いい映画やいい本など、感動的な作品に出会うと、うれしい反面、打ちのめされることがあります。

つくり手として「負けた」という感じだったり、あるいは、自分の人生だけがろくでもないような感じがして。

この曲も映画『トイ・ストーリー４』を観た衝撃と感激からつくりはじめたのですが、なんだか悲しい曲になりました。

あと、ぼくはときどき唄っているうちに、他の歌手が憑依することがあるんですが、この曲は山下達郎さんでした。「こども」というところで決定的に達郎さんになった。なんでなのかはいつも不明です。そういう曲をつくろうと思ったわけでもないのに。

そんなわけで、曲づくりってちっとも思い通りにならない。
でも、それが思いがけなくて面白いです。

　＊　＊　＊

シャボンのように　はじけて散った
あの頃の夢　ちいさな希望のこども

時をいますぐ　巻き戻せたら
あんなふうには　きっとしなかったのに（lonely）

ずっと　遠くばかり
みたせいで　近くにある
幸せに気づけずに　いたんだね

どこに行っても　映画を観ても
ひとりぼっちで　ただ空しいだけで

涙をさそう　あのロードショー
感動の渦の中　取り残されてた

夢と魔法で　光の中へ
あなたと二人　飛んでゆけたら　そんな
夢の途中で　また目が覚めて　ああ！

映画館から　いつもの街へ
夏の夜風が　そっと涙をふいた