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ほんらぶアプリ、HonyaClub.com オンラインツールのフル活用でコロナ禍に対応した顧客サービスを提供

消費者の購買行動の変化

コロナ禍の影響もあり、お客様の買い方に変化が生じています。インターネット通販はもとより、スマートフォンなどオンラインで注文し、お客様の都合の良いタイミングで来店して受け取る買い方が、大手スーパーやファストフード店を中心に拡がり始めました。
 
オンラインで注文し、リアル店舗で受け取るサービスをBOPIS(Buy Online Pickup In Storeの略称)と呼びます。株式会社バルクが2020年6月に実施した調査によれば、BOPISの認知度は調査対象者の25.1%、調査時点で既に利用したことがある人は僅か5.7%でした。

しかし、サービス内容を理解した後での利用意向は全体で30.0%、「配送料がかからないから」などの自身のメリットのほか、新型コロナウイルスの影響で「人とあまり接触しないで良いから」「買い物時間を短縮できるから」「配送業者の負担を軽減できるから」といった感染予防や社会貢献の意識からの理由がみられました(図1)。コロナ禍による社会貢献意識の高まりを背景に、今後BOPISは、新しい購買行動として定着すると考えられます。

4Cパルク図

このOMO(Online Merges with Offline オンラインとオフラインの融合)対応は、すでに顧客がどこで買うかを選ぶ重要な判断材料の一つになってきており、書店業界でも例外ではありません。実際に、欲しい本をインターネットで注文し、お客様の都合に合わせて店頭で受け取れる、Honya Club.comとほんらぶアプリのお客様の利用は増加傾向です(図2)。

4C取り寄せ金額

【Honya Club.comとは】
日販が直営で展開するインターネット書店。
全国の書店で店頭受取できるのが最大の特徴。店頭受け取りはもちろん、宅配受取は2,000円以上の注文で送料無料。
書店は安価な利用料のみで受取店に登録ができて自前のインターネット書店を持つのと同等の効果を見込め、インターネットを通じた客注獲得ができる。
店頭在庫の表示も可能なため、来店前の店頭在庫確認にも活用できる。

これら買い方の変化に対応するサービス導入には、莫大な投資が必要です。書店様独自で対応するには難易度が高く、やりたくても断念せざるを得ないケースも多々あるかと思います。

日販では「お客様の買い方の変化に対応したい」という書店様の声にお応えするため、10年の歴史を持つHonya Club.comを始めとした各種オンラインツールの提供で支援を行ってまいりました。日販がツールの開発・運営を行うことにより、書店様には安価な利用料のみでお客様サービスの向上を実現いただけます。

お客様の新しい購買行動に対しては、さまざまな切り口からアプローチが可能です。日販のご用意するツールも、その活用方法は書店様次第で一種類ではありません。その中でも今回は、「実店舗を持つ書店様がオンラインツールを通じて利益を得る」という切り口で実施いただける取り組みについて、ご紹介します。

オンラインを起点としたお客様の買い方には、3つの種類があります。
①オンラインで在庫検索をしたお客様が、来店して購入
②オンラインで店頭取り寄せをしたお客様が、来店して購入
③書店様ECサイトを訪れたお客様が、宅配受取で購入

まず、①②の在庫検索、店頭取り寄せができる「ほんらぶアプリ」についてご説明します。

ほんらぶアプリとは

Googleで書店様名を検索した時、検索候補に「在庫」が上位に出ることが多くあります。このことからも、検索したお客様の欲しい情報が、「欲しい商品がその書店にあるか?」であることが見て取れます。

ほんらぶアプリは、在庫管理システムであるサポートCとHonya Club.comの導入書店様であれば、簡単に自店の在庫をお客様にご案内し、仮に在庫がなくてもお客様がその場ですぐに店頭取り寄せの注文ができるツールです。

店頭取り寄せが行われた際の店舗オペレーションも簡単です。お客様のご注文品はHonya Club.comと同じ流れで店着、商品を確認したら店舗様よりHonya Club.comの管理画面からメールでお客様にご連絡し、お客様に来店してもらいます。つまり、Honya Club.comと同じオペレーションでスムーズに運用できます。

お客様目線では、商品の検索をすれば登録してある店舗様の在庫状況と、在庫がない場合は取り寄せできるかが一目でわかり、在庫がなくても画面から簡単に店舗様へ取り寄せ注文することができます(図3)。スマートフォン、オンラインでの店頭在庫検索、店頭取り寄せが、高い利便性でお客様へ提供できます。

4C取り寄せ確定までの手順

導入いただいた書店様で実施していただきたいことは、ほんらぶアプリのお客様への認知拡大とご利用の促進です。

まずは認知拡大、つまりお客様に「この店舗はスマホで在庫検索、取り寄せができますよ」ということを知ってもらわなくてはなりません。導入店様には、「レジでの声かけ」「チラシ等拡材の配布」「ポスターの掲出」の確実な実施をお願いいたします。

ほんらぶアプリを2020年8月に導入したオリオン書房様では、アプリのダウンロードと書店様オリジナルエコバッグのプレゼントを組み合わせたキャンペーンを実施し、認知拡大に大きな効果がありました(詳細は後述)。

ほんらぶアプリはリアルとデジタルの融合により、「お店での滞在時間を減らしたい」というニーズに応えつつ、店頭にお客様を呼び込むことを目的としたサービスです。Honya Club.comとサポートCをご利用の書店様はすぐに稼働できます。ぜひ導入、活用のご検討をよろしくお願いいたします。

