傷を生きる_

解決してなくていいんだ。

ローラ 君は何故に
ローラ 心を閉じて
ローラ 僕の前で
そんなに ふるえる
(西城秀樹『傷だらけのローラ』より)

はたらきたくない病、りかん中である。
今日が仕事はじめだったけれど、昨晩は「行きたくないよう」と泣きそうになって、頭がギンギンになって眠れなかった。

出勤してやっぱりそうだったけれど、職場にイヤなことはない。
今日も同僚と年越しの話をしてゲラゲラ笑ったり、パソコンの設定をしたりして終わった。

だから、これ、なんなんだろうなあ、と思っている。
冬休みがたのしすぎたせいだろうか。

そんなりかん中のリカントマムル(©️ドラクエ)

は、脈絡ないのだけれど、このブログ記事が気になっている。

心理カウンセラー、心屋仁之助さんの家族についての記事。
奥さんに紹介してもらって読んだのだけれど、驚いた。

心屋さんといえば超売れっ子のカウンセラーで、著書は累計420万部も売れている。その彼が「肉親とはうまくいっていない」と書いていたのだ。

勤め先が児童館ということもあるのだろうけれど、ここ数年、家族、特に親子関係の難しさに触れることが増えた。

ひとり親だったり、養育が行き届いていなかったりして、いびつなコミュニケーションをとらざるを得なくなっている子供たちや、親の影響による不自由さをいまでも引き受けながら生きる大人たち。

一方、親の立場も大変そうで、子育て支援の現場では、親であろうとすることに苦しむお母さん方を見かけることも少なくない。

「親であること」「子であること」がこんなにもお互いに傷を残すのか。そして、その影響を乗り越えて「自分を生きる」ことがいかに大変か。

そう思わされるようなエピソードをいくつも聞いた。

だからこそ、心屋さんのブログは新鮮だった。

親と、身内とこんな関係のまんまで
問題抱えたまんまでも
ぜんぜん幸せになってええんよ

と、ご本人は語った。
そして、記事を読んで、そのとおりのことを思った。

「解決してなくていいんだ」

親の影響って強烈で、その影響はその親、祖父母の代から由来していることも多い。だから、その人の生き方そのものを規定してしまうのに、自分ではどうにもならないものに思えていた。

でも、そのまんまでもいけるんだ。

それでいい、ってことではないんだと思う。
なんとかできるに越したことはない。

でも、そのまんまでもいける。

『魂うた®️』の師匠、本郷綜海さんは著書『あなたがのここにいることの意味』の中で、こう書いている。

私はヒーラーズ・ヒーラーとか名乗って
ヒーリングもするし、グループワークもするし、
それでお役に立てている実感もあるけど、
実際、まだ傷だらけでもある。

だけど、ある日、決めたの。

「傷」に自分の人生でやるべきことを邪魔させない、と。
「傷だらけ」のままでも、自分の人生を生きると。

そうしたら!
その覚悟のおかげで、随分癒されちゃった!本当に。

綜海さんがいかに傷だらけだったかについては、このブログにも書かれているけれど、

西城秀樹が「祈りも誓いもこの愛も捧げる」とローラに歌ったように、傷だらけの自分をそのまま愛してしまうこと。表現していくこと。生きていくこと。心屋さんと綜海さんは、その道を歩んでいる方々なのかもしれない。

僕のまわりは自分も含めて、生き方が結構ハチャメチャで、それこそ傷を生きている人が少なくない。

そりゃ、まっすぐに歩けたらどんなによかったかと思うけれど、でも、その蛇行や千鳥足がなんとも言えずユニークだったり、チャーミングだったり、その生き延びようとする力に敬意が湧いたりもする。

そんなふうに思っていると、もう物事に単純に「良い」とか「悪い」とか決めつけられなくて、でも「いいなあ」と感じる世界が出現する。それは肉親とうまくいっていないまま幸せになる世界であり、傷だらけの人が傷だらけのまま生きる世界だ。

そんなことを思いながら、リカントマムルは、明日、午前中お休みをとった。うれしい。

あと、ローラ姫のローラって「傷だらけのローラ」からとったのかなと思っている。

記事を読んでくださって、ありがとうございます。 いただいたサポートは、ミルクやおむつなど、赤ちゃんの子育てに使わせていただきます。 気に入っていただけたら、❤️マークも押していただけたら、とっても励みになります。コメント、引用も大歓迎です :-)