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うちの旅館は9割が外国人だから大打撃中。それでもインバウンドを止めない理由。

コロナの影響で、外国人向けのツアーやイベント、情報サイトや旅館をやっている私たちは過去最大の大打撃。

旅館が4年連続で外国人口コミ評価で全国ベスト10入りしたことが数少ない嬉しいニュース。

こんな状況なので、インバウンド向けの事業を続けることに意味あるの?という人が増えてきました。

私も正直、この3か月間でそのような疑問を抱きながらもここまできたのですが、結局続けていくことに決めました。

そこで、なぜ続けていこうと決めたかを整理してみたので、シェアしていきたいと思います。

海外からわざわざ来るお客さんの顔が忘れられない

写真:京都堀川五条のうちの旅館「楽遊」

海外からのお客さんは、日本に来るまでに5万円~20万円くらいの航空券を買ってから日本に到着します。

そして、一生の買い物である海外旅行で失敗したくない!という不安と期待の中で、数あるサービスでうちのメディアの情報や旅館を選らんでくれて、その上で Thank you という言葉を頂けます。

日本人のお客様も大変有難いことに変わりはありません。しかし、海外からのお客様はまたこれでとても感慨深い経験と、味わったことがない喜びや刺激をサービス提供者に与えてくれるものです。

日本人以上に困ることやまだ見ぬ体験が多いから、Thank you の数が圧倒的に多い。それが全国の商売人魂に火を付けてくれいると思ってます。

そんな彼らがまた宿泊したいと思った時、あのサービスを買いたいと思った時、サービスがなくなってる、HPの英語版が消えている、泊まりに行ったらどこか以前のホスピタリティさが欠けている、今まで楽しみにしてたSNSの外国語発信が止まっている。。

逆の立場なら、言葉にしがたい切なさを感じてしまいます。それだけは避けたいんですよ。避けたいんです。

ブームにのっかっただけの競合が減る。本物が残る。

写真題名:どっちがマレーシア人で、どっちが私でしょう?

インバウンドブームにのっかてお金儲けだけに走ったところほど、こういう時にあっさりインバウンドをやめる気がしてます。

ちょっと言葉が強いので、誤解だけはしないでくださいね。

今は外国人が来てないし、何より資金繰りが大変でやむを得ずインバウンド事業をやめないといけなくなったところもあるので本当に心苦しいですし、涙がでます。

そういうサービスやお店がなくなることなど望むわけがありません。

私が言ってるのは、なんか儲かんねえからや~めた!と簡単にやめてしまう人たちのことを指してるので本当に誤解しないでください。

何が言いたいかというと、そういうところが減ると、競合が減り、本物だけが生き残っていくということです。

その本物になりたいと思うんです。その野望が、折れかけた心を支えてくれているということです。

こういう時期だからこそ、インバウンド客向けサービスで本物を目指せるチャンスな気がするんです。

日本人マーケットで本当に勝てるつもり?という疑問

国内の移動消費が先に戻るから、日本人マーケットの獲得を頑張ろう!リスク分散のために、インバウンドから大きく日本人にシフトしよう!という考え方がセオリーになってきてます。全く異論はありません。

ただ、インバウンド客を頼りにしていたサービスが、本当に日本人マーケットで勝てるつもりなの?とは思っています。

そもそも、国内マーケットは縮小していき、かつ、競合も多いという理由からインバウンドにシフトしたのでは?と。

しかも、コロナの影響でマジメな日本人は緩やかなペースで旅行を開始していくので、日本人マーケットもピーク期よりも小さい状態がしばらく続く。

今まで外国人のお客さんに喜ばれてた私たちのサービスが、そんな状況の中で、付け焼刃のプロモーションでどこまで日本人マーケットで勝てるか?と思ってます。

もちろん、日本人マーケットでの勝算も多少あるので、私たちの旅館もクラウドファンディングやオンライン体験などで日本人マーケットにも勝負をしかけていきます。

ただ、どこまで勝てるのか?という疑問は常にもつようにしてます。というか、もたないとダメです。

なので、新たな日本人客をとりにいく戦略は当然組み立てるのですが、将来性があり、現にサービスニーズがあり、思ったより早く戻ってくるインバウンド客へのサービスを自らやめちゃおうとは思ってないんです。

