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選手やコーチのアナリティクスへの理解を深めるにはどうしたらよいのか問題

セッションの企画を考えたSAJ2023が無事に終わりました。ご参加頂いた皆様、登壇者の皆様、そして準備に奔走していた皆様お疲れ様でした。

本当は翌日くらいに振り返りを書けばよかったのでしょうが、先週はどうしても優先したいことがあり、noteを書く時間も惜しんで取り組んでいました。2022年まではありえなかったことですが、noteで試合のレビューを書くというタスクがなくなったから出来ることでもあります。

その話はいつか別の機会に書くとして、今回はSAJ2023の個人的な振り返りを書きたいと思います。

新鮮だった高田チェアとWEリーグのスタッフの動き方

当日は「スポーツの現場で女性が輝くためには。データを武器に、新しいビジョンを描こう」というセッションを担当していたため、セッション前後は準備に追われていました。森保監督のセッションはほとんど聞けず、後ほどアーカイブで確認しました。

WEリーグ チェアの高田さんとは初めてお話しましたが、とてもチャーミングで、企業にこういう女性の上司いるなぁという感じがいいなと思いました。会場を1人でフラフラと歩き回って、端っこに座って森保監督のセッションを聞いている感じがいいなと。そして、WEリーグのスタッフも過剰にケアすることなく、むしろ森保監督のセッションを熱心に聞いていたり。僕はこの感じいいなぁと思いました。

高田さんとWリーグ トヨタ紡織サンシャインラビッツ・アナリストの福田さんと人事や組織の話を楽屋で話したり、長谷さんはWEリーグ 理事の小林さんと一緒にギリギリまで森保監督のセッション観ていたり、女性たちが元気に動き回っている姿は微笑ましかったです。今回は女性の参加者が増え、制服を着た女子高生の姿も見られました。女性の登壇者を増やして、女性の参加者を増やすという試みはある程度成功したのではないかと思います。

中央でサッカー日本代表森保監督のセッションを観るWEリーグ 小林さんと長谷さん
CIC Tokyoは登壇者との距離がとても近い

セッション自体は時間が延びてしまったこと、ある質問がなかったこと、この2つは反省点でしたが、難しいテーマを議論するセッションとしては悪くなかったのではないかと思いました。

そして、このセッションは続きがありまして、ある計画が進行中。さてどうなりますやら。SAJは毎回終わってからが大変なんです。

横浜DeNAベイスターズのセッションに参加して考えたこと

WEリーグの皆様が会場を後にしてからも、会場に来てくださった人たちと話をしていたら中々セッションに参加できず、ようやく参加できたのが「常勝軍団を目指す横浜DeNAベイスターズのデータ活用の現状と展望」でした。

横浜DeNAベイスターズのデータを活用したチーム強化について語られたセッションに参加した後、こんな事を考えました。

選手やコーチや現役を引退した元選手の参加を増やすにはどうしたらよいのか。彼らこそこういうセッションに出てもらいたいのになぁ。

SAJを主催する日本スポーツアナリスト協会が設立されたのは2014年。9年という年月の間で、プロスポーツの世界ではデータや映像を使った分析を行うのは当たり前で、アマチュアスポーツでもデータや映像を使った分析は活用されています。ツールは日進月歩で発展し続けています。

ただ、発展し続けているツールや知識を、選手やコーチといった人たちは使いこなせていないのが現状だと思います。どう理解し、どう改善につなげていけばいいのか、ツールをどう使うのか。これが分かっていないといけないのに、全然分かってなくて現場に入ってようやく使う、という人がまだまだ多く、「こんなの役に立たないよ」とか「データのことは分からない」と言ってしまう人がいるのではないかと思うのです。自分の経験や知識だけに頼っていたら成長はないので、もっと学んでアップデートしていく場として、SAJはとてもいい場だと思うのですが。

今回のSAJ2023はサッカー日本代表の森保監督やWBC日本代表の栗山監督といった監督がアナリティクスをどう活用しようとしているのか、というセッションも企画され、現役のアナリストの事例紹介もあったにも関わらず、選手やコーチや元選手といった人々の参加はとても少なかったと聞いております。勉強するにはいい場だと思うのですが、認知が足りないのか、学ぶ気がないのか。誰か解説者や元選手がいるかなぁと思っていたのですが、会場には一人もいませんでした。とても残念です。

9年の間でアナリストの価値は高まり、アナリストを希望する人は増えましたし、SAJというイベントの認知度も飛躍的に高まりました。理事の3人をお金持ちにすることはできてませんが、当初実現したかったことある程度実現できたのではないかと思います。

それ故に、アナリティクスがアナリストだけが実施し、理解していればよいものでなくなっているとも感じます。周りのスタッフがいかに理解し、実行していくかが大切だし、理解を深める取り組みが必要だなと感じましたし、
アナリティクスに対する選手や周りのスタッフの理解が高い個人や組織の成長スピードが明らかに上がっていて、競技やチームによる差が生まれているなと感じました。そして、サッカーはベイスターズくらい出来ているかなぁと思うと全然だなと思った次第です。

ただ以前データサイエンティスト協会のイベントに登壇させて頂いたとき、同じような課題がデータサイエンティスト協会でも議論されていたことを思い出すと、スポーツの課題がビジネスの課題に似てきているのかなとも感じます。

次回以降でやりたいこと

栗山監督が「アメリカのアナリティクスに精通しているスタッフを加えようとした」というくらい、監督は勝つためにあらゆる手段を考えています。アナリティクスに関わる人達は、こういう監督の要求に応えられるようにしないといけないし、まだまだ海外の方が先を進んでいる部分があるのも事実だと思います。

今後僕が関わるのだとしたら、今回実現出来なかった海外のアナリストの知見を共有してもらう場を設けたいなと思いました。海外との関わりはどんどん増やしていきたいと思っているし、なんなら仕事してみたいので。

僕がまた企画者として関わるかはわからないのですが、次のSAJは今取り組んでいることの延長線上で出来るように、準備を進めておこうと思います。


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