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【イベントの話】名取さな単独イベント「さなのばくたん。-メチャ・ハッピー・ショー-」に行ってきました。

先日、神奈川県川崎市の複合商業施設「LA CITTADELLA」にて開催された、バーチャルYouTuber「名取さな」の単独イベント「さなのばくたん。-メチャ・ハッピー・ショー-」に行って来ました。

結論から言うと、ファンか否かは関係なく、シンプルにエンタメとして非常に面白いものを見れて大満足でした。

「せっかく行くならレポにしてくれ」という友人の依頼があり、こちらとしても3/6~3/8の間ほとんどの時間をこのイベントに費やしたことで非常に思い出深くもあるので記録に残すことにします。

ちなみに、これを書いている僕自身は特に名取さなのファンというわけではなく、熱烈ファンの友人がイベントに行くことをきっかけに、なんか面白そうだからついていった、ぐらいの超初心者です。

軽く自分の状態を説明しておくと、

・日頃Vtuberの動画を殆ど見ない
・名取さなについては友人経由で知った
・ロックバンドが好きでよくライブやフェスに行っており、
   過去サマーソニック2019にてたまたまキズナアイのライブを見る。

この程度の知識量しかない人間の感想と思って読んで頂けると幸いです。

事の発端

すべての始まりは2020年3月。熱烈ファンの友人Aから、名取さなというVtuberがいること、彼女の生誕祭がさなの日こと3月7日に川崎で開催されるので泊めてほしいとの連絡を受けました。

全く知らない状態ではありましたが、普段離れた場所に住んでいてなかなか合う機会がなかったため積もる話もしたいと思い快諾。その日を楽しみにしていました。しかし、憎き新型コロナウイルスの流行に伴い、生誕祭は中止。あえなくAと会う約束もキャンセル。

彼の悲しみは想像を絶することでしょう。僕も当時行く予定だった「騎士竜戦隊リュウソウジャーショー 素顔の戦士たち公演」と「KNOTFEST JAPAN 2020」が中止になって意気消沈していました。

2021年。中止になった生誕祭が満を持しての開催。
Aとも1年ぶりの再開。自宅に泊めてイベント期間中の何日かをともに過ごしました。この年は特に規模感や詳細を聞くことなく行動していたため、チケットを取って一緒に行くことはせず、Aがイベントを楽しんでいる間、映画「すばらしき世界」を見ていました。面白かったですがラストが切なく,やるせない気持ちになりました。
帰宅後、Aが配信チケットを購入し、アーカイブでイベントを視聴。「あ、こんな感じなんだな」と思いながら正直そこまで興味を持たずに見ていた気がします。

そして今年。去年に引き続き川崎にてイベント開催が決定。Aと別の友人Bがともに参戦することに。今回はせっかく行くんだし現地で見たいな、と思い一般販売にてチケットを購入。
残念ながら友人Bは仕事の都合とコロナの上京を鑑み断念。チケットはまた別の友人Cに託し三人でイベントに参加する形になりました。

前日の予習

イベント前日にAと合流。後述しますが何店舗かのコラボメニューを堪能した後、神奈川観光と称して等身大ガンダムを見に行って帰宅。誕生日前日の生配信があるとのことで視聴しました。

横浜の等身大ガンダム。青空が映える・・・。

当日のイベントの内容やコラボメニューについて言及する内容で、他の配信も勧められてみたところ、妙に気になった点がありました。

それは、可愛い見た目の割に荒い語調で視聴者とやり合いをするところ。
「え?こんな調子でやってファンがつくの?」と感じさせるほど強め、というか異様にあたりの強いコメントに対して適応していく形でこうなったんじゃないか、と思わせる感覚がありました。小学校のときに見た、バカな男子のイジりに対抗して自らも語気が強くなっていく女子の感じです。

他のVtuberがみんなこうなのかはわかりませんが、なんとなく近しいものとしてイメージできたのは、芸人の深夜ラジオです。

僕は、バナナマンのラジオ「金曜JUNK バナナマンのバナナムーンGOLD」を毎週聞いているのですが、その中では、バナナマンの二人がどうでもいい話を長々繰り広げた後、リスナーからのメールで「おいじじい。クソみたいな話ずっとしてんじゃねーよ、日村Fxxk!」みたいな強めの内容が繰り出され、二人がそれに対応してさらにおもしろくする、みたいなやり取りが頻繁に交わされています。

そんな雰囲気で成り立っているので、名取さなと視聴者との関係は、ある意味プロレス的というか、お互いの信頼がないとできない稀有なものなのかな、という印象でした。

生配信後は、こちらの領域で話をさせてもらう時間を設け、つい先日放送開始した「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」と、最終回を迎えた「機界戦隊ゼンカイジャー」について3時間近く語らせてもらいました。長々付き合ってくれてありがとう。ドンブラザーズは相当カオスな1話目でした。ゼンカイジャーは超面白いので皆さん見てください。

