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奈良国立博物館 ★車椅子で奈良★

感染防止のため、2020年の正倉院展はすべて予約制となりました。
障害者手帳を持っていると、国立博物館の入場料は本人と介助者1名が無料となります。
通常は障害者手帳を見せるだけでOKなのですが、今回は無料観覧券の予約と発券が必要となりました。
人数も1時間毎に各時間約260名に制限されるので、発売日当日の10時に、発券が一番簡単そうだったローソンに行き、無料観覧券2枚と大人通常券1枚を発券しました。
平日を指定したためか、どの時間も十分空きがあったようで、こんなにがんばらなくてもよかったのか?と思いましたが、やはり会期前に完売したようです。

当日。
博物館の手前で障害者手帳と観覧券の確認と体温測定がありました。
博物館の入り口では観覧券の確認のみ。
イヤホンガイドを借り、エレベータで2階へ。
例年は押すな押すなの人出で、有名な展示品は遠くからしかを見ることができないそうなのですが、今回はゆっくりと見て回ることができました。

今回の正倉院展の目玉は・・・

平螺鈿背円鏡 [へいらでんはいのえんきょう]
螺鈿や琥碧などで作ったサイ、鳥、花の文様で鏡背を飾った白銅製の鏡。文様の隙間にはトルコ石の細片が配されています。と書くと、なんだかぎらぎらした感じがしますが、実物はそんなことはなく、花心に使われている赤い琥珀がアクセントになっているものの、全体に白っぽく、落ち着いた感じになっています。

紫檀槽琵琶 [したんのそうのびわ]
正倉院の琵琶と言ったら、きらびやかなアレですが、今回展示されたのは胴の背面に装飾が全くない一番地味なもの。本体の材料には、シタン、コクタン、ツゲなどが使われています。撥受けには皮革が貼られ、水鳥、猛禽を描いた山水景がある、そうなのですが、かなり劣化していて、絵柄を認識するのはちょっと難しいです。
音声ガイドでは再現楽器による楽曲を聞くことができました。

桑木木画碁局 [くわのきもくがのききょく]
正倉院の碁盤といえば、木画紫檀碁局ですが、今回展示されたのは少しおとなしめのもの。とはいえ、クワノキの木目がそのまま模様となった盤面、紺牙(こんげ)・紅牙撥鏤(こうげばちる)(色染めした象牙に文様を線刻する技法)やヤコウガイ毛彫りで作られた草、花、虫の文様の薄板が貼ってある側面など、凝った造りになっています。

五色龍歯 [ごしきりゅうし]
象の歯の化石で、鎮静などの薬効があるとされています。
正倉院にはこのほかにも種々の薬物が保存されています。
には、「もし病に苦しむ人々がいれば薬を分け与えて良い」と記載され、実際に使われていたことを裏付ける記録もあるとのこと。

花氈 [かせん]
花模様のフェルトの敷物。以前は、ベースの羊毛の上に文様となるフェルトを載せて圧縮し、作られていると思われていましたが、新しい調査結果から、文様パーツとなるフェルトの上にベースの羊毛を載せ、圧力をかけてフェルトの敷物にしていたことがわかりました。この方法は、中央アジアに残る伝統的な敷物の作り方とも共通しています。館内では実際に敷物づくりを再現したビデオを見ることができ、私は釘付けになりました。


母の一言
フェルトの敷物の展示台が高すぎて見られなかった。
1枚はぎりぎり見られたけれど、もう2枚は全然だめ。
会場の係の人に聞いたら、見られなかった2枚を入れている展示台は古い展示台とのこと。
全部新しいのにしてほしかった。


いただいたサポートは次回の旅行に使わせていただきます。より詳細なレポートができるように頑張りたいと思います。