過去のわたしへ。

前略、過去のわたしへ。

僕はいま、車の運転の練習をしています。
「まさか」と驚くでしょうが、本当です。

今日は家のまわりの駐車の練習をしました。
どんな場所より自宅の出入りが大変だと知りました。
なにをどうしたらそうなるのかわかりませんが、左脚の付け根が筋肉痛です。

思えば、あなたは常日頃から「車はきらいだ」とか「車はこわい」とか言っていましたね。そして、なんとかして車の運転から逃れようとし、40代まで逃げ切りました。

しかし、いま、僕はわりと前向きに車を運転しようとしています。お気に入りの車種も見つけて、中古車を検索したりもしているんですよ。信じられないでしょうが。

どうしてそんなことが起きたのか。
それはこの土地に来ることが決まったからです。

ここではどう考えても車が要る。
腹の底からそう思ったときにカチッとスイッチが切り替わりました。観念とはこういうことか、と思いました。まだそう遠くない、先月の終わりのことです。

人はどんなきっかけで変わるかわからない。
よく言われることですが、自分に置き換えるととてもよく分かります。礎石のようになっていた「車にはもう一生乗らないだろう」すら変わるのですから、もはやなにが変わってもおかしくない。

きっとこんなふうに書いて伝えても、あなたは「あり得ない」と突っぱねるに違いありません。

でも、変わってよかったなと思っています。
それ以外のいろんなことや考え方もだいぶ変わってしまいましたが、なんだかしあわせですから。

そちらはまだ暑いでしょうか。
こちらは山の上だからか、もう肌寒くなってきました。

どうぞお身体には気をつけて。
（ま、おおむね健康なのはわかってるんですけど）

いまのわたしより。