ちなみに、Aはお土産と称して名取さなの割とデカめのフィギュアを授けてくれました。「2個持ってるから1個くれてやるよ!」と言っていましたが1個でも結構なお値段だったはず・・・。
ひとまず自宅フィギュア棚のガオガイガーの隣を捧げます。

頂いた名取さなフィギュア。ロボばっかりのラインナップの中で明らかに異質。

コラボ店舗・メニュー

このイベントに合わせて、LA CITTADELLA内などいろいろな店舗でコラボが開始。Aたっての希望でほぼ全ての店舗を堪能しました。
一部写真を撮ったので載せておきます。

ペゴッパヨ

韓国料理屋とのことで焼き肉のコラボメニューでした。後から見せられたのですが、どうも過去の配信でバーベキューをやっていたようで、その内容を取り上げたメニューとのこと。こういった細かいネタを拾ってコラボメニューを作れるのは愛があっていいなと思います。

周りも同様のファンが多く、A含め「キッコーマンの烏龍茶がねえ!」みたいな声が少し聞こえてきたような気がします。

ELOISE's Cafe

こちらは去年もコラボを実施していましたが、今回はドリンクメニューと2階ぶち抜きの展示スペース。去年のライブ映像、初お披露目のフィギュア、著名イラストレーターのお祝いイラスト等が展示されており、ファン満足度が相当高そうな仕上がりになっていました。

寄稿しているイラストレーターは、「魔界戦記ディスガイア」の原田たけひと氏、「化物語」「逆転世界ノ電池少女」の渡辺明夫氏など、有名ドコロばかり。こんな著名な人にも人気なんだな、と驚かされるばかりでした。

白熊堂

イベント前の生配信でも取り上げていましたが、名取さなファンにはおなじみのキャラクター「アヘエビ」を模したかき氷など、他の店舗よりもキャラクター性の強いメニューが多かった印象。

ただ、訪れた日は雨が降っていて非常に寒かったためかき氷は食べずに別メニューのホットチョコレートを堪能。Aは極寒の中かき氷を購入し外で食す鬼畜の所業に。併せてホットチョコレートを購入していたため典型的なマッチポンプ状態になっていたのが非常に面白かったです。

クオリティが高いコラボメニューのかき氷。寒くなければ美味しいだろうに・・・。

スパイスクラフト

一番最後に訪れた店舗。Aが先に行って整理券を取ってくれたのですが、店舗に入ろうとしたら「整理券1枚につき一人しか入れない」と言われて、店舗に入れずあわや路頭に迷う状態に。どうしようか困っていたところ、1組のカップルが整理券を譲ってくれました。なんでも、コラボメニューのチャイをテイクアウトしようとしたところ店側がテイクアウトに対応しておらず、整理券をどうしようか困っていたとのこと。これは非常に助かりました。ありがとう、ありがとう・・・。

コラボメニューはエビがふんだんに使われたカレー。辛さを抑えて作られており、非常に美味しかったです。

ただ、カレーだけ注文しようとしたら、インド人らしき店主に「カレーダケ!?」と語気強めに確認されたのがちょっと怖かったです。
過去に、インド人はカレーにラッシーを合わせるのが定番、と聞いたことがあるのですが、一緒にチャイを頼まないのがありえないことのように思われたのでしょうか。

コラボメニューのカレー。店主が怖い以外は最高の味でした。

HillValley

こちらはポップコーン屋とのコラボ。
店舗で食べるメニューとテイクアウトできるメニューがあり、店を訪れた殆どのファンがテイクアウトできるメニューを購入している印象でした。
どこに言ってもHillValleyの紙袋を見かけたので、よい宣伝になったことでしょう。

とりあえず店舗でポップコーンサンデー? 名称が合ってるかわかりませんが、ソフトクリームとポップコーンを組み合わせたメニューを注文しました。
ストロベリーフレーバーのポップコーンが珍しいのもありますが、ソフトクリームとの組み合わせは意外とありそうでなさそうです。新感覚のスイーツを堪能できて大変満足でした。
写真でソフトクリームに刺さっている紙見たいな四角いのは、モナカみたいなもので食べられました。味はありませんでしたが。

ポップコーンサンデー?意外とありそうでなさそうな組み合わせ。

タワーレコード

去年も実施のタワーレコードコラボ。
等身大POPの展示と名取さなのCDの発売があり、写真を撮ったり名取さなが選んだおすすめCDなどを見たりしました。

等身大POPと写真を取りましたが、改めて見返すとPOPの隣に並んだ自分から一切隣のキャラに対する愛情が醸し出されていなくて気持ち悪く見えて来ました。Aの分の写真も取りましたが猫背が過ぎてキモオタ感が強めでした。

