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書店員であるあなたを支えているものとは? ―書店で働く方々へのマインドアンケート調査結果について―

出版流通学院では、書店で働く皆様の仕事や働き方、出版業界に対する考え方や意識を明らかにし、各種セミナーや発行物の企画・運営等に活用することを目的として、書店員マインドアンケートを実施しています。

今回は「書店員であるあなたを支えているものとは?」をテーマとし、書店員の皆様のお客様や本、自身のスキルアップ等との向き合い方にフォーカスした調査を行いました。

【第2回書店員マインドアンケート】
■募集期間 2020年7月1日~26日
■対象   2020年7月現在、書店もしくは書店本部で勤務している方
■応募総数 276名
■回答方法 出版流通学院 HP特設ページ

Q.「書店員」であるあなたを支えているものは何ですか?

マインド1

今回のアンケートテーマである書店員としての支えは何かという設問に、「本への愛情」「お客様」「売場作り」「個人のスキルアップ」「チームワーク」「数値目標」の6つの中から当てはまるものを2つ選択していただきました。結果は、「本への愛情」が62.6%と最多、次いで「お客様」に多くの回答が寄せられました。

ほかの設問でも、「プライベートでも必ず本を読む時間を取っている」「休みの日にも書店に通っている」という内容の回答をいただき、仕事としてのみならず、本への大きな愛情を持って日々書店員としての業務にあたられていることがわかる結果となりました。また、次点の「お客様」は、その後の自由記述の設問にもっとも多く熱のこもった回答をいただいた項目でした。

そこで、書店員の皆様は、お客様とのやりとりでどのような時にモチベーションが上がるかに注目して、アンケート結果を見てみましょう。

Q.お客様とのどのような場面が支えになっていますか?

マインド2

この設問に対しては、82.6%の方が「お探しの本を見つけた時」という回答でした。自由記述の回答では、「ただ商品を検索してお渡しするだけではなく、おすすめした商品をご購入いただいた時」や、「ありがとうと言われた時」、「販売した本について感想を聞かせてもらった時」など、お客様との直接的なコミュニケーションを自身のモチベーションに繋がる場面として挙げられる方がいらっしゃいました。

では、書店員の皆様はお客様とのコミュニケーションにおいて、具体的にどんな工夫をされているのでしょうか。

Q.お客様とコミュニケーションをとる時の工夫や、意識していることは?

この設問では、お客様とのコミュニケーションについて自由記述でご記入いただきました。さまざまな回答がありましたが、中でも「アドバイスを求めていらっしゃる方にはできる限りのご提案をします。急いでいる方には簡潔に、ゆっくりお話しされたいのかなと感じる方にはちょっとした一言を添える(本に関係ない事でも)など、気持ちのよい印象を持ってお帰りいただき、また来店いただけるように心がけています」というような、お客様のお話に真摯に耳を傾け、相手の立場に立つことを大切にされている方が多くいらっしゃいました。

本のプロだからこそ、出版業界の知識、商品情報などをお客様に押しつけないよう、注意深くお客様からのお話を聞いているという方や、お客様の様子をよく観察して、接客の際のスピードや言葉遣い、おすすめする商品などお客様の状況を考え常に適切な対応ができるようにしているという回答も複数ありました。

ここではご紹介できなかったそのほかの設問でも、書店員として常に情報感度を高めていることや、より良い売場作りへのこだわり、また店舗の売上や自身の給与、業界への不安など、現状の厳しさも垣間見える回答を多数お寄せいただきました。

出版流通学院ホームページにて公開中の特設ページからも、書店員の皆様の生のお声をご一読いただければ幸いです。

(日販 営業推進室 出版流通学院 角谷 憩)

日販 出版流通学院ホームページ

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