守だった……ってわけじゃ

セルジュの舌/あるいは、寝取られた街【7/13】

前回【6/13】はこちら 初回【1/13】はこちら ■  和男の葬儀は、町の公民館で行われた。  クラスメイトたちや教師たちを始め、多くの町の人々が弔問に訪れた。  もちろん、恵介も学校の制服を着崩さずきちんと着て、公民館に向かった。  恵介の両親も、妹の千帆も同道した。  恵介と和男は、小学校の頃から兄弟も同然だった……家族ぐるみでキャンプに行ったことも2度ほどある。  公民館へ の道中は、誰もが無言だった。  両親は、和男のあまりにも早すぎる死を率直に悲しん