what a wonderful (somi) world
夜明けの来ない夜はないさ
と、歌手、本郷綜海さんは、古くからの友人に語りかけるように歌いはじめた。
昨日。場所は渋谷のJZ Brat。
11月に設立したオンラインサロン「ソミファミホーム」の記念パーティーとして開催されたライブ。
圧巻だった。
師匠と弟子という関係をすこしだけ緩めて、一観客として心から楽しんだ。
昨日はパーティーということで本番のライブとは少し違ったそうだけれど、三時間、カオス(混沌)だった。
歌ったと思ったら、おしゃべりがあり、また歌があって、唐突に抽選会があり、トークショーがあって、また歌って。
「文句を言われることがある」と綜海さん自身は気にされていたが、僕は凄いと思った。
目の前で一瞬一瞬起こり続ける破壊と創造。
めまぐるしく変わる展開が会場全体を巻き込み、みんながどんどん「乗ってくる」のが肌で感じられた。
以前『魂うた®︎』ファシリテーター養成コースで、練習として綜海さんのファシリテーションをさせていただいたことがある。
実際にはなにもできなかったのだけれど、歌う綜海さんから四方八方に見えない手が飛び出し、一瞬一瞬変化しながら突き進んでいく様をそのときに見た。
昨日のライブは、それに似た感じがした。
しゃべって、笑わせて、泣かせて。みんなを気遣って、サービスして、ついでに僕たち弟子のファシリテーターが歌う場面まで用意してくださった。
と同時に、歌となると一瞬で、本当に一瞬で僕たちをその世界に連れていった。
世界を癒そう
世界をもっといい場所にしてしまうんだ
君のため 僕のため
人類みんなのために
これは終盤、一番いいところで演奏されたマイケル・ジャクソンの「Heal the world」。日本語詞は、詩人、奧野美緒さんが訳したものだ。
考えてみれば、「瑠璃色の地球」と「Heal the world」と「What a wonderful world」を ”本当にそう思って" 歌える人ってそうはいない。
「世界をいいところにしよう」
綜海さんは、本気でそう言っていた。
自らの中にある混沌を許し、認め、そこから創造を続ける。
その嵐のようなエネルギーをバックで演奏しているピアノとウッドベースががっちり支え、秩序を与える。男女の理想的な関係もそこには映し出されていた。
観客も、バックバンドも、会場も、すべてを巻き込んで、綜海さんは突き進む。
金のないやつぁ 俺んとこへこい
最後の曲の、まさに最後のフレーズで、この曲を聴くとは思わなかった。
いきなりの植木等。
それも「What a wonderful world」のエンディングに挿し込んできたのだ。どうやって?と思うだろう。でも、文字では表現不可能。これはもう聴いてもらうしかない。
ぶったまげた。
そこにはルイ・アームストロングと植木等の、西洋と東洋の、全世界とお茶の間の融合があった。でも、その二つの曲は「おんなじことを言っている」と理屈を超えて伝わってきた。
Yes, I think to myself what a wonderful world
その日の締め、最後の最後のフレーズ、とても美しかった。
おそらく観客全員がそう思ったように、天国のルイ・アームストロングと植木等もそう思ったに違いない。
「yeah」
と。
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