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マッチングアプリで会った人が顔以外微妙だった話


9月某日、私は緊張した面持ちで駅前に向かっていた。
持っている中でも一番気に入っているネックレスとイヤリングを身につけ、赤いスエードのヒールを履き、身なりは悪くない、はず。
これから、某マッチングアプリの人と会う。

暇な女子大生は、ti○derで初めて会った男性がスマートで素敵だったがために、膣ドカタ沼にはまってしまったらしいが、果たして私のマッチングアプリデビューはどうなるのだろうか。

そもそも私がマッチングアプリをすることにしたのは、失恋したからというまあまあ陳腐なものだ。大好きな彼氏と別れて、それはそれは病んだ。

病みすぎて体重は五キロ落ちたし、よく友達には顔に覇気がない、と言われた(辛辣)。

そんなある日、ある年上男性にこのやり場のない気持ちを相談した時に、「彼のどこが好きなの?」と訪ねられたが、答えられなかった。
彼のことは好きに間違いないが、具体的にどこが好きなのか答えられなかったのだ。

男性に「いろんな人と出会って、いろんな人を知るといいよ」と言われた。そうすれば、自分がどんな人が好きなのか、わかってくるよ、と。

男性は月火水木金土日、毎日違う女性とデートしたことがあるらしい。その話に私はとても感銘を受けた。

ちなみにその男性には、あなたは人の影響を受けやすいから気をつけなさいよ、と言われたのだが、さっそく影響をうけてしまっている。、

しばらくして私はスマートフォンにマッチングアプリを入れた。
プロフィールは適当すぎるものだったが、すぐに70人ほどとマッチし(女性だと全くマッチに困らない)、メッセージを送ってくれた男性ら何人かとやりとりをした。

ちなみに、私はアプリで出会う男性とセックスする気も、恋愛する気もない、ヤリモクや真剣に恋人を探している男性にすれば迷惑なやつだったので、比較的無害そうなガツガツしてない人を選び、会うことにしたという次第である。

なかにはいきなり「一人暮らし?」とか不躾な質問をしてくるやつもいる。いや、一人暮らしだけどお前を家に入れることは絶対にないから。

70人から選ばれしその人は、「一人暮らし?」とか聞いてこない人だった。そして関西弁で話しかけてきた(私は東日本に住んでいる)。
ツッコミをいれてきたり、他の男性に比べるとメッセージをやりとりするのが楽しみであった。

彼は7歳年上の自営業。マッチして3日ほどで会うことになった。写真はうつむきがちのもので、よくわからなかったが、とりあえず会ってみて不細工でも、Uターンダッシュはしないつもりであった。

ちなみに、あらかじめ彼にもマッチングアプリを始めた経緯は話していて、体の関係は絶対に無理と言って、彼に了承をもらっていた。

待ち合わせ場所に着くと、一人の男性が立っていて、すぐに彼だとわかった。
第一印象は「背小さくね…?」だったが(私がヒールを履いてほとんど同じくらい)、とりあえず先ほどの決意を揺らがせるものか、と声をかけた。

彼の顔は、くっきり二重で鼻が高くて、割と整っていた(ただしタイプではない)。

「じゃあ行きますか」「来てくれてありがとう」「ここまで何で来たの?」他愛のない話をしながら二人で駅ビルに入っていったが、ここで私は思った。

「あれ…、関西弁じゃなくね???????」

そう、彼の関西弁はトーク上だけのもので、エセ関西弁だったのだ!!!!!

いや、東日本に住んでいながら、関西弁であることを事前につっこんでおかなかった私も悪いのだ。馬鹿なのだ。せめて出身地を聞いておけばよかった…。
ついトーク上の会話から、「関西弁の面白いお兄さん」を想像してしまっていた。

しかし、実際に目の前にいるのは、標準語を話し、声にハリもない男…
これからマッチングアプリを始める男性にどうしようもないアドバイスだが、トーク上で、自分が使わない方言を話さない方が良い。
期待値が上がり、悪い意味でのギャップで、まず開始10秒でがっかりする。

自分を飾るのはやめよう…

さて、話を戻すことにする。ちなみに集合は午後五時半で私はガッツリ腹ぺこであり、「まあ、晩ご飯は無難にパスタとかかな~」とか思っていた。
彼は、集合した駅ビルにあまり詳しくないようだったが「一つだけオススメのお店がある!」と自信満々に私を連れて行ったのは…

某有名パンケーキ店

「来たことある?」
「いえ初めてですぅ~」
ほんとは思いっきり来たことがあったが、まずそこで面食らったからなのか私は謎の嘘をついてしまう。
いや…夜ご飯の時間やで…TPOを考えろや…

テーブル席に案内された。向かい合って座る。
メニューをもらって、彼が一言。

「メニュー反対で見られないから隣に来て一緒に見ていい?」
出会って、5分で、不自然に接近を試みる彼。隠さず怪訝な顔をする私。
「あ。ごめんやめる」と一瞬であきらめてくれたが、いやメニュー見られないからって隣に来ようとする人、生まれて初めてだよ。メニューの向き変えてあげるからちょっと待とうね???


