宇佐神宮~封印された神様~②
宇佐の謎
前回に続き宇佐神宮を深堀りしていきます!
比売大神の正体に触れる前に語らねばならないことを思い出しました。宇佐という土地についてです。そもそもなぜこんな片田舎の宇佐の地に八幡信仰の総本山かつ二所宗廟とも評された重要な神社があるのでしょう。
オチが思いつかず無駄に引き延ばす漫画みたいな展開ですみません。笑
伊勢神宮のように古都のお膝元でもなく高千穂や出雲のように神話の里でもないですが、なぜか国家的にも重要な神社のある宇佐という土地。
上記以外で日本創世に関わる重要な歴史のある土地なのでしょうか。
宇佐(宇沙)という地名は古くは古事記や日本書紀などの記紀神話にも登場し、神武天皇が東征の折に立ち寄ったと言われています。
それ以降は特に目立った話もなく唐突に571年、日本でいうところの飛鳥時代に急に八幡大神が降臨して徐々に八幡信仰が全国に広がって行きます。その後、奈良時代の大仏建立や宇佐神宮信託事件で一時脚光を浴びますがそれ以降は日本の歴史に大きく関わってくることはありません。
...(´・ω・`)
...えっ
終わり?
情報量少なくない?
天皇関係なくね?
そうなんです。
一般的な歴史には宇佐という地名はほとんど登場しないんです。
そして、主人公との因縁を語られぬまま謎の強キャラとしてたまに歴史の表舞台に出てくる宇佐神宮。
そりゃなかなか人気でないですよね(^^;
神代の昔、宇佐の地は、菟狭(うさ)族という古代民族が治めていました。神武天皇が東征の折、宇佐に立ち寄った際は、宇佐国造である菟狭津彦・菟狭津媛(うさつひこ・うさつひめ)という二柱の兄妹神が出迎え歓待したと云われています。この時に神武天皇を迎えるために建設された一柱騰宮(あしひとつあがりのみや)は、現在伝承地として宇佐に3ヶ所伝えられています。
宇佐神宮にお越しの際は遠くないので是非足を運んでみてください^_^
磐座足一騰宮
一柱騰宮
宇佐神宮
菟狭族について
本題に戻ります。
出迎えたこの菟狭津彦と菟狭津媛は、菟狭族の中でも祭祀全般を司る(いわゆるシャーマン)宇佐家の出身で族長であったといわれています。
また、菟狭族は、天津暦(あまつこよみ)と呼ばれる、月の動きを見て月日を数える月読(つきよみ)や、日知・聖(ひじり)などの天文学を天職としていました。月面に見える模様をウサギに見立て、月を「ウサギ神」として崇拝していたそうです。ウサギ神は月神の使者として信じられていたので月=月読(ツクヨミ)を信仰していた民族でした。
今もなお、月見バーガーのCMやセーラームーンなど多くのメディアで取り上げられる月=うさぎという構図はここが起源だったりするんです。
これ結構すごくないですか!?笑
ウサギを崇拝することから菟狭(うさ)族を称したとも言われています。
菟狭族は、元々9000年前の早期縄文時代から丹波国や山城国の周辺に生息しており、稲荷山を根拠地とした原始菟狭王国を築き大いに栄えていたといいます。現代の自然科学・社会科学、とくに天文、気象、地理、農業、医学などを、シャーマニズムによって執り行う呪術国家日本の先駆けとも言える民族でした。
8500年前頃、渡来した猿田族との争いに敗れ、分裂して集団で各地に移ったと言われています。
記紀にみえる菟狭族の神話
分裂した菟狭族の一部は、島根の隠岐島に定住し漁業を生業とするようになりました。隠岐島を含む因幡国や隣国の伯耆国は古くから出雲族の統治下であり、海側は菟狭族で陸側には和爾(ワニ)族という民族が生活していました。
ここである事件が起きます。
菟狭族は和邇族との間で行われた取引で不正をしようとして失敗し、資産を没収され赤裸になってしまいました。
不憫に思った出雲族の族長である大国主(オオクニヌシ)は、菟狭族に八上の地を与え再起を図るよう促します。
その後、菟狭族は八上の地を発展させ山陽から四国、九州では北部九州から果ては宮崎の日南まで広大な範囲を支配する勢力へと成長していきます。八上の地で生まれた菟狭族の姫である八上姫は大国主に嫁ぎ妃となります。
この逸話ですがどこかで聞いたことがありませんか?
出雲神話で語られる因幡の白兎伝説に酷似していますよね!
参考までに↓
日本神話では、社会情勢や災害を人物間のやり取りや怪物として形容することが多いですが、因幡の白兎伝説は、民族間の争いを表していたんですね。
あとがき
今回の内容は、「宇佐家伝承 古伝が語る日本史」を元にしたものですが、正史である古事記や日本書紀にもよく読むと菟狭族の歴史が散見されます。また一説には、菟狭族は、日本列島に最も早期に渡来し定住した日本最古の原住民族とも言われています。そんな原初の日本人である菟狭族を歴史書を作る過程で無視できるはずもなく、このように天皇家や神話と混ぜるような形で散りばめていったんでしょうね。
どうでしょう。宇佐もとい菟狭族に興味を持って頂けたでしょうか。
地方の一部族ではなく、日本創生に関わるかもしれない謎の民族。
ワクワクしますよねーーー( ´ ཫ ` )
宇佐という土地について語ると言いながら、土地についての情報は一切出てこない詐欺のような内容になってしまいましたが、次こそは宇佐に触れようと思います笑
そんなわけで宇佐神宮〜封印された神様〜③は
「そして建国へ〜菟狭族隆盛編〜」
です!!
お楽しみに!!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?