スポーツと人情が熱いまちは本当? 一般質問
「スポーツと人情が熱いまち」が江東区のブランドコンセプトだ。一方で、急速に発展を遂げる江東区にとってこれらを維持するのは容易ではない。区議会定例会の一般質問でこの点を問いただした。【井川諒太郎】
人情のまちと言われて久しい江東区。人口が54万人を超えるなど臨海部を中心に発展を遂げ、隣近所の顔も知らない人も増えている。
地域コミュニティの出番だが、その核となる町会・自治会の元気もなくなっている。この点を聞くと「少子高齢化の進行やコロナ禍等により地域コミュニティの希薄化が進んでいることに強い危機感を抱いている」。大久保朋果区長からこう返ってきた。
では、地域の元気を取り戻す施策は必要ではないのか。たとえとして昨年度、今年度実施している助成金などの支援の継続や人材を呼び込む手立てを提案した。大久保区長は「事業の継続を含め必要な支援内容を検討していく」と前向きな答弁が返ってきた。
もう一つのブランドであるスポーツはどうか。区では、令和2年度から4年かけたスポーツ推進計画を立て、週1回のスポーツ実施率を2019年の43・5%から24年に63・5%にすることを目標に掲げる。スポーツが熱いまちを掲げる以上、目標値は上回ってほしいが、区から返ってきたのは「国と同水準の52%」という少々残念な数字だ。
まだまだスポーツ発展の余地がある。特に子どもたちがスポーツに接する機会が減っているという。この辺りの強化や区内で増えているプロスポーツチームとの連携を提言した。区は「具体的な方策を今後研究していく」「スポーツを通じた地域コミュニティの活性化につなげる」との回答だ。
こうした問題と合わせて議論しなければならないのが少子化対策だ。江東区は人口が増えているものの、0~4歳の人口は減っている。未来への責任を果たすため、単なる子育て支援だけでなく、原因の一つである未婚化・晩婚化への支援も求めた。区は「結婚を望む人への支援につながるよう都区連携をしていく」と述べた。
少子化対策は基礎自治体だけの対策では限界がある。ただ、100年後もスポーツと人情が熱いまち江東区を継続していくためタブーなく質問をしていきたい。
=来週の紙面はお休みします
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