メニューに並ぶのは数々の甘そうなパンケーキ。どれも生クリームマシマシである。3時のおやつに食べるなら、魅力的である。
勝手にパスタを食べる気満々だった私、死亡。
それでも、どうにか、数少ない甘くないメニューを探し出し、それにした。

ちなみに3択とかだった。パスタは無論なかった。グラタンを頼んだ気がする。
ちなみに彼はサンドイッチを頼んでいた。

いやパンケーキじゃないのかよ

食事を待っている間、まず「俺に会ってみてどう思う?」と聞かれた。
まあ素直に「顔が整ってると思いました〜」とか言っといた。

それから、出会いのきっかけとなったアプリの話となり、70人とマッチングしたけど会うのは貴方が初めてだと伝えたところ、「選ばれし俺…」と3分くらいニヤニヤしながら喜んでいた。

あとは、アプリのプロフィール用の写真をなんか撮らされた。
あ、人によれば失礼なことされたって思うかもだけど、そもそも私が「顔整ってるから正面からの他撮りの方がもっとマッチすると思う」とかの謎アドバイスをした流れです。

写真を撮らされるのはまだいいとして、光の関係で、私と彼の席をわざわざ一時的に交換されたのが無理だった。

個室の居酒屋ならまだしもオープンなパンケーキ屋である。

キャッキャ言いながら席を移動なんかして、バカップルのようで恥ずかしかった。この時点で出会って20分なのに。店員さんの視線がマジで痛かった。

ちなみに「次はハイジの写真を撮るよ♪」とか言われたけど、全力で拒否した。
よくツイッターで、ナンパ師が自慢げに、デートしたりセックスした女性の写真をあげているのを見ていたから、彼がスマートフォンを手にしているときは盗撮されないように、常に警戒し、スマホから目をそらさなかった。そう、全く信用していない。

その後、何話したのかはよく覚えてない。
彼の飼っているペットの写真やら動画やらを見せられて「かわいいですね~」とか適当に相づちうってた気がする。

彼の仕事の話は少し聞いたけど、彼は私自身のことに一切質問してこなかった。
私も個人情報を教えたくなかったから、まあ助かったけど、彼は私の大学しか知らない。私が今学んでいることも、趣味も、サークルも、私の名字も、何も知らない。

話し下手なのか、私に興味を抱かなかったのかはわからないが、つまらなくなり、そこから元彼のことをずっと考えていた(未練たらたらである)。

アルコールも飲まなかったので、40分ほどで、食事は終わって店をでた。ごちそうになりました。
そこから、目的もなく、ぶらぶら歩くことになった。

ちなみに私は歩くのがめっっちゃ遅い。

元彼にも「お前と歩くとなんか景色がゆっくり流れるわ」と言われたことがあるし、たまに歩いていると小学生や高齢者に追い越されることもある。

そんな私がヒールをはいているので、それはそれは歩くのがめちゃめちゃ遅かったと思うのだが、そんな私に、彼の衝撃の一言…

「ごめん、もうちょっと、遅く歩いてもらっていい?俺歩くの遅いんだよね」

よく、女性をおいてスタスタ歩いて行ってしまう男性の話は聞くが、逆はあまり聞かない。

ましてやスローライフを送ってきた私にはその言葉は縁がなさ過ぎた。

今になっても、彼の目的は不明だが、その謎発言に多少ひいてしまったのは確かである。

そんなこんなで二人でゆーーーっくり歩いた。もう疲れた。元彼もこんな気持ちだったんだね…と思った。
ここらへんで、私は本能的に何かを察知し、彼側の肩にショルダーバックをかけ、手にはコンビニの袋を持ち、完全ガード。

…が、「手、つながない?」の無慈悲な一言。
私、「いやです」と即答。
「なんで?人通りが多くて恥ずかしいから?アプリで会って信用できないから?」と言われた。
が、私は問いたい。


逆 に な ん で 手 を つ な が ね ば な ら ん の で す か ?

というか、そうはっきり聞いた。

なんか言ってた気がするけど謎理論すぎて意味不明だったから忘れた。
ここまで、特に話も盛り上がらず、名字も知らず、特に好意を抱いてない人となぜ触れなければならないの?ボランティア?罰ゲーム?