サンリオアニメストア

東京駅にてサンリオとのコラボグッズが売られていました。

自分が訪れた時点でステッカー以外のグッズは全て売り切れていたとのこと。人気の度合いが若干ですが知れて良かったです。
すべての要件を終えてAを見送る際にチラ見しただけでしたが、圧倒的にまっピンクの屋台みたいなものが鎮座していたのでめちゃめちゃ目立っていました。

キャラクターストリート全体に言えることですが、訪れるたびに東京駅を歩くくたびれたおじさま方とファンシーなキャラクターとのミスマッチ感が面白く見えてしまいます。

物販

イベント当日の午後から物販の並びに何も買わないくせにAとともに参加。自分らが到着する前からかなりの人数が長蛇の列を形成していてびっくりしました。

思えば、会場として映画館のシアターを5つ使っているので、仮に満員だとすると単純計算で1500人は訪れていることになるので、その何割かとはいえ凄まじい人数が集まっているのは割と納得です。
一つのイベントに1500人集まるのは、いちライブやフェスに行く人間としてはかなりすごい人気だと思います。物販の列で途中経由したライブハウス「川崎CLUB CITTA'」でも1500人はギリギリ入るかどうかのはず。

個人的にイベントごとで物販に行くたびに楽しみにしているのが、ファン同士で形成された文化圏や人間性が多少垣間見える異様な空間を見られるところです。

なんのイベントでもそうですが、ファン層が形成されると、ある程度服装の傾向が似通ってきます。アーティストによってはファッション性と音楽性をマッチさせることもあり、ここでしか見られない特異なファッションを見ることができます。ロックならバンTにディッキーズ、アイドルなら推しタオルやペンライト、氣志團なら特攻服にリーゼントです。

今回の名取さなの場合は、A曰く過去にイベントにて発売された黒地にピンクのパーカーを着用している方が多い印象でした。Aはそこに今回の物販で販売されていた蛍光緑のTシャツを着ていたので、パッと見た第一印象は、
「スプラトゥーンカラーのニンテンドースイッチ」でした。

物販の列は相当に長く、購入するまでにかなりの時間を要しました。
その中で、コロナ禍ということもあるのでしょうが誰一人として会話をせず淡々と並んでいるのがすごく印象的でした。

いよいよ本番

夜も更けてきてそろそろ本番。仕事終わりの友人Cと合流しいよいよ会場入り。AからはCの分含め3本ほどのペンライトを授かっていたのですが、Cは「SHOW BY ROCK!!」が大好きでイベントによく行く人間だったのでペンライトを持参していました。格が違う。

本番前にファンが用意したフラワースタンドを見たり映画をオマージュしたポスターを見ました。映画館で開催するだけあって遊びが多く、開催前から楽しめる要素がたくさんあって良いですね。

フラワースタンド。どれも力が入っていてマジですごい。

こういったイベントでフラワースタンドが用意されているのをたまに目にしますが、ここにお金をかけてお祝いできるファンの熱量にいつも驚かされるばかりです。一部のフラワースタンドにはAも協賛していたようです。

青空のラプソディ

ついに本番開始。事前に曲の予習をしてきたのでどの曲が最初に来るのか楽しみにしていましたが、1曲目はまさかのカバー曲。「小林さんちのメイドラゴン」OP曲「青空のラプソディ」でした。

予想外のところからまさかの名曲が選曲されるところに、正直驚きました。
あまり深く知らない身としては、ファンの間だけで楽しむイベントではなく、楽しんでもらえるファンの間口を広げている印象があり、正直ここで心を掴まれたような気がしました。

エッビーナースデイ

2曲目は事前に予習した曲「エッビーナースデイ」。非常にテンションが高くポップな曲調。ハッピーバースデイのメロディをサンプリングしていることもあり耳馴染みが良いです。

このあたりからステージの装飾や名取さな自体のモデルをじっくり見ていたのですが、すげー金がかかってるんだろうなぁ、と思わせるほどクオリティが高いです。モーションキャプチャなんでしょうがCGモデルがあそこまで細かく動くのは感動です。ステージも、照明に映るドライアイスの煙が再現されているのが見えて細かく作られてるところに感銘を受けました。

モンダイナイトリッパー

今回のイベントのコンセプトとして、歴代の名取さなの衣装が自我を持って活動する、というのがあったらしく、ここから見慣れたナース服の名取さなが進行していきます。

事前アンケートで行われた大喜利みたいな回答を紹介していくコーナーが始まりました。ファンたちのレベルの高い大喜利が、普段の配信でさぞ鍛えられているであろうことを伺わせるクオリティで普通に面白いです。

