いきなり身に付くリテラシー。
近所のベビーザラスに三人で行った。
前に ”三人” で行ったのは、赤ちゃんがおなかの中にいるときだった。
ベビーカー、抱っこひも、ベビーバス、ベビーチェアにロンパース。
カテゴリーごとに欲しいものとそうでないものを見てまわる。
そうしてしばらく歩いていると、奥さんが「見られるようになってる!」と驚いたように言った。
言われてみれば、出産前に来たときには、商品の多さに圧倒され、なにに使うのかも分からず、「こんなに買わなきゃいけないのか」と目をぐるぐるさせながら歩いていたのだった。
それがいまはスイスイ見てまわれる。いまの赤ちゃんに必要なものと大きくなってからのものが区別できる。いつの間にこんな「リテラシー」が身に付いたのだろう。たった7か月、赤ちゃんと暮らしただけで、こんなにも目の見え方が変わってしまったことを知り、とても驚いた。
その晩、奥さんが着物の雑誌を読んでいて、またしても「分かるようになってる!」と声をあげた。彼女はつい最近、着物を着たばかりで、その経験をしたことで見え方が変わったらしい。
経験することで分かるようになる。「ある」と存在が確認され、リテラシーがつく。経験しないうちは、なんだか分からない。自分に縁があるとも思えない。「ない」も同じになる。そういうものが人生にはある。
僕たちの身のまわりにあるのに、ないことになっているものって、案外たくさんあるのかもしれない。その「ない」を「ある」に変える鍵は、経験(実体験)だ。
そういえば、今日の赤ちゃんは歯固めおもちゃを口から「すぽん!」と強く引き出して、大笑いしていた。あの笑いも「こんな経験がこの世にあると分かった!」というリテラシーが生まれた喜びだったのかもしれない。
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