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リプロダクティブヘルス・ライツと不妊治療、性教育の関係について

メディカルパーク横浜の院長、菊地盤(きくちいわほ)先生をゲストにお迎えしてお送りする、妊活ラジオ 〜先端医療の気になるあれこれ〜 

生殖医療の視点から考えるリプロダクティブヘルス・ライツについて、お話を伺いました。 

妊活ラジオ」は、FM西東京にて毎週日曜あさ10:00~放送中です!アイジェノミクス・ジャパンのYouTubeチャンネル「妊活研究ラボ」でも、アーカイブ配信しています。

メディカルパーク横浜について
メディカルパーク横浜は横浜の桜木町にあるメディカルパークグループの分院で2年前にオープンした。本院は湘南台にあるメディカルパーク湘南です。メディカルパークでは不妊治療のほか、腹腔鏡の手術や、不妊治療と腹腔鏡手術を融合した治療も提供されています。

菊地盤(きくちいわほ)先生について
メディカルパーク横浜の院長、菊地盤先生は婦人科腹腔鏡手術のエキスパートが集まり、全国でトップレベルの手術件数を誇る順天堂大学産婦人科のご出身。6,500件以上の腹腔鏡下手術を行われてきたほか、後進の育成にも取り組まれてきました。順天堂大学医学部附属浦安病院在籍中には、浦安市と共同で卵子凍結プロジェクトも行っておられます。
メディカルパーク横浜ウェブサイトより

リプロダクティブヘルス・ライツって?

さて今回の番組テーマは「リプロダクティブヘルス・ライツと不妊治療」ということですが、「リプロダクティブヘルス・ライツ」という言葉、ご存知でしょうか。

日本語に訳すと「性と生殖に関する健康・権利」となります。

「リプロダクティブヘルス・ライツ」は元々、1994年にカイロで開かれた国際人口開発会議で提唱された「女性自らが妊孕性、妊娠する能力を調節できる」「すべての女性が安全な妊娠と出産が享受できる」「すべての新生児が健全な小児期を享受できる」「性感染症の恐れなしに性的関係が持てる」の4つを基本とした概念です。

女性が生涯にわたって身体的、精神的、社会的に良好な状態が「リプロダクティブヘルス」であり、その状態を享受する権利が「リプロダクティブライツ」とされています。

「リプロダクティブヘルス・ライツ」は女性だけでなく、男性にもある権利です。子供が欲しい、欲しくない、性行為をしたい、したくないという権利はもちろん男性にもあります。

しかし、女性の場合は妊娠・出産によって、どうしても身体に大きな負担がかかるという事実があります。

今回の放送の中で菊地盤先生は「女性にとって妊娠・出産は身体への負担が大きいもの。妊娠する・しないということに対して、女性は男性以上に自分自身のものとしてしっかりコントロールするべき」とのご意見を述べられました。

避妊・妊娠、そのどちらも女性にとっての大切な権利であるというメッセージをぜひ届けたい、とおっしゃっています。

不妊治療や性教育との関わり

リプロダクティブヘルス・ライツと不妊治療について考えるとき、日本においては、性教育の問題についても同時に考えていく必要があるそうです。

妊娠を望むことは女性の権利ですが、「生物学的な限界」は現代の医学を用いても乗り越えることはできません。

体外受精のような高度な不妊治療を行ったとしても、40歳以上の女性では妊娠率の低下は避けられない。世の中の女性全員が、こうした性に関する正しい知識を持っているとはまだ言い難いのが日本の現状であるようです。

そして、そういった知識を持たないまま、40代になって初めて不妊と向き合わなければならなくなる、という状況はその方の権利が侵害されていると考えることができます。

不妊治療は女性の権利を守るための一つの手段になっていると思うが、医療で解決できることには限界がある。そのことも、患者さんにきちんと伝えていかなければならない、と菊池先生はお話しくださいました。

子供が欲しい、妊娠したいというお気持ちは、その方の身勝手ではなく権利、人権です。

一方、不妊治療を続けるために仕事を辞めざるを得ない、といった悩みは多くの当事者が共通して抱えている問題であり、そういった課題に対しては、社会全体で、行政や国からも援助を受けながら取り組んでいくべきとのご意見も述べられました。

そのような社会を実現するためにも、男女ともに、性に関する正しい知識を身につけていくことがとても大切なのだそうです。

妊娠・出産に関わる責任を女性ばかりに押し付けるような風潮が日本でも一部存在していることは残念ながら事実でしょう。

社会を変えていくためには、男性に対しても「リプロダクティブヘルス・ライツ」という観点から、しっかりとした性教育が行われなければならない、と菊池先生はご指摘されています。

リプロダクティブヘルス・ライツから始まった菊池盤先生のライフワーク

菊地盤先生はライフワークとしてがん生殖医療、つまり、卵巣の凍結などによる妊孕性の温存に取り組まれています。この取り組みはリプロダクティブヘルス・ライツという概念から始まったものだと言えるでしょう。

卵巣腫瘍が見つかった場合、かつては、二つあるのだから一つは取ってしまっても問題無い、という治療方針が採られた時代があったといいます。

しかし、それではもう片方の卵巣に問題があった場合は妊娠できない、ということになってしまう。本当は、両方の卵巣を残して妊孕性を保ってあげることが重要であるにも関わらず、当時はそういった点に配慮する考え自体がなかったといいます。

こうした状況に対して違和感を覚えた菊池先生は、もう10年以上も前から、妊孕性を温存する目的でがん患者様の卵子や卵巣を凍結する施術に取り組むようになったのだそうです。

ルーツはリハビリテーション科に

そんな菊地盤先生ですが、これまでずっと産婦人科一筋でご活躍されてきた、というわけではないのだそうです。

もともとは、ケガや事故などの事情により、または生まれつき体のどこかが動かない、麻痺しているといった方々がやってくるリハビリテーション科に所属していました。

そこで学んだ「プラス思考」、つまり、例えば手が無い、手が動かないからこういうことが出来ない、と考えるのではなく、こういう器具や義手を使えば出来る、という発想の仕方が菊池先生の考え方の基盤となり、現在の活動へとつながってきます。

次回は、菊地盤先生がリハビリテーションから学んだ概念をベースに、リプロダクティブヘルス&ライツに関わる活動に取り組まれた、卵子凍結プロジェクトについてのお話を詳しくお伺いします。



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