復活の生たまご
久しぶりの投稿である。
前回、コロナになっていたのだが、そっちの方はすっかり回復した。
まだ鼻水と咳はしつこく残ってたりするが、とりあえずは大丈夫そうである。
ご心配おかけしました。
ほんまに2月はとんでもない月やったで。
前回、運気の底に到達したと書いたが、コロナからの回復と共に少しずつ上昇の傾向が感じられる。
というのも復活を予期させる出来事があったのである。
数日前。
僕は池袋の西武池袋線改札内にある「凛や」というお蕎麦屋さんに行った。
以前このnoteにも書いた、僕のお気に入りのお蕎麦屋さんである。
僕はバリバリ関西人だが、意外にも出汁は関東の濃いやつの方が好きなのである。
関西出身の人は結構合わないと言う人が多いが、基本的に味濃いめが好きな僕にはピッタリなのである。
東京に順応してるとは言い難い僕だが、うどんそばの出汁だけは合っているのだ。
特にあの濃いめのそばつゆに生卵を入れると非常に美味い。
かき揚げに生卵、いわゆる天玉そばにすれば、それはもう至福そのものである。
というわけで、その日も僕はかき揚げそばに生卵をトッピングする事にした。
激烈に金無いくせに何を生意気にもトッピングしとんねんという話だが、とにかくここ最近散々だったのだ。
生卵ぐらい付けさせてくれや。
と僕は心の中で勝手に悪態をつきながら券売機でかき揚げそばと生卵を購入した。
列に並び、そばが出てくるのを待つ。
すぐに僕の順番はやってきて、ほぼ同時に後ろの人の順番もやってきた。
このお店は基本的に2個ずつセットし作っていくシステムなのだ。
僕のそばが茹であがりかき揚げが乗せられた頃、後ろの人と店員さんのやり取りが聞こえてきた。
「生卵は2つでよろしかったでしょうか??」
「はい!!!」
後ろの人は元気いっぱい力強く返事した。
非常にわんぱくである。
生卵を2つトッピングするとは。
なかなか珍しい。
この後ろの男性、歳は大体20代後半、見た目は言い方が悪いがちょっと冴えない小太りといった感じである。
そんな人が生卵を2つトッピングし、元気いっぱい「はい!!!」と返事しているのだ。
何だか微笑ましい。
どうか腹いっぱい食べてほしい。
僕は心の中で「もりもり食べやさい!」と1990年代の鈴木杏樹のふりかけのCMばりのエールを送った。
すると店員さんは再びこう聞いた。
「あの、、、生卵は2つでよろしかったでしょうか??」
まさかの再度確認である。
よっぽど生卵2つが珍しいのだろうか。
それを受け、後ろの男性が再び
「はい!!!」
と元気いっぱい力強く返事した。
非常にわんぱくである。
返事を聞き、僕は思った。
店員さん、すんなり生卵2つ入れてあげてよ。
確かに2つは珍しいけどさ。
この子、わんぱくなんよ。
普段モテへんし冴えない毎日送ってるけど、生卵2つ入れて元気つけて頑張ろうとしてんのよ。
パパッと入れてあげてよ。
そんな事を思っていると、店員さんはまさかの3度目の確認をした。
「あの、、、2つ、、、本当に2つでよろしかったでしょうか??」
後ろの男性はやっぱり元気よく返事する。
「はい!!!」
何やら様子がおかしい。
店員さんが3度も確認している。
何や?
どういう事や??
あれ??
ちょっと待てよ??
あ、、、
あああああ!!!
俺、生卵の食券取るの忘れてる!!!
そうなのだ。
僕はかき揚げそばと生卵を買い、かき揚げそばの食券だけ取り、生卵の食券を取るのを忘れてしまっていたのだ。
そしてすぐ後ろにいたこの男性がおそらく自分のを買った後に僕の食券に気付き、自分の物にしていたのである。
こうして生卵2つは出来上がったのだ。
全てを悟った僕は心の中で吠えた。
おい!!!
そこのわんぱく小太り!!!
それワシのや!
それワシの生卵や!
お前何を人の食券パクって元気に返事しとんねん!
はい!!!やあらへん!
どういう感情や!
ようそんな元気に返事出来たな!
小太りが大太りの生卵盗るなよ!
何をW生卵にしとんねん!
卵なんて1つ入れりゃ充分やろ!
いや、取るの忘れた大太りが悪いねんけどさ!
ただ、自分のもんにすんなよ!
何で俺金払ってこいつに追加で生卵食わせなあかんねん!
と、心の中で吠えまくる僕に店員さんがいきなりこう言った。
「もしかしてお客様、、、生卵購入されてますか??」
か、、、
か、、、
神店員、降臨。
て、店員さん!!!
すごいよ、店員さん!
何で分かったんですか!
救世主や!
あんた救世主や!
俺、店員さんに一生付いていきます!
店員さんの「もしかしてお客様、、、生卵購入されてますか??」に対し
僕は元気いっぱい力強く
「はい!!!」
と返事した。
こうして無事天玉そばをゲットした僕は店員さんに「すいません、ありがとうございました!」と礼を言い、そばをすすった。
美味い。
今日のそばは一段と美味い。
ふとわんぱく小太りの方を見る。
するとわんぱく小太りは無表情でそばをすすっていた。
何ちゅう顔しとんねん。
何で無表情やねん。
以上が数日前あった出来事である。
生卵の食券を取り忘れるのは、この前からの悪い流れを引き継いでそうに感じるが、そこからの店員さんの神対応である。
危機一髪、僕は天玉そばを食べる事が出来たのだ。
あの店員さんには感謝しかない。
そして運気の上昇を感じる。
何かいい事が起こりそうな。
そんな予感がするのである。
はい。
というわけで。
これからも何とか元気にやっていきます。
それでは、また。