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週刊誌は2か月連続で前年超えるも、全体の前年比は82.4%:店頭売上前年比調査 2022年2月【日販調べ】

日販の「店頭売上前年比調査(2月期)」が発表されました。

これは当年・前年ともに売上データが取得できている店舗を集計対象としたもの。2月は1,596店のデータをもとに作成されています(1月は1,609店)。

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2月期の店頭POS売上前年比は82.4%(昨年104.4%)。コミックが65.6%と大きなマイナスとなっています。昨年は「呪術廻戦」「鬼滅の刃」両方のシリーズが売れていた時期ということもあり、両シリーズの関連作品のマイナス影響は6.1ポイントになっています。

5か月連続での前年比80%台は集計開始以来、初となります。

ジャンル別 前年比・構成比

続いて、ジャンル別の調査結果を細かく見ていきます。

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雑誌

雑誌は前年比92.1%(昨年92.6%)。

前月に続き、週刊誌が前年を超える好実績を記録しています。「ビッグスケール F1コレクション」が、高単価にもかかわらず売上を伸ばしたことが大きな要因です。

月刊誌では、2か月連続でポケモンの豪華付録が付いた「コロコロコミック」(3月号)が、前年同月比で130%という大きな伸びを記録しています。

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書籍

書籍は前年比89.5%(昨年99.6%)。

大きな落ち込みです。特に新書ジャンルが76.7%と大きな落ち込みとなりました。また文芸書も、昨年は2020年度下半期の芥川賞受賞作『推し、燃ゆ』が非常に好調だったこともあり、その反動で厳しい数字となっています。

全体的に厳しい中、児童書が健闘しています。『898ぴきせいぞろい! ポケモン大図鑑(上・下)』「パンどろぼう」シリーズなどが引き続きジャンルを牽引しました。

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コミック

コミックは前年比65.6%(昨年124.7%)。

昨年は「鬼滅の刃」が、既刊の好調に加えファンブックや画集などを発売した月でした。今年は「東京卍リベンジャーズ」や「僕のヒーローアカデミア」などの最新巻発売で売場が賑わいましたが、昨年の勢いには届きませんでした。

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コミックジャンルの傾向を見ていくと、「鬼滅」「呪術」の影響が大きいことに加え、売行き上位商品の不調も見られます。売上の大きなタイトルが、昨年いくつも完結していることも要因の一つのようです。一方で、ランキング下位のタイトル群は、これまでより回転率が良くなっている様子も見られます。

* * *

4月からは「呪術廻戦」「鬼滅の刃」の影響値が小さくなります。そこに向けて、次のヒットタイトルを育てていけるかどうかが店頭売上の成否をわけることになりそうです。

(日販 流通改革推進部 パートナーズ推進課 古幡瑞穂)

コロナ影響により客数が減退。コミックの前年影響もあり前年比は86.4%:店頭売上前年比調査 2022年1月【日販調べ】



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