香水


  「いいか、これがボスから言われたターゲットだ。ヤス、今回はお前がやれ」
「兄貴、ありがとうございます」
「今日の夜のパーティー、20時ちょうどに俺が電気を消す。暗闇の中でこいつをやれ」
「すいません、どうやってやるんすか?」
「この香水。これはターゲットが特注に使っているものと同じものだ。これに、特殊な液を入れておいた。そしてこのメガネだ。これをかければ、暗闇の中でも赤く光って見える。それを目印に任務を遂行しろ」
「心臓を一突き」
「バカっ!ヤス。いいか? 心臓なんて、肋骨があってそうそう突けやしない。それより、この香水だ、どこにつける?」
「どこっすか?」
「こうだよ、こうやって手首と首から耳裏だよ。ほら、どっちも太い血管が通ってるだろ? メガネかけて、赤く光ってるところそこを切り裂け」
「なーるほど、兄貴、香水つけるの上手いっすね」
「まぁな。結構、遊んでるから・・・んなこたーいいんだよ。いいか? しっかり切るんだぞ」
「はい」

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「次のニュースです。今晩20時頃、都内のパーティー会場で殺人事件が起こりました。
殺されたのは、犯罪グループの兄貴分。殺したのは弟分だということです。グループ内での仲間割れが原因だとみて捜査を進めて下ります。
 また、弟分のほうは容疑を否認していて、『兄貴も香水つけていて、間違えた』とよくわからない供述をしているそうです。
 次のニュースです。レッサーパンダのあかちゃん・・・』

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