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[ー閉ざされた世界ー]《短編第5話》

[和尚と……いっしょ!]
(登場人物)
侵入者(A・B・C)
雲来(悪気)
木下基木
ヒロキ
アタル・タツヒコ・コハル

雰囲気が変わり過ぎている雲来と向かい合う、木下と侵入者3人。
ヒロキは、子どもたちの側にいる。

侵入者C「アニキどうします?」
侵入者A「何だ?見たことがねぇな。」
雲来「(ボソッと)百蛇荒…」

雲来(悪気)を中心に地面から無数の蛇の大群が湧き出てくる。

侵入者A「!何だ⁈」
侵入者B「へ、蛇じゃん!しかも、何か黒!」
侵入者C「どうします⁈アニキ……」
侵入者A「く!体制立て直すぞ。」
木下「(遠くに)ヒロキ!子どもらをできる限り遠くに逃がせ!」
ヒロキ「は、はい!」

侵入者3人は、バラけるように雲来から離れる。
雲来(悪気)が、さらに攻撃を加えをとする。

雲来(悪気)「くくく…冥牙!乱打‼︎(黒い蛇の塊りが襲う。)」
侵入者A「
‼︎
木下「大きく…跳ぶぅ〜〜
‼︎(瞬間的に猿に変わる。)からの〜(背中にある鉄棒を手に取り、地面に垂直に刺した。)」
雲来(悪気)「(地面が少し落ち着き)お前……(不敵に笑う)フ!面白い……(シュンと木下の間合いに入り、手のひらを合わせ居合をするように)冥道斬!」
木下「は!(咄嗟に鉄棒から降り手に構えながら交わそうとする。)
雲来(悪気)「血の噴水!」
木下「(ギリギリかち割る形になる)出るかよ!《うわーギリギリ!危ねぇ〜〜》」
雲来(悪気)「(グッと力を入れながら)次は当てる〜(不気味な笑みを浮かべる)ん?」

悪気が、スンっとする。木下も、少し下がり様子を伺う。

木下「《何だ⁈止まった?》(自分に言い聞かすように)気を張れ!」

雲来の、スポットが当たる心の内。
スポットの真ん中に雲来が座禅をして瞑想している。その近くに黒い何かが近づく。

雲来「(座禅)……」
悪気(声)「…ふん、気のせいだったか……お前は、ここでジッとしていろ!お前の代わりに暴れといてやる。」
雲来「(座禅)……」
悪気(声)「ふん!」

スーーと霧の中に消える。
(現実)雲来(悪気)が、意識を戻す。

雲来(悪気)「はぁ〜〜(ゴボゴボと腕部分が変化し黒いオーラが漂う。)」
木下「あ!急に……片手だけ獣化か?…それにしては、禍々しくねぇか…じゃあ、俺も……(身体に力を入れる)ふん!(身体全体に毛が生え、顔が猿に変わり)後は…(両腕に)鮭…付与(両腕の筋力がボコンと盛り上がる。)」
雲来(悪気)「…殺る気か……(ニヤニヤしながら)ヒャーー
‼︎

両者睨み合う近くにタッタタっとアタルとタツヒコが走ってくる。その後ろから猛スピードで追いかけるヒロキ

アタル「和、和尚⁈」
タツヒコ「和尚さん⁈」
木下「危ねぇぞ!下がれ!」
ヒロキ「まずい!(2人の前に出る。)」
雲来(悪気)「五月蝿いガキが……まずは…お前らからだ。(2人に、牙を剥き出しに襲いかかる)冥牙!」
木下「まずい!(向かう)子どもに向かうのはダメだ。」
アタル「やめてくれよ!」
タツヒコ「……っ(硬直する。)」
ヒロキ「《クソ!守れ!》(2人の前にシュンと出て、迎撃に構える)」
雲来(悪気)「ヒャーー!ん⁈(また何かを感じその場に立ち止まる。)またか!」

悪気は、2人の近距離で立ち止まる。

雲来(悪気)「……ん⁈(顔を手で覆う。)あぁぁ〜〜何だ⁈…出てこようとしてんのか⁈」
木下「お?何だ⁈また止まった。!……ヒロキ!その2人を頼むぞ。」
ヒロキ「え、あ!分かりました。よし、2人とも行くよ!」
タツヒコ「あ、はい…アタル!行こう。」
アタル「あ、(タツヒコに引っ張られながら)和尚……」

3人には他の子たちの場所まで走って行った。
この場に残る木下は、雲来の様子を伺う。

雲来(悪気)「(顔を覆いながら)おぉ〜あぁ〜〜〜(叫びだす)」
木下「何だ⁈」
雲来?「はぁ〜はぁ〜……(声が聞こえる)ダ・レカ」
木下「!この声⁈和尚さんか?」
雲来「木下さん…ですか?……お願いが…あります」
木下「え?何ですか?」
雲来「…私を中心に…壁を張って頂けないでしょうか?」
木下「壁⁈どういうことですか?」
雲来「…無理を言っているのは、承知です……」
木下「……壁っぽいのだったら即席でしたらできます。」
雲来「……本当ですか…お願いします。」
木下「(少し離れる)そんじゃ、壁を張りますよ……能力発動…鮭の川下り!(無数の鮭が雲来の周りを囲む。)もっと!もっと!……よし!ここで形成。(鮭が周り壁がその場にできた。)」
雲来「あ、ありがとうございます……それでは、(座禅をし始め、集中する。)」

