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赤ちゃんが欲しいー勇気を出して産婦人科へー

こんにちは、ゆうこです。

普段は不妊治療のカップルと関わる外来で助産師をしながら

私自身も長年不妊治療をしています。

不妊のカップルは年々増加傾向にあります。

私が勤めている外来でも新規のカップルが増えていて、

「あ...もう少し早く病院に来てくださっていれば...」と思うことがあります。

そうは言っても、できるだけ自然に授かりたいと思う方は多いですし、

赤ちゃんが欲しいと思って早い段階で産婦人科受診するのはハードルが高い

と感じる方も多いと思います。

カップルが自然妊娠の可能性がある状態なのかは、調べてみないと分かりません。

今回は、赤ちゃんを望むカップルが安心して妊活できるように

少しでも早く産婦人科の門を叩いていただけるように

産婦人科での主な不妊検査を紹介したいと思います。

超音波検査

膣から超音波の機械を挿入して子宮の奇形や、子宮筋腫、子宮内膜のポリープ、卵巣のう腫など子宮や卵巣の病気がないか観察します。また、排卵期には、そろそろ排卵するであろう卵胞の大きさを図って、排卵の時期を予測します。セックスや人工授精のタイミングを図る目安となります。

ホルモン検査

不妊原因のうち20%以上が排卵障害と言われています。不妊治療に取り掛かる前には、まず排卵障害を始めとするホルモンに関連する病気がないか、採血で調べます。

卵巣予備能ー抗ミュラー管ホルモンAMHー

こちらも採血によるホルモンの検査ですが、上記のホルモン検査とは違って抗ミュラー管ホルモンは、卵巣予備能マーカーとも言われ、卵巣に残っている卵子の量を評価します。卵子の質、妊娠率には影響しません。

頸管粘液検査ーフーナーテストー

排卵時期、膣内射精後9-14時間の間に、内診をして頸管粘液を取って、その中で運動できている精子を観察する検査です。内診はしますが、特に痛みのある検査ではありません。男性の精液の検査にもなっている訳です。

精子不動化抗体検査

こちらも採血で検査します。不妊女性の3%程がこの抗体を持っていると言われています。この抗体は免疫の働きで、精子を異物として察知して子宮内に侵入できないようにしてしまいます。この抗体の値が高い場合は自然妊娠は困難で体外受精へのステップアップが必要となります。フーナーテストは実施せずに精子不動化抗体の検査のみ実施する施設もあります。

子宮鏡検査

膣から極々小さいカメラを挿入して子宮の奇形や子宮内にポリープや子宮筋腫がないかなどを観察する検査です。全員が対象となる検査ではありません。子宮内の観察だけの目的の場合、麻酔なしで実施する施設もありますし、静脈麻酔を使用して実施する施設もあります。必要な場合は手術としてポリープなどを採取することもあります。麻酔をする場合は痛みはありませんし、無麻酔でも極短時間で終了します。無麻酔での痛みは個人差がありますし、医師の技術にもよりますが、私が関わったほとんどの患者さんが平気な顔をして検査を受けています。

子宮卵管造影

膣から子宮内に管を挿入後、その管から造影剤を注入しレントゲン撮影して左右の卵管が通っているか見る検査です。細い管ですが挿入時に痛みを感じる方や、造影剤注入時に痛みを感じる方がおられます。卵管が通っているかどうかは、自然妊娠を望む上では非常に重要なことです。両方の卵管が閉塞している場合は体外受精の対象となります。性感染症のクラミジアの感染が否定される場合は、省略する施設もあります。

精液検査

男性の精液の検査です。自宅や病院でマスターベーションで採取して、精子の数や運動率を調べます。不妊検査は主に女性の検査が多いですが、同じように男性の検査も非常に重要です。精子の数が少ない、運動率が悪いなどの場合は人工授精、または人工授精をスキップして体外受精へのステップアップが必要となります。男性にとっては精神的に負担のある検査です。カップルでよく相談して納得、合意のもと受けることが大切です。

調べてみないと分からないことばかり

女性の子宮や卵管の病気、ホルモンの病気がないかどうか、排卵しているかどうか、卵管が通っているかどうか、男性の精子に異常がないかどうか、調べてみないと分かりません。

自分は大丈夫だと思っていたのに...

早く分かっていれば、早くステップアップしていたのに...

早く分かっていれば、時間を無駄にしなかったのに...

早く分かっていれば、もっと妊娠の望みがあったのに...

そうならないために、安心して妊活に臨むために諸検査は受けておくに越したことはありません。

赤ちゃんを待っている少しでも多くのカップルに、赤ちゃんがおとずれてくれますように...

心から祈っています。

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