このあたりから、名取さなの声及びBGMがまるまる途切れるトラブルが多発。運営側はめちゃめちゃ焦る事態なんでしょうが、会場にいる身としては非常に面白かったです。

曲は今回が初出の新曲「モンダイナイトリッパー」。
テンポが良い曲です。配信にないのでもう一回聞きたい・・・。

だじゃれくりえいしょん

ここからは去年のイベントで使用された王様みたいな衣装の名取さな。キャラクターとして王様感を意識しているのか厚かましい感じが出てて面白かったです。昔どこかのイベントで見た広瀬香美もこんな感じでした。

曲は新曲「だじゃれくりえいしょん」。
かなりノリノリの曲調に反してダジャレを前面に押し出したくだらない歌詞が良いです。ちゃんと聞くと聞いたことないダジャレが非常に多く、作詞者のセンスの高さが伺えます。2番以降のラップ調のところとか耳に残ります。

アマカミサマ

続いて制服姿の名取さなによる、参加者アンケートのコーナー。配信で参加している視聴者がアンケートに答えていくとストーリーが分岐していくギャルゲー風の内容。前述した、配信に普段から参加している視聴者だけあって、おそらく名取さな側が想定していない方の選択肢をひたすら選んで進んでいくので、よくできたやり取りだと思いました。

ここでの曲は「アマガミサマ」。
個人的には一番好きな曲です。普通にアニメのOPに使われてもいいぐらいの楽曲だと思います。サビ前からEDM調にテンション感が上がっていってサビで爆発する感じは凄く中毒性があります。

メチャ・ハッピー・ショー

最後に今回の新衣装の名取さなに戻り、本人が作詞したという新曲「メチャ・ハッピー・ショー」をお披露目。このあたりからこれまでのプロレス状態から一転、ファンへの感謝を綴る時間に。

曲自体は、このイベントの集大成というか、ここに至るまでの軌跡やファンに支えられたことで開催できたことを感謝するような内容だったと思います。衣装のデザインも相まってきらびやかで素敵な演目でした。

さなのおうた。

本編が終了し、一旦暗転してからアンコールに突入。
見慣れたナース服姿の名取さなになっており、いくつかの重大発表がありました。

 「モンダイナイトリッパー」MV制作決定
 「だじゃれくりえぃしょん」3月8日配信開始
 「名取さなのもぐもぐごほうびごはん」単行本化決定
 「名取さなのもぐもぐごほうびごはん」単行本発売記念イベント開催

「名取さなのもぐもぐごほうびごはん」については、イベント前にちょうどAとこの話になり、

僕「あの漫画単行本化しないの?」
A「いや~、どうかな。なって欲しいんだけどね。」

なんて会話をしたばっかりだったので、伏線回収じゃん!と思いひとりテンションが上がっていました。

このあたりから、前述した音の途切れが激化して、あわや一時中断となる事態に。Vtuberのリアルイベント自体かなり歴史の浅いものなので、トラブルシューティングが難しいことでしょう。運営側の苦労が見て取れます。
復帰した後も名取さなの見事なコメントで会場の雰囲気が悪くなることはなく、楽しい空気感のままラストの曲に。

そして最後の曲「さなのおうた。」
耳に残りやすい王道の曲調と、歌詞の中で純粋なファンへの愛を伝えている印象の曲ですが、ここまでの一連の流れを経て、いかにファンに愛されてこのイベントが開催されているか、そして長く応援しているファンがどれだけ幸せな気持ちでこのイベントに参加しているか、を少し考えて、内心少し感動していました。
ここまでどストレートな歌詞で愛を伝えられているファンは僕の比ではなく相当な感動に包まれていることでしょう。去年参加したAは「泣きすぎてWake Up,Girls!のオタクみたいになってた」と言うぐらいなので、筆舌に尽くし難い感情でいるはずです。

名取さなとファンとの間の大きな愛情を感じて、イベントは大団円を迎えました。

参加して思ったこと

一連の流れを通して、思った以上に楽しめている自分がいたような気がします。映画館で見るイベントなんて行ったことなかったですし、ペンライトを振るタイプのライブも経験がなかったので、新しい楽しみを見つけることができたのは良い発見だったと思います。

ファン層についても、昨今のVtuber界隈のいろんな出来事を見る限りあんまりいい印象がなかったのですが、現地に行って実際に見る分には、おとなしめの方々が多く、Aが他のファンの方と会話するのを何度か目にしましたが紳士的な方々だったのがとても好印象です。

終わりに

ひとまず体験したこと全部書こうと思ったらクソ長くなりました。
長々とお付き合いありがとうございました。

おそらく来年も行くのが確定しているので、またレポを書くかもしれません。そのときはまたお付き合い頂けると幸いです。

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