同じ月を見ていた

 7月28日。Johnny's DREAM IsLAND 2020→2025 ~大好きなこの街から~が配信されている時間、私は最寄り駅の歩道橋の上にいた。ふと空を見上げたら、厚い雲の隙間から、綺麗な月が見えた。月や星は私にとって一番身近な神様だ。いつものとおり、祈る。「今江くんが今日も、万全の体調で、楽しい!幸せ!な気持ちで、ステージに立っていますように」と。

7月28日、うまれてはじめて、担当の現場を「見ない」選択をした。

 今江くんが出るか、出ないか。最初は、出る4:出ない6ぐらいで考えていた。本人が「役者になる」というのであればそうなのだろう。ただ、その「役者になる」が今すぐに、なのか、今後、なのか、本人の宣言なのか、マネージャーさんやタッキーやなんなら事務所を巻き込んだ公言なのか…そのあたりが文章ではいまひとつ読み解けなかった。

 今江くんはいつも、それなりにわかりやすくヒントをくれる。ドリアイに出るのであれば、当日よりも前に、日誌なり動画なりを更新してくれるだろう。そう思っていたら、7月6日に日誌の更新があった。文脈的に、出てもおかしくはなさそうだ、と思った。期待値を出る5:出ない5まであげた。

 とはいっても。方程式を思い浮かべて、検討した。

 ドリアイ=1月の京セラドーム+ジャニーズWEST+関ジャニ∞。

 ドリアイ=2019年in大阪のメンバー-郁人+関ジャニ∞。

 これに2500円、出せるだろうか。

 今まで、観客を入れたコンサートの配信を見たことがなかった。東京ドーム8.8も、あけおめ京セラドームも、どちらも現地で見るという選択をしたのだ。今回だって、7500円払って普通のコンサートだったら、間違いなく行っていただろう。

 配信は、双眼鏡が使えない。自分の興味のないもの、なんなら苦手なもの、全てがディスプレイ経由で目の前に陳列される。それに耐えても、担当が十分映る保証もない。そんな配信を見て、満足できるだろうか。大好きな人がいる(かわからない)配信を見て、満足よりも不満が上回る結果になるのは怖かった。悩んで悩んで、見ないという選択を下した。


 しかし、である。帰宅した私を待ち構えていたのは、妹からの「アーカイブ配信されるらしいよ!」の一言。拍子抜けと、安心と。こうなればもう怖いものはない。

 アーカイブ配信が始まるやいなや再生し、見進めたライブ中盤。その前の曲、夏も近づく晴れ渡った空の下、大阪城をバックに歌う関ジャニ∞から、景色がガラッと変わる。

 先ほどよりも大分暗くなった空、遠くに見える観覧車、煌々と輝く数々のライト、バックモニター。なんだか不思議だけど、やっぱりステージは、暗闇に包まれるからこそ、明るくて、まぶしくて、アツい。

 聞きなれたギターのイントロ、真っ赤な衣装に身を包んだ関ジャニ∞。視覚と聴覚が一気に刺激を受けるなか、それでもじっと見つめてしまうのは、大好きな今江くん。

 彼の動きを追うように必死に映像を見ていたら、バックモニターのうえ、はるか頭上に綺麗な月が見えた。

 「あ」と思わず声が出た。

 「離れていても同じ星や同じ月を見ているから」みたいな、気障なセリフをいうわけじゃないけれど。

 でも、同じ月だ。

 なんだかそれが嬉しくって、ブリュレを繰り返し見た。ああ、そうか。よく考えたら、野外で踊る今江くんを見るのなんて初めてだ。上を見るのが好きな彼は、きっと空を見上げただろう。開放感あふれるステージで、彼が好きな宇宙や、月や、星に見守られて、踊ったんだろう。

 今日も、祈る。今江くんがこれからも、万全の体調で、楽しい!幸せ!な気持ちで、ステージに立ち続けられますように。

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