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114.3%と集計開始以来の最高値を記録:店頭売上前年比調査 2020年10月【日販調べ】

日販の「店頭売上前年比調査(10月期)」が発表されました。

これは当年・前年ともに売上データが取得できている店舗を集計対象としたもの。10月は1,693店のデータをもとに作成されています(9月は1,693店)。

10月1

10月期の店頭POS売上前年比は114.3%と、2008年の集計開始以来の最高値を記録しました。100%を超えるのは6か月連続となります。コミックの影響が大きいものの、書籍も3か月連続での前年超えとなったほか、雑誌も99.5%まで回復し健闘しています。

コミックは「鬼滅の刃」と「呪術廻戦」が大きく売上を伸ばしています。「鬼滅の刃」の関連作品37点のPOS実績への押上げ効果は7.7%、「呪術廻戦」関連作品17点の押上げ効果は1.1%と、いずれも大きな売上貢献を見せています。

ジャンル別 前年比・構成比

続いて、ジャンル別の調査結果を細かく見ていきます。

10月2

雑誌

雑誌は前年比99.5%。

ムックの「ディズニー ツイステッドワンダーランド 公式ガイド+設定資料集 Magical Archives」が大きく牽引しました。また、嵐が表紙となった雑誌が続々発売されて話題を呼んでいること、「鬼滅の刃」とのコラボ企画など、雑誌の話題が盛り上がりを見せています。

ディズニー ツイステッドワンダーランド 公式ガイド+設定資料集 Magical Archives

書籍

書籍は前年比107.1%。調査開始以来、最高値となります。

総記、文芸書、実用書、ビジネス書、専門書、学参、児童書が前年超えとなりました。ビジネス書・専門書が6か月連続前年超え、文芸書が5か月、児童書が3か月とコロナ禍以降の好調傾向が維持されています。

実用書は白石麻衣の最新写真集『MAI SHIRAISHI MEMORIAL MAGAZINE』が大きく貢献しています。総記では『神宮館高島暦』や日記、手帳といったジャンルのタイトルが昨年と比べて良く動いています。暦や占いの好調は、不安が多い時代を受けた傾向とも考えられ、今後も注視が必要です。

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文庫は、東野圭吾の『マスカレード・ナイト』が大きな売上となりましたが、昨年同時期に「十二国記」の新刊の発売があったため、前年超えとはなりませんでした。

コミック

コミックは前年比146.8%。

「鬼滅の刃」が新刊の発売、映画公開の影響を受け、全巻とも売行きを伸ばし、大きな売上を作っています。また、テレビアニメが始まった「呪術廻戦」も人気が高まっています。すでに「鬼滅の刃」アニメスタート時の売上を超えてきており、今後も期待が高まります。

呪術廻戦

コミックは13か月連続の前年超えとなりました。

* * *

11月も、コミックでは「ハイキュー!!」の完結巻や『おしりたんてい』最新刊など大物新刊の発売が控えています。

年末年始商品の販売も本格化する時期、コロナ禍の今年はどういった傾向が見られるのでしょうか。

(日販 マーケティング部MD課 古幡瑞穂)

5か月連続の100%超えを達成:店頭売上前年比調査 2020年9月【日販調べ】


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