Honya Club.com連動機能とは

書店様がオンラインを起点に利益を得る場合も、中心となるのは店頭です。前項で紹介した「①オンラインで在庫検索をしたお客様が、来店して購入」「②オンラインで店頭取り寄せをしたお客様が、来店して購入」という方法が、まさにオンラインを起点にしながら書店店頭で利益を獲得する手段にあたります。

しかし、オンライン上で完結する「③書店様ECサイトを訪れたお客様が、宅配受取で購入」についても、書店様が利益を獲得できるツールを日販ではご用意しています。それが、サイトの開発・運用を行わずに書店様専用のECサイトを持つことが可能な「Honya Club.com連動機能(以下、連動機能)」です。

連動機能は、Honya Club.com受取店にご加盟の書店様が、追加のお申し込みで利用可能なオプションサービスです。ご利用の書店様には、Honya Club.comのロゴを書店様独自のロゴに変えたサイトをご用意いたします。

リブロ+連動サイト

▲連動サイトのトップページ例

連動機能をご利用の場合、受取可能な店舗の表示を自チェーン店に限定できますので、お客様に自書店のECサイトとしてご案内いただくことが可能です。

自チェーン連動表示

▲自チェーン店限定表示の例

最大のメリットは、連動機能サイトでお客様がご注文の場合、宅配受取でも書店様に利益が入ることです。お客様が宅配受取を選択された場合は、送客フィー5%を日販から書店様へお支払いしています(お客様が店頭受取を選択された場合は、当然ながら書店様の売上となります)。

通常、独自のECサイトを持とうとした場合、サイト自体の構築・維持費用のみならず、運営費用、宅配送料など多額の費用がかかります。連動機能は、サイトでの注文受付から商品の出荷、お客様対応などすべてを委託した上で送客フィーを得られる、書店様にも大変メリットのある機能となっています。

コロナ禍の影響もあり、来店前に在庫検索をしたり、オンラインで事前注文のうえ来店したりと、お客様は今まで以上に多様な購買方法を利用されるようになりました。当然その中にはECでの宅配受取も含まれています。

昨年は緊急事態宣言下において書店店頭の売上が落ち込む中でも、連動機能を導入されている書店様は宅配受取を通じて利益を獲得されました。ある首都圏の法人チェーン様の宅配受取実績は、緊急事態宣言下では対前年同月比で10倍という記録的な伸びをみせ、その後も対前年同月比3倍以上の実績となっています。

実際に連動機能を導入いただいた場合、その効果を最大限発揮していただくためには、書店様自身のECにお客様が訪問されるよう工夫していただく必要があります。書店様の公式HPから誘導する、SNSを使って商品を紹介しながら自店ECへのリンクを張る、店頭で自店がECを持っていることをアピールするなど、多様なアプローチを実施していただくことが効果を上げる秘訣です。

書店様自身のECを利用するのは、普段から書店様をご利用になるお客様が中心となります。まずは「普段は書店店頭で本を買うけど、オンライン書店も併用したい」というお客様にECを利用いただけるような促進をしていきましょう。日販も拡材のご提供や専用案内ページのご用意などで協力してまいります。

オンラインの世界は、大手ECがひしめく競争の激しい世界かもしれません。ですが一方で、「本は信頼のおける、いつもの地元書店で買いたい」というお客様も多数いらっしゃいます。そんなお客様の多様なニーズに合わせた購買方法をご用意いただくことで、その時その時に応じたお客様の需要を逃さず、自店に取り込むことができます。そうした多様な本の購入環境を整えることが、新しい時代の書店として求められる姿になるのではないでしょうか。

「ほんらぶアプリ」導入書店様の声

リブロプラス エリアマネージャー 山下 繁 氏

ほんらぶアプリは近隣競合店がすでに導入していましたが、オリオン書房としては未導入であったため、お客様の流出を防ぐことを目的に導入しました。

当社の立川周辺店舗では、お客様から商品のお問い合わせがあった場合、近隣店舗の在庫を確認してご案内をしていましたが、ほんらぶアプリ導入後は、アプリで検索されて来店されるお客様が増えました。

実際に、Honya Club.comに新規加盟したPAPER WALL系の店舗では、店舗受取による来店客が新たに発生しています。

2020年8月には、アプリのダウンロードを促進するキャンペーンを実施し、4か月間で1,200人の顧客を獲得しました。アプリ画面の提示で 「オリジナルエコバッグ」をプレゼントするキャンペーンが会員数増加の一番の要因です。
 
コロナ禍のもと、対面でのお問い合わせや注文をせずに在庫確認・注文ができることはメリットになると思いますので、今後もよりお客様のご活用は増えていくのではないでしょうか。

* * *

オリオン書房様では、2020年11月にもほんらぶアプリユーザー獲得のためのキャンペーンを実施。レジでアプリ画面を提示の方にオリジナルエコバッグをプレゼント。その場でダウンロードされなかった方にはA6チラシをお渡しし、アプリのダウンロードを呼びかけた。

オリオン様告知

写真はキャンペーン告知のようす(左:アレア店、右:ノルテ店)

画像3

■期間:2020年11月17~30日
■実施店舗 :オリオン書房 ノルテ店、アレア店、サザン店、
 PAPER WALL立川店、PAPER WALL国立店
■結果:よく行く店舗登録者数 累計2,652名(キャンペーンでの獲得
 数:1,456名)、 PUSH通知可能人数 累計717名(同 獲得数:446名)

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