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明治安田生命の「たったひとつのたからもの」のCMについて

先日、なにげなくYouTubeを徘徊していたら、おすすめにたまたまオフコースの動画が出ていた。オフコースは、ぼくが茗渓学園中学に編入した1981年頃に流行っていたミュージシャンで、寮(茗渓学園では寮に入っていた)の誰かのラジカセからよくかかっていた。それで、特別ファンというわけではなかったが、いくつかの曲は耳に馴染んでいた。

それで、その動画を思わず見始めたのだが、今オフコースの曲を聞くと、そこには強烈な時代性(80年代らしさ)があるということが分かった。それを聞きながら、中学生の頃の感覚がほのかに蘇ってきたのだ。一気にタイムスリップさせられた。そして、そういう「時代性を持った音楽」というのは本当に素晴らしいと思った。まさに歌は世に連れ世は歌に連れだ。

ところで、そんなふうにオフコースの歌を聞いたら1980年代の思い出が蘇ってきたのだけれど、同時にもう一つの時代が思い出された。それは20年ほど前の90年代の後半だ。その時代に、オフコースのある曲がCMに使われて、そのCMが大ヒットしたのと同時に、オフコースのその曲もリバイバルヒットしたのだ。

そのCMとは、明治安田生命のCMである。ネットで検索したら紹介ページがあったので、ここにリンクを張りたい。

このCMは、当時とても話題になった。単にCMのヒットにとどまらず、曲もリバイバルヒットし、また書籍も出されてヒットした。その勢いでドラマ化もされ、30%の視聴率を超えるなど、多くの人の胸を打った。ぼくも、当時このCMに凄く惹かれ、流れるたびに夢中になって見た。そしてそのたびに、涙が溢れて止まらなかった。

なぜかといえば、その頃に子供と引き剥がされたということもあるが、そのCMに登場する写真に胸を打つものがあるのだ。実際、今回再びそのCMを見てみたら、やっぱり涙が溢れてきた。感動が胸を打つのである。

そこで、一つの疑問が浮かび上がってきた。それは、このCMが流行った当時は思い浮かばなかった疑問だ。何かというと、「なぜこの写真は、これほど胸を打つのか?」ということだ。

世の中に、可哀想な子供というのはたくさんいる。難病の子供、早く亡くなってしまう子供。障害を抱えて大変な思いをしている子供もたくさんいる。そして、それを紹介するコンテンツもたくさんある。

しかしながら、そのどれもが胸を打つわけではない。もちろん、同情はするが、感動は必ずしもしない。しかしこの写真は、感動させられる。胸がいっぱいになるのである。なぜか?

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