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2022の元日から予測するこれからの社会

世の中は、20世紀の終盤からすでに「資本主義経済システム」を卒業し、「能力主義経済システム」ともいうべき時代に移行している。つまり、資本が何よりの力を持つ時代はすでに終わり、能力のあるなしによってその人の生存確率が決まる。

その何よりの証拠として、今世界を支配するGAFAの創始者は、全てお金ではなくその能力によって頂点に達した。お金そのものも、その能力において際限のない取得が可能だ。

では、その能力とは何か? それは、科学技術を基盤とし、人々の生活を変革させるアイデアを創出する力——のことであって、つまりは頭脳力だ。そのため、頭脳力を発揮できない労働に従事する者ほど今、苦しい生活を余儀なくされている。

実際、すでに多くの「非頭脳労働」は、駅の改札員をはじめ、コンピューターとセンサー付きロボットにとって代わられている。結果として、多くの人が仕事そのものを失うか、収入を減らしている。これはすでに大きな社会問題となっているため、やがては「働かなくても生活が保障されるベイシック・インカムの導入」が不可避となるだろう。

ただし、そこでは新たに「働く喜びを得られない人が増大する」という問題が発生する。人や社会は、これまで長い間「働く喜び」を生きる上での、あるいは社会を構築する上での一つの基盤としていたため、働けなくなったらそれに代わる新たな喜びを得られるか、あるいは社会システムを構築できるか、定かではない。

人間にとって「モノを得ることの喜び」は本質的ではない。また、人と交わったり、自分の考えを世に表現することの喜びにも限界がある。それよりも重要で本質的なのは、生存本能に基ずく競争と、そこでの勝利にある。何人たりとも、そこからは逃れられない。

「他人に先んじた」という勝利の優越感は、人間にとって代えがたい快感をもたらす。だからこそ、人類はたとえ格差が拡大しようとも、いまだに自由競争社会と、その結果として発生した能力主義経済システムを容認しいてるのだ。

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