5か月連続の100%超えを達成:店頭売上前年比調査 2020年9月【日販調べ】
日販の「店頭売上前年比調査(9月期)」が発表されました。
これは当年・前年ともに売上データが取得できている店舗を集計対象としたもの。9月は1,693店のデータをもとに作成されています(8月は1,709店)。
9月期の店頭POS売上前年比は102.1%と、2008年の集計開始以来初となる5か月連続の100%超えとなりました。コミックの好調が続き、大きく数字を牽引しています。書籍も2か月連続での前年超えとなりました。
雑誌は対前年マイナスが続きますが、90%台まで回復してきています。
ジャンル別 前年比・構成比
続いて、ジャンル別の調査結果を細かく見ていきます。
雑誌
雑誌は前年比92.7%。
発売点数減少の影響を受けて、対前年マイナスが続いています。その中で「会社四季報」が大きく部数を伸ばしました。株価好調が大きな理由ですが、前年同月比で117.8%という高い伸び率を示しています。
アイドル誌も人気が続いています。嵐が表紙に起用された「Myojo」や「ポポロ」、「POTATO」などが売上を牽引し、アイドル誌は全点売上を伸ばしています。
週刊誌は、特集「藤井聡太と将棋の天才」を掲載した「Number」が2度の増刷を経て20万部に到達し、大きな話題となりました。
書籍
書籍は前年比101.1%。文芸書、ビジネス書、専門書、児童書、文庫が前年超えとなりました。
文芸書は4か月連続、ビジネス書、専門書が5か月連続での前年越えと、コロナ禍以降の好調ジャンルがペースを落としていません。
文芸書を牽引したのは『半沢直樹 アルルカンと道化師』でした。9月中旬の発売にもかかわらず、発売時点から高い売上ペースを見せています。直木賞受賞作『少年と犬』も好調に動いており、近年の直木賞受賞作の中でも突出した売上となっています。
文庫は東野圭吾の『マスカレード・ナイト』、瀬尾まいこの2019年本屋大賞受賞作『そして、バトンは渡された』が大きく売上を伸ばしました。文庫の前年超えは2018年12月以来のこととなります。
コミック
コミックは前年比115.7%。
「ONE PIECE」「SPY✕FAMILY」「キングダム」「進撃の巨人」とビッグタイトルが並びました。「進撃の巨人」は特装版も発売されており、そちらは開発品の売上を押し上げています。
コミックは12か月連続の前年超えとなりました。
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10月は「鬼滅の刃」の最新刊発売で幕を開けました。GoToトラベルは東京発着の旅行商品も対象になり、ターミナル駅などでも賑わいが戻ってきています。
年末の準備が始まる月、どんな店頭になっていくのでしょう。
(日販 マーケティング部MD課 古幡瑞穂)
・学参・ビジネス書の動き上向く、雑誌は苦戦:店頭売上前年比調査 2020年8月【日販調べ】
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