カクテル

浮かない顔で
君は「美味しいやつ」と注文
飲めないくせに
いつもこのバーに来るのさ

励ませるなら どんなことでもしたいような
気転を利かせよう そうどうにか
笑えるといいな

きっと中身を捨てる ことのできないグラスがある
新しい空のを もう1つ持ってみたらどう

海にかざそうそのグラス
見えるかい 波立つ カクテル
世界にはさ こんなのが
見える人 たまに いるんだよ

すぐ酔っちゃうし
そんなに詳しくもないけど
綺麗だからさ 私ここの お酒好きなんだ

切り取り方はさぁ
何だっていいんだ
言葉や色
僕の場合はさ
シェーカーに粋なスパイスを

夕日にかざそう そのグラス
見えるかい 燃えるよう カクテル
すぐ側にさ そんなこと
考える 人が いるんだよ

バーテンダー 何だって
贅沢な一杯に作り変えるのさ
嗜好品なんだしさ
飲みたいものを飲んでね 全然 いいんじゃない

「雲がないね」 外に出て
君がかざす 夜空 カクテル
溢れるほど 降り注ぐ
満天の 輝き

乾杯しよう 新しい
ピカピカの洒落たグラスに
またのお越し待ってます
「美味しいの」君に作るよ

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