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補強期限1ヶ月延長を受けて考える、育成から上げてほしい若手、他球団でチャンスを与えてほしい若手の話

NPBが新戦力獲得期限を今季に限り1カ月延長 トレード、新外国人、支配下昇格は8月31日まで(スポニチアネックス)

 という発表が1週間前に報じられましたね。

 通常は7月31日で補強が打ち切りになるわけですが、昨今の情勢やオリンピックによる休止期間も考慮しての事なのでしょう。

 個人的にはかなり嬉しい発表でありまして。何しろ読売ジャイアンツは先日ジャスティン・スモーク選手が一身上の都合で退団。アキレス腱断裂のエリック・テームズ選手と合わせてまさかの新外国人選手2人とも使えないという事態に…。

 スモーク選手の退団が交流戦終了直後だったものですから、1ヶ月で探すというのもなかなかしんどい。加えてオリンピックに出場する選手を吟味するにも7月31日締め切りではなかなか難しいのもあって、1ヶ月延長はまさに渡りに船。

 スモーク選手退団によって松原聖弥選手が頑張っていたり、去年からいるゼラス・ウィーラー選手が活躍してくれていますが、これから優勝争い、更には短期決戦まで睨んだ時にやはり新外国人選手の補強は欠かせないのかなと。

 同時に現在支配下枠が68人なので、放出の方も気になってくる。外人選手を1人獲るとして育成から上げられるのが残り1枠。今年既に八百板卓丸選手、高木京介投手、戸田懐生投手、平間隼人選手、直江大輔投手と5人ほど昇格させていますが、二軍にはもう少し上げてほしい選手もいる。

 そして一軍にいれる実力がありながらポジションの関係で上がれない選手というのも何人がいるわけですね。

 今回は補強期限まで残り2ヶ月という事で、支配下を勝ち取ってほしい若手選手、他球団移籍でチャンスをあげてほしい若手選手をそれぞれ何人かご紹介させていただこうかと思います。

 まずはこちらから!

・支配下に上げてほしい育成選手

 先程も書いたように、今季巨人はこれまで5人の育成選手を支配下に昇格させました。

 まあそのうち高木投手と直江投手は去年まで支配下登録選手だったので上げたというよりは戻ったという感覚なのですが、平間選手と戸田投手は育成ドラフトから這い上がった選手でございますし、その中でも戸田投手は現在一軍でリリーフとしてチャンスを貰っております。

戸田懐生


 球速はそこまででもないですが、打ちにくそうなフォームからコントロール良く投げ込んでいてなかなかの好投手でございます。

 彼のように活きの良いリリーフは何人いても良いわけでありまして、その為にできるだけ一軍で投げられるように上げておく必要がある。

 現在二軍では、2人の育成投手、元支配下投手が頑張っています。

鍬原拓也


谷岡竜平


 鍬原投手は2017年のドラフト1位で、谷岡投手は2016年のドラフト3位で入団した選手です。

 鍬原投手は150を超えるストレートが持ち味の豪腕投手でありまして、ルーキーイヤーから一軍で初勝利を飾るなど最初の方が結構期待の持てるピッチングをしてました。

 しかしその後はなかなか思ったような活躍ができず、昨年はサイドスローにも挑戦しますが8月に肘を骨折。そのまま投げられずにオフを迎え育成落ちとなってしまったわけです。

 それでも今季は二軍で投げられるまで回復し、今日まで8試合に登板し防御率5.79ながら150近いストレートを投げパワーピッチはできている。

 パワーピッチできる投手はリリーフ陣には欠かせないパーツですし、巨人の日本人ピッチャーに同タイプのピッチャーがあまりいないのもあって十分昇格候補だと考えております。

 谷岡投手もルーキーイヤーから一軍デビューし、2018年には25試合に登板するなど期待される若手の1人でした。

 しかし2019年に右肩関節唇を怪我し手術。この部分の怪我はピッチャーにとって結構致命傷になるらしく、この怪我が原因で引退してしまった投手もいます。でこの年のオフに育成契約。

 手術から2年後の今季に二軍で本格的に復帰し、今日まで17試合に登板し防御率1.80。奪三振率は9.00とかなり良い結果を残せている。

 球速はさすがに怪我前からは数km落ちて最速145とかなのですが、アマチュア時代から武器にしていたフォークやスライダーなどを投げ分け総合力で抑える投手に変化しています。

 この手のタイプなら一軍で活躍中の鍵谷陽平投手であるとか、去年まで一軍で活躍していた大竹寛投手など成功例もいますし、巧いピッチングさえできればいくらでも活躍の余地はある。

 この2人の投手は支配下候補の中でも最有力なのではないかと思いますね。

 あと野手では、以下の4選手が候補になってくるのかな?

