郷に入っては郷に従え(そして牙を剥け)。
新しい土地に入るときは、その土地の風俗なり習慣に合わせよ。
それが「郷に行っては郷に従え」ということわざの意味だ。
処世術としては絶対そう。
でも、それだけではアカンかもなあとこの頃思うようになった。
たとえば家族であれ職場であれ地域であれ、新しい人が入ってくるとき、必要なのは「双方向性」だと思う。新しい人がその場所に適応するのと同時に、その場所も新しい人に適応する。お互いが自らの思うところを語り、聞く。そういう双方向の関係が理想のような気がする。
それがどちらかに偏ると、おかしなことになる。
新しい人が我を通しすぎると孤立するし、かといって、適応しすぎると自分を見失う。それに適応されすぎると、その場所は柔軟性を失ったりもする。
僕は福岡県那珂川市に新しい人としてやって来た。
僕には「郷に行っては郷に従う」ことが必要だった。
けれどやっぱりただ従うだけではいけない仕事も見えてきている。
赤ちゃんであれ、新入社員であれ、新住民であれ、新しい人が見ていること。それはその場所の可能性でもあると思う。そこを聞けるかどうか、聞いて自らを正すことができるかどうかが「それまでその場所にいた人」の資質なのかもしれない。ま、僕がいうことじゃないかもしれないけれど。
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