在宅ワークの意味~感染予防のみにあらず

インフルエンザ特措法に基づき緊急事態宣言が出された。

安倍総理からは、7割から8割を在宅ワークに切り替えるように要請があった。感染者の急増を受けて、国民の行動変容が大切とのメッセージもあった。

基本的に私は安倍総理を支持していない。むしろ、完全に反安倍の立場だ。しかし、昨日の会見はなかなか見事なものだった。メッセージの内容もよく練られ、方々に配慮されていた。

東京都内は、相変わらずの状況だ。大手企業は、一部も含めて在宅に切り替えたり、堪え忍びながら営業を自粛、休止している店舗もあるなかで、相変わらず、結構な数のビジネスマンや乗客が電車などに乗っている。緊急事態宣言など、どこ吹く風のようである。

この現状を見るにつけ、やはり行動変容、いや、企業の経営幹部の抜本的な意識改革が必要だ。確かに、社会インフラを担う企業は、在宅には変えきれないし、この中でも事業スキームは基本的に変えられない。

しかし、そうではない企業でいまだに在宅勤務を基本としていない企業は、ある意味、経営幹部の資質が問われていると考えなければならない。在宅ワークはできないと言っている経営幹部のなかには、在宅にはしたくない、在宅ワークのやり方を考えるのは大変と思っている人たちが一定程度いる。あるいは、新型コロナウイルスのリスクを正しくとらえられておらず、リスク管理能力に問題がある。できないのではく、やろうとしない企業も少なからずあるのが実態だ。

在宅ワークは、政府や都知事の会見等をみると、感染拡大防止の意味で捉えられがちだ。確かに、感染拡大防止には、人との接触や密集、密接を避ける必要事があるから、在宅ワークとすることで、感染拡大防止の効果があるのは間違いない。

しかし、企業危機管理の視点で考えると、けっしてそれだけの意味ではない。もっと重要な意味がある。

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