老いた芸術家の肖像

僕の文章は一般受けしない
所謂世の中が求める、わかりやすい文章ではないからだ
商業主義
僕が忌み嫌う言葉の一つ
愛だの恋だの言ってればなんとかなる風潮
僕はそれを陳腐なものとして吐き捨てる
もっと大事な事が在る筈だ
もっと大切な伝えなければならない事は山程

人間の真理なんぞ欲望
でもそれは売れない
欲望は隠されるもので汚いから
みんな真理と思いたくないから
現実を見たら怖ろしくなるから
だから見ない、見ようとしない、現実逃避

人間は美談が好きだ
しかしながらその美談の裏で
数多の黒く渦巻くサガがあるのをひた隠す
大事なものは、美談に隠された人間のエゴ
暴きたい衝動に駆られるのは
きっと僕の闇が深い所為だろう

けどかの有名な芸術家達も
商業主義に翻弄されていた
例えばモーツァルト
彼も商業主義と自分の芸術との間で
酷い葛藤があった

売れる音楽を作るという堕落
そしてそれでも尚批判の渦に晒される矛盾
自分の芸術とは何か
きっとわからなくなったに違いない

僕は天才ではない
ましてや努力家でもない
暴きたい人間の真実と
売れない詩人と言うあまりにも残酷な現実
僕はもがき苦しむ

老いた私は何処に向かって歩むのか?
些か自分でも楽しみである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?