山下航汰


保科広一


加藤廉


喜多隆介


 写真貼っつけてて思ったんですが喜多格好いいですね(笑)

 山下選手以外は今年の育成ルーキーですね。3人とも二軍で活躍中です。

 山下選手、保科選手、加藤選手はいずれも左の巧打者でありまして、加藤選手だけは内野手。喜多選手は捕手として他の捕手と併用されながら出場しています。

 打席数ではこの4人では保科選手が今日まで最も多い150打席に立っていて、成績では加藤選手が84打席ながら打率.308、長打力を示すIsoPという数字では.170を超える数字を残していて、通常.150以上あれば長打を打てるという感じなので結構良い数字を残せている。

 期待値で言えばやはり山下選手も外せません。高卒1年目でイースタンの首位打者になるなど将来有望だった選手ですが、2年目の開幕直前に有鉤骨を骨折。最近ありがちな怪我でして、有鉤骨を折った選手はその後あまり良いスイングができずに成績を落としてしまいがちに。

 山下選手も去年から今年にかけて成績が落ちてしまっているのですが、今日は二軍で猛打賞を記録。1週間前にはホームランも放つなど徐々に戻ってきつつあるのかなと言う印象ですね。

 喜多選手は後に話す理由と絡んでくるのですが、キャッチャーで有望そうな選手はそれだけで上がる価値があるのかなと。

 というわけで個人的な支配下候補は投手野手合わせて6名。もちろん全員が上がれるわけではありませんが、最低1人は上がれるでしょうし8月31日までの競争に期待したいです。

 続いての話題はこちら。

・他球団に放出してチャンスをあげてほしい若手選手

 巨人はここ数年、ポジション争いに破れた選手を他球団に放出してチャンスをあげるという方針を取っています。

 最近では田口麗斗投手を東京ヤクルトスワローズにトレードしましたよね。左投手が豊富な中でどうしてもあぶれがちになってしまった田口投手を、トレードという形でチャンスをあげた。

 その結果田口投手はヤクルトで復活しローテ投手になり、巨人にとっても田口投手で廣岡大志選手を獲得できて内野の層を厚くできてWin-Winな結果になったと。

 このように痛手覚悟でも選手を放出する事は重要ですし、飼い殺しのような状態にしても使わないのであれば意味がないのでこういうのもどんどんやるべきなんですよ。

 そして今、巨人には放出してほしい若手選手がやはり何人かいるわけです。

岸田行倫


重信慎之介


エスタミー・ウレーニャ


 岸田選手は2016年のドラフト2位で入団。巨人の主砲である岡本和真選手と同い年で満年齢25歳の選手です。

 非常に有望なキャッチャーであり、普通であれば一軍に出ていてもおかしくない選手。守備力はまだまだ改善の余地がありますが打撃力に優れていてリードも結構考えてやっている。

 ではなぜチャンスを与えられないかと言うと…これはもう巨人特有の捕手層の厚さが原因ですね。

 何個か前のnoteでも書かせていただいたのですが、今の巨人ってめちゃくちゃ捕手層が厚いんですよ(笑)大城卓三選手、小林誠司選手、炭谷銀仁朗選手と全員ベストナインかゴールデングラブ受賞経験者でありまして、打撃でも守備でもなかなかこの3人に割って入る隙がない。

 少し前に小林選手と東北楽天ゴールデンイーグルスの牧田和久投手のトレードが噂されてましたが、個人的には絶対にないだろうなと思ってました。実績豊富で一軍戦力になれるキャッチャーで、実力あるとはいえ替えが効くピッチャーのトレードというのはなかなか想像しにくいですし、巨人って捕手の支配下枠が6人、育成合わせても9人なので三軍制でやってる以上小林選手を出すなら代わりのキャッチャーを貰う必要がある。

