伝書鳩パーティー 毎週noteショートショート

「それでは、閣議を始めようと思います」
 首相の一言で、各大臣は襟を正し、マスコミは部屋を追い出された。
 かくいう、夕顔新聞の自分も同じように廊下で出されたわけだ。
「先輩、これが閣議ですか?」
 新人君はこれがはじめての閣議取材。浮き足だっているようだ。
「ああ、形だけのね。知ってるだろう?」
「いや、ちょっと」
「ったく、これだから今の若いのとか言われるんだよ」
 俺は悪態をつきながらも、少し嬉しそうに話をしてしまった。
「ようはな、俺たちの国は、あの国の意向に沿わなきゃ何も出来ないの。あの国からあーしろこーしろと言われた事をしてるだけ、特に今の与党、由自党は特にね」
「へーそうなんですね」
「あだ名は伝書バ党」
「伝書鳩っすね」
「ほら、開くぞ。これが通称鳩時計」
 扉が開き、決定事項を官房長官が読み上げた。
 俺と新人君はそれを書き留めると、メールで編集長に送信した。
「先輩、俺たち伝書鳩の子伝書鳩っすかね」
「それ、この業界のあるあるギャグだからあんまり受けないぞ」

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