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卵子提供という選択肢『 野田聖子・前少子化担当大臣インタビュー』

こんにちは、アイジェノミクスのスタッフです。

さて、アイジェノミクス・ジャパンは先日、野田聖子衆議院議員にお話をうかがうことができました。その模様はFM西東京にて毎週日曜あさ10:00からの「妊活ラジオ」で放送いたしました。野田聖子衆議院議員は先日まで少子化担当大臣を務めておられました。これまでに幾度もご自身の不妊治療の経験も話されていることから、皆さんも関心があるかと思います。

なお、この時のインタビューはアーカイブとしてアイジェノミクスのYouTubeチャンネル「妊活研究ラボ」で動画をご覧いただけます。 https://www.youtube.com/playlist?list=PLL-R55a21A3oF2WCwIooFYWLTVpKkLkJm 

では前回に引き続き、このブログでは野田聖子衆議院議員がお話になられたことをご紹介したいと思います。第3回は「卵子提供、子どもの授かり方の多様性」がテーマです。

野田聖子衆議院議員について

野田聖子議員は「人口減少は国家有事であり、他国から侵略されていることと同じ」と捉えて、男女の結婚や出産をサポートする取り組みや、男性の育児参加を促し、女性が働きながら出産や育児ができるような環境の整備に取り組んでいます。

そのほか、「子ども対策が、実は安全保障であり、成長戦略における根幹をなす極めて重要な政策だと考え、人口減少を解決していくための「子ども対策」を推進しています。

野田聖子議員に経験を語っていただきました

野田聖子衆議院議員は米国で卵子提供を受けて体外受精を実施して妊娠したことを、週刊誌に掲載した手記で明らかにしています。また出産前から密着取材が行われたドキュメンタリーのテレビ番組も放送されていたことなどから、不妊治療に取り組まれ、出産されたことをご存知の方は少なくないでしょう。

その野田聖子議員にお話を伺った第3回ではこの卵子提供についてのお話などを伺っています。

卵子提供による出産について

夫と出会った時、私はすでに48歳。当初は特別養子縁組を考え、乳児院に行って親に恵まれなかった子どもと出会ってその子を幸せにすることで自分たちも幸せになろうというのが夫の誓いでした。

しかし乳児院に行くと「共働きは子どもがかわいそう」「若いお母さんの中で一人だけおばさんは子どもがいじめられるから」ということで断られてしまいました。

卵子提供という方法があるのを見つけてくれたのは夫でした。結果的には年齢的には無理だと思われた卵子提供の方が高齢の私たちにはヒットしました。

不妊治療にパートナーの存在が欠かせないというのは、男性が積極的な方が女性はノンストレスでいられるからだと考えます。どちらかというと不妊治療には女性の方が積極的に関わるのですが、男性がついてくれないことは女性にとってストレス。ですから不妊治療はパートナーが探す方が良いと思います。

日本で卵子提供のコーディーネートしてくださる方がいらっしゃったので相談すると、年齢には個人差があると励まされました。その後の健康診断に合格して、アメリカで卵子を提供いただける方と出会えたので、息子を授かることができたのです。

治療中のストレスは?

アメリカでの治療は妊娠がわかるまでで、そこから先はバックアップの日本の婦人科で定期的に診てもらうことになります。治療してくれたアメリカのクリニックの先生とはその後、一切会っていません。治療後に渡されたのは山のような量の注射器と山のような量のホルモン剤。大きなスーツケースに詰めて帰国し、その後は妊娠を維持させるため、自分で注射を打つ日々でした。

注射が痛かったのと、注射を打つ時間は決まっていて時間を間違えてはいけないということもあり、自分で注射することに面倒さを感じていました。移動が多い仕事なので、ポーチの中に入った注射器と薬と消毒用のコットンを持って、飛行機のトイレの中、新幹線のトイレの中に入り、お尻をコットンで拭いて注射して、痛みを感じながら席に戻るということをしていました。

妊娠するまでが早く、妊娠した後のエコーで息子が障害を持っているということで、夫も苦しみ、慰め合いがあり、また危ない命を守るという強い気持ちもあって、ストレスというものを感じている暇はありませんでした。

子どもの授かり方の多様性について

体外受精という方法は万能だといえるでしょう。しかし