観光業最大の弱点を補う、貯金するのに最高の市場

今回、この状況の中でサービス業で生き残れるところと、大変残念ながら生き残れないところの大きな違いは、貯金があるか無いかの違いだと思っています。

人権費や家賃など、サービス業を営む企業やお店によってその額は当然違いますし、補助を国や自治体からどのタイミングで受けられたかにもよりますが、

生き残れるところはいずれにしもお金が何とかなっている、もしくは借金しても後で返せる見込みがあるところです。

そのためには、普段たくさん利益をあげて、貯金をつくっておくことが当然大事だと思いませんか?

これまで、多くのサービス業や観光サービス業はインバウンド客を獲得することで、日本人のお客さんにプラスαして利益をつくろう!とみんな今まで試行錯誤してきました。

私のまわりの小売店さんやレストランさんが、インバウンドへの取り組みをはじめた大きな理由でもありますが、それを思い出したんです。

普段から利益を生んで貯金しておく。これこそが、観光サービス業最大の弱点である天変地異を打開できると今回改めて思いました。

インバウンドや外国人市場は、日本国内のサービス業にとって、その貯金をつくるチャンスがある最高の市場だと思ってます。  

この市場よりもお客さんをサービス業が獲得し続けられて、貯金を生み出し続けられる市場があるなら逆に教えてくださいという感じです。

100年、200年続くサービスをつくりたい

あくまで私の場合ですが、死ぬときにどんな状態だったら心置きなく死ねるか?と最近家で考えてたんですが、世の中に自分が生きた証が残せたとその時思えることです。

自分のことを好きな仕事仲間の皆さんや、友人や後輩が80歳でもまだいて、その時そばにいてくれるとか。

その中で、自分が死んだ後も自分たちが手掛けたサービスやサービスを通じて知り合って私を覚えてる人たちが、私が死んだ後の世の中に少しでも残ってほしいと願っています。

でも、そうなったら素敵な気がしませんか?私だけかな。。

日本人市場が縮小していく中で、一時の浮き沈みはあっても必ず伸びていくインバウンド市場でファンを獲得し続けられれば、私たちの宿やメディアは100年、200年続くサービスになると信じています。

そうなれば、たぶん、私は悔いなく人生を終えることができる気がするんです。

インバウンドの仕事をしてると、色んな昔のお城や神社を見られる機会がありますが、ああいう風な感じに。さすがに無理かな?笑。

世界と日本の懸け橋になる意味が、きっとまだある

このコロナで、たくさんの新しいサービスのあり方が生まれましたよね。

こういうピンチのときって、新しいサービスが生まれるってうちの取締役が言ってました。リーマンショックの時にウーバーイーツが生まれたように。

ネット上で海外体験やツアーするのに誰がお金を払うんだよ?何がおもろんだ?と思ってたんですけどめっちゃヒットしてますよね。

すいませんでした。

ZOOM飲み会もそう思ってたら、やってみらた楽しかったです。本当にすいませんでした。

録画されたYoutube動画とは別で、プレミアム感があるリアルタイムなものならオンラインツアーでも今後収益をあげたり、やっぱりリアルで体験したい!

という感情を刺激して後々の集客に繋げられる可能性も世の中に溢れ出しています。

このコロナ期において、新たなサービスや未来の観光業のヒントが生まれたことが、この時期で唯一生まれた光でありワクワク感です。

非常に、本当に大変な時期ではありますが、未来を想像するとどこかワクワクします。

世界と日本の懸け橋が、今まで10本くらいだったものが20本、30本になっていくような気がする。

いったい、コロナの先にはどんなインバンド旅行になっているのでしょうか?専門家がいろいろ言ってますが、あんまり予測し過ぎても、未来はそれ通りにならないことが多いです。

ちょっとだけ未来を想像して、ひとつひとつ、やれることから少しずつでもインバウンドのお客さんたちのためにやっていけば、明るい未来に必ず繋がるということくらいは、信じています。

Good Luck 💛

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