春が立つとき

春が立つとき。

二月四日、立春。
今日はへんな日だった。

お昼前に起きて、寝すぎてぼーっとした頭のまま、台所のある二階に上がる階段を上っていると、

びしっ

と左のふくらはぎに痛みが走った。

そして「がくん」と膝の力が抜けた。

ぎっくり腰のことを「魔女の一撃」というが、これは何の一撃というのだろう。痛すぎて、左足に体重がかけられない。しばらくマッサージをしていても、ずきずきと痛みが広がっていく。

うちはロフトのような構造で、洗面台もキッチンもお風呂もすべて二階にある。だから、階段を上がれないのは非常にまずい。それにこれでは病院にも行けない。

痛みは一向に引かなかった。
顔も洗えず、ごはんも食べられないまま、しばらくじっとして足のケアに当たった。

「これは明日、仕事にいけないかもな」と思いつつ、ネットを調べると「肉ばなれ」「こむら返り」とある。ふくらはぎの筋肉が収縮しているらしい。

でも、肉ばなれって、中日の根尾くんみたいにバリバリ運動している人がなるものではないだろうか。僕はただ階段を上ろうとしただけなのに、そんなことになるものだろうか。

などと考えていても痛みは引かない。
しかたなく、知人の整体師さんと奥さんに連絡しようとした。

整体師さんにケアのしかたを教えてもらうためのメッセージを送り、旅行中の奥さんに悪いなと思いつつ、ヘルプを出そうとしたそのとき、

痛みが消えた。

えっ? と思った。
さっきまであれほどの激痛だったのだ。

そんなことってあるだろうか。
痛みすら奥さんに気をつかったのか。

とにかく、以来、痛みは消えている。
まだ余韻のようなものが残ってはいるけれど、生活に支障はない。

なんだったんだろう。

そして、夕方になると、今度は頭が痛くなってきた。
パソコンやスマホの見過ぎだろうか、それにしても急だ。

しかたがないので、横になって二時間ほど寝てやり過ごした。

自分ではどうにもできないことが、次々にやって来る。
今日は春が立つ日だから、その揺れが伝わってきているのだろうか。

そういえば、二月二日の円坐のあと、奥さんと二人で家に帰ってきたときにも

ぱっ

と突然、部屋の電気が一瞬消えた。

ブレーカーが落ちたか?と思って、つけに行こうとしたらすぐに点いた。

意味がわからない。
でも、そんな人知を超えた不思議なことが立て続けに起こるところに、僕はいる。

なんなんでしょうね。
電気はともかく、あんなに激痛だったのが「すっ」と引いたのは、まったく説明がつかない。よかったけど。

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