ニシ・フーマ

理由あって小説を投稿しています。主に児童文学(小学校 高学年向け)を書いています。

ニシ・フーマ

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最近の記事

1万円で何をする? ①

5時間目のチャイムが鳴った。 お昼休みの後はいつも眠い。秋子は目をつむって机に突っ伏したまま、教室のガヤガヤした音を聞いていた。 おしゃべりの音、笑い声、イスがガタガタする音、机の上で何かしていたり。 そんな音をぼーっと聞いているのが、秋子は好きだった。 突然、音が止まった。 (どうしたんだろう?) 秋子は気になって顔を上げた。 すると、教室の前の方、ドアから入ってすぐの所に、見たことのないおじさんが立っていた。 (え、誰?こんな先生いたっけ?) 一瞬考えたけど

    • お母さんの魔法

      美也は学校から帰るとすぐに2階の自分の部屋に走っていって、ランドセルを机に投げつけ、ベッドに潜り込んだ。 もうイヤ!もう絶対学校なんか行かない! *** 敏子は困り果てていた。 小学5年生になる娘の美也が学校に行かなくなってから、今日で3日目になる。 今まではこんなことなかった。 娘は神経質なタイプではない。というより、自分に似てかなり大雑把でお調子者な性格だと思う。 学校を嫌がるようなことも無かったし、友達とも仲良くやっているようだった。 実際日曜日も、クラスの子

      • 学校うんこ

        神木小学校6年3組、2時間目の算数の時間。 黒板に板書する先生、ノートを取る生徒たち。 何の変哲も無い、小学校の授業風景だ。 しかしその中で、ケンジの戦いは静かに始まっていた。 クーラーの効いた涼しい教室の中にも関わらず、ケンジのおでこには大量の汗がにじんでいる。先生の話し声も耳に届いていない。下を向き、目を閉じながら、ゆっくりとした呼吸を繰り返す。 ケンジは、うんこを我慢していた。 元々お腹が弱く、ちょっとしたことですぐ下痢になる体質だった。家ならいいが、学校で、そ

      1万円で何をする? ①