いや、手をつなぐことで、他のボディタッチのハードルを下げたいことくらい、恋愛経験が乏しい私でも知っているのだ。それでも、お前とは一切接触したくないのだ。

「彼氏とも手つながなかったの?男慣れしてないね」と私自身の問題にされたのも無理すぎた。いや、彼氏とは手繋いでたし、確かに私は男慣れしてないけど、お前自体が無理なんだってば。

別に手繋ぎたい、と言われる前は、つまらないとは思いつつも、嫌悪感はあんまり抱いていなかったのだが、やはり不自然な距離の詰め方に、一気に冷めてしまった。

なのに、「後ろから自転車きてるよ、危ない」と、私の腰を寄せてきた。意図的すぎるボディタッチに私、めちゃくちゃ拒絶。振り払う。
今でも思い出しただけでイライラする。お前に触れられるくらいなら、自転車にひかれて死んだ方がましである。

とまあ、あからさまに拒絶をしてしまったので、気まずい雰囲気のまま解散した。
別れ際にも「ハイジはもっと男に慣れた方がいいよ」とか言われて虫酸がはしった。
たとえ、ヤリモクの女であっても、お前は御免だよ、と思った。

自分がつまらなくて拒否されたのを女のせいにする男、なんなん?

帰ってから、「無理矢理さわってごめん」とラインが来た。
「大丈夫ですよ、気にしないでください、ご飯ご馳走様でした」と思っていないことを返信してしまった。

「大丈夫じゃなさそう(汗)。またご飯行こう」というのは既読無視した。
最近見たツイートに「ご飯代だけじゃ、お前と一緒にいる迷惑料足りねえよ」という旨の物があったが、めちゃめちゃ共感した。あれ、私もっと無垢な人間だった気がするのに、なんでこうなっちゃったんだろう。

しばらくして、マッチングアプリの彼のプロフィール見たら「彼女募集してません」「女の子を楽しませる修行中」とか、コロコロ変わってた。

既読無視したのがちょっと心に刺さったのかな、とも思ったが
知らんがな、と、マッチ解除して、ラインもブロックした。

女の子を楽しませたいと言いつつ、自分の話しかせず、結局それはマスターベーションではないのか?
人と円滑なコミュニケーションに必要なのは、「聞き上手」であることだと、彼を反面教師にして、痛感した。

後半からは怒りにまかせて書いてしまった。

暇な女子大生とは打って変わり、最悪のマッチングアプリデビューとなってしまったし、リスクに比べて得られる物が少ないのでは?と面倒になって、結局アプリはやめてしまった。(人に影響を受けやすく、飽き性である)
彼を最初で最後の出会いにするのは、嫌だけど。

私の感情にまかせたこのnoteをここまで読んでくださった男性には、以下のことは気をつけていただきたいというまとめをつくった。(基本中の基本である。プラスになるようなことは書いてない)

・トーク中で自分を必要以上に面白いように見せるなどの、背伸びをしない。
・夕飯にパンケーキ等の甘い店に連れて行かない。
・相手に関する質問をする。
・自分の話ばかりしない。
・不自然に接触しない。
・相手がいやがっているのに触らない。
・相手が年下であろうと、いきなり呼び捨てで呼ばない。

「言われなくてもわかってるわ」の声が聞こえてくる。(そもそも読む人がいるか知らんけど)

もちろん、私にも反省点はある。

まずは、「とりあえず誰かとデートして場数を踏もう!」と焦らず、じっくりやりとりをして、ある程度相手はどんな人かを見極めてから会うべきだった。(やりとりしすぎても相手への期待値がむやみに上がって良くない気はする)。

また、パンケーキを最初に提案されたときに、うまく近くにあったパスタ屋に誘導できれば良かった。
それか、最初から、「パスタが食べたい!」と言ってこちらから店を提案できれば良かった。

プロフィール写真のアドバイスは、「あなたにあまり興味がないですよ」ともとれるので、もっと相手に興味があるような振る舞いをすればよかった。一人の人間に執着するのが怖かったというのもあるんだけど。

一件目でつまらないと感じたら、無駄に一緒にいることなく、スマートに解散できればよかった。
手を繋ぐことの拒否も、もっと上手な断り方があったのではないかと思う。

私も、恋愛初心者であるので、改善点は見つけて、直していく必要がある。
触られたのは、不快だったが、普通の大人は、3回目のデートあたりで手を繋ぐこともおかしくないと、yahoo!知恵袋に書いてあったので、私自身が堅く考えすぎであるということも否めないようだ。まぁそれだとしても繋ぎたくはないけど。

いろいろあったが、私がマッチングアプリをはじめるきっかけとなった、男性が言う「いろんな人がいることを知る」ことがほんの少しはできただろうと思う。
私は、これまで、かなり仲良くなった人でないと、食事を共にしなかったので、そういう意味では、新しい経験だった。

また、私は元彼のことがまだとても好きであることを再確認できた。

そして、先日元彼とは復縁できました。(オチ)


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