 しかも小林選手だったら巨人が温情で出さない以上向こうから話を持ち出さなければトレード話がそもそも始まらないので、当然巨人もそれなりに力のある捕手を要求します。もちろんそれでは相手もトレードする意味がなくなるので、必然的に成立はしないと。

 なんですが、岸田選手となると話しは別です。

 彼は有望であってもまだまだ実績がなく、若手です。この選手を敢えて放出しようとした時にそこまで巨人も足元を見ないでしょうし、小林選手よりは比較的成立しやすい。

 例えば捕手層が比較的薄いとされる北海道日本ハムファイターズや楽天などに行けば、持ち味である打力で一軍戦力になると思うんですよね。で、こちらが要求する交換相手も控え目になる。

 もし捕手と交換しないにしても先程ご紹介した喜多選手を上げれば良いと思うので、巨人としてもそこまで痛手ではないのかなと言うところですね。

 続いて重信選手ですが、彼は早稲田大学から2015年のドラフト2位で入団した選手です。

 ここまで毎年のようにサブ戦力として活躍してきましたが、6年目の現在は二軍暮らし。交流戦でホームランを放ってお立ち台に上がるなどしたのですが、競争に負けてしまっているというのが現実です。

 やはり彼にとって同タイプの松原選手に負けているというのが大きいと思うんですよ。松原選手は現在1番打者として活躍中でありまして、小兵タイプに見えて7ホームランを記録するなどパンチ力もある。

松原聖弥


 個人的には近々彼だけでnoteを1本書きたいと思ってるほどに好きなのですがそれは置いといて。

 重信選手になくて松原選手にあるもの、それは肩力です。重信選手は俊足を生かした広範囲の守備力が持ち味なのですが、いかんせん肩が弱い。

 一方で松原選手はイチローさんの全盛期にも負けないくらいのバカ肩でありまして、その点で重信選手より優位に付けている。

 更に松原選手は正直重信選手よりも守備が上手く、外野ならどこを守らせても仕事してくれるので重信選手の居場所が徐々になくなっちゃってるんですよね。

 とはいえ重信選手もこのまま終わる選手ではありません。打力と走力は優秀なので、レギュラーは取れなくても4番手外野手としたら計算できるくらいの力はある。

 彼の場合は別に選手同士のトレードじゃなくても良いと思うんですよね。欲しがってくれる球団があるなら金銭でもなんでもトレードしてあげて、空いた枠で山下選手なり保科選手なり加藤選手を上げれば良い。

 トレードなら何がなんでも選手を交換みたいな時代でもないので、そこらへん柔軟にやってくれたら良いなと思います。

 最後にウレーニャ選手ですが、この人は育成で獲得した外国人選手ですね。

 二軍では毎年一定数以上打っておりまして、内野手としてどこでも守れる。更には年齢もまだ22と若く、外人でなければ優先的に起用されていたかもしれません。

 この選手もトレードするなら金銭トレード以外ないかなと思っています。外人枠で使わなきゃいけない、更には二軍でしか実績がないとなるとまあ選手同士では無理ですよ。

 しかし彼は二遊間やファーストなど結構上手く守れるので、例えば外人枠が実質余っているチームなどにサブ戦力として売れる可能性はあるのかなと。

 今年は情勢的にも補強がしにくいですし、そもそもお金をかけて補強する気のないチームも結構あるので、そこへいくと安くて若くてユーティリティ性のあるウレーニャは意外と価値があるかもしれません。

 という有望ながら出番のない選手を放出して、新外人なり育成からの昇格に繋げていけばチームの新陳代謝も良くなるのではないかと思った次第であります。

 本日は以上となります。プロ野球は勝負の夏場を迎えました。オリンピックでの休止期間があるとはいえ、どのチームもここでスパートをかけたいところでしょうし、その中でトレードなども活発に行われるでしょう。

 多分巨人も動きがあると思うので、どういう補強に打って出るか楽しみにしたいと思います。

 最後まで読んでいただきありがとうございました。それではまたお会いしましょう。






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