回る傘

一日が終わり 帰路の電車
予報で見た夕方の雨に備えた僕の傘が目立つ
どうしてみんな持っていないのかな
何となく鞄で隠した

最寄り駅に着くとやっぱり降っている
傘よ自信を持って
もうすぐ使ってあげる さあ行こう
改札出るといつも以上に多い車と
自力では帰れない人混みの東口

こんなにちょっとの雨なのに
帰れないとは何とも貧弱な
回れ回れよ僕の傘
光る雫であの空に虹を

下り坂はちょっと気を付けて行こう
小さなぬかるみなんかだってね
見落とさないように
公園を抜ける途中大きな避けられない水溜まりの先

誰も居ないと思ってたよ
ここを通って良かったな
二人きり暮れる前 僕と君
平凡なドラマチック
でも素直には喜べないな
とても悲しそうだったから

こんなところに佇んで
傘も持たずに一体どうしたの
君の痛みが流れてく
毎日いろんなことがあるよね

人の優しさがほしけりゃ
僕がいくらだってねくれてやる
出し惜しみなんてしないから
回れ回れよ君と僕の傘

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