場面:雲来の精神世界
スポットの当たる円に雲来と悪気が向かい合っている。

悪気「どういうつもりだ…お前は何もできない」
雲来「ふぅ〜えぇ、今の私では経験が足りず…あなたのその力を使うことはできません。」
悪気「なら、俺にお前の全てを渡せ!有効に使ってやる。」
雲来「お前に、与えたら……(子どもたちを思い出す)あの子たちを傷つけさせる訳にはいかない。」
悪気「だから何だ?俺をどうする?……封印か?……お前では、無理だ。」
雲来「えぇ、今の私ではお前を完全に封印はできないだが……(懐から仏具のようなモノを手に取りフラッと悪気に近づく)」
悪気「何を!《ん?身体が…動かん》」
雲来「(近づきながら)動かないか?(片手を合掌しながら)私も少しは鍛えたからな……(悪気の近くにくる)」
悪気「くそ!……何をする…ん?お前」
雲来「(持った仏具を経を口にしながら振り上げる)フン!(悪気に振り下げる。)」
悪気「あぁぁ〜《斬られた…だが何だ痛みがない》(半分になった状態で)どういうつもりだ⁈」
雲来「(仏具を仕舞い、経を唱える。)」
悪気「何のつも…っ
‼︎何だ……力が…抜ける……」
雲来「(悪気の半分を取り込みながら)《くっ!半分でも厳しいが…これぐらいなら……》半…分ならお前を捕らえられる。」
悪気「何を⁈」
雲来「(悪気に合掌しながら)半分だが、お前の力を有効に使わせてもらう……残りのお前はいずれ取り込まさせてもらう……それまでじっとしておきなさい!(力をグッ!入れる)」
悪気「ん?何だ…くそ!身体の自由が……(ニヤっと笑いながら)今だけは大人しくしといてやる!お前がもし、気を抜いているようなら……俺は……」

悪気の声が遠くなりスーと消える。
霧が晴れような感じになる。
場面:現実

木下「(雰囲気を見て)ん?気配が…解除してみるか……(力を抜き能力を解除する)」
雲来「はぁ〜はぁ〜…あぁ〜(後ろに倒れる)」
木下「うぉ!やば!(瞬時に雲来の側に足が向かい体を支えた)大丈夫ですか?」
雲来「ん〜〜すいません……一つお願いがあります?」
木下「な、何ですか?」
雲来「子どもたちを、あなた方にお願いできないでしょうか?」
木下「え⁈それはどういうことですか?」
雲来「……今、私と一緒に居れば子どもたちの身に危険が及ぶ可能性があります。そんな、危険が陥る環境にはさせたくはないんです。」
木下「…けど、子どもたちは悲しむんじゃないんですか?それに……俺の主観ですけど、今のあなたなら子どもたちを守れるんじゃないですかね。」
雲来「ですが、私の中には半分ですが…悪気がいます…もう半分も今は奥底に眠らせていますが、またいつ出てくるか……あ!…」
木下「ん?(同じ方を見る)お!(ゆっくり離れる)」

雲来が、気づいた先にいたのはヒロキと一緒に戻ってきた。子どもたちとアタルたち3人が歩いてきた。
アタル、タツヒコ、コハルが雲来の元に走ってくる。

コハル「和尚……帰ろ!」
タツヒコ「みんな…お腹空かしてる。」
アタル「……もし、和尚が変になりそうな時は…俺が、俺たちが支えるよ……それから、ちょっとでも良いからみんなと一緒に寝て欲しい。」
雲来「…みんな、私はここに居てもいいのかい?」
3人「うん!」

少し遠くから侵入者の3人が、ゆっくり近づいてくる。それに、気付き木下が細鉄棒を持って目の前に立ちはだかる。

侵入者A「退け!今がチャンスなんだよ。」
木下「…いま、良い雰囲気何だよ……空気読め。」
侵入者B「うるせぇ!今こそ奪うチャンスなんだよ」
侵入者C「アニキやりましょう!」
侵入者A「あぁ!行くぞーー!」

侵入者3人は、木下に向かって獣化全開で突進してくる。木下は、呆れながら細鉄棒を振りかぶる。

木下「だから、空気読めよ……能力付与…鮭!……必殺!鮭の川上り(細鉄棒を侵入者3人にぶつける)死なねぇように加減してやるから。」
侵入者3人「(目の前に鮭の群れが見え)え⁈えぇぇ〜〜
‼︎

侵入者3人は、空に飛んでいった。

木下「(能力を解除しながら)ふぅ!(雲来の方を向いて話しかける。)雲来和尚、協力関係を結びませんか?今から直ぐ帰ってウチのリーダーに話しますんで良ければ考えてもらえるとありがたいです。」
雲来「え?……宜しいのですか?」
木下「結論は……ウチのリーダーを見ていただいてからでも結構です。ヒロキ!帰るぞ。」
ヒロキ「あ、はい(木下のほうに走ってくる。)」
木下「それでは、俺たちはここで失礼します。」
ヒロキ「失礼します。」

木下たちは、アジトに向かう為に歩き始める。
雲来は、帰る2人の背中に深々と頭を下げた。
少し時間が経ち、アジトに戻る道中ヒロキが話しかける。

ヒロキ「あの、基木さん能力一つ増やしたんですね。」
木下「ん?……あぁ〜気まぐれで。」
ヒロキ「気まぐれ……」

2人は、色々話しながらアジトに帰っていく。
〜おまけ〜
2人が、アジトに帰り木下が岩谷に来歓院の話しをすると

岩谷「よし!2人は、疲れただろうからアジトで休んでてくれ…俺は、ひとっ走り来歓院さんの所まで行ってくるわ〜〜(足だけが、オオカミ化する。)じゃあ!」

岩谷は、凄まじいスピードで走って行った。


「終わりが無理やり過ぎたか?
とは言え、書き終えました。」

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