書評「うつ病とサッカー 元ドイツ代表GKロベルト・エンケの隠された闘いの記録」
ずっと気になっていた本だった。でも、なかなか読む気になれなかった。
読むには体力が必要なことも分かっていたけど、それだけが理由ではない。書評を書くとしたら、個人的なことを書かなければならないと思っていたからだ。自分の経験を無視して、虫の良いことを言うことはできない。そう思っていた。
本書は、元ドイツ代表のサッカー選手ロベルト・エンケの人生を描いた作品だ。本書が他の自伝と異なるのが、ロベルト・エンケの人生が栄光ではなく、苦悩に彩られているからだ。
類まれな才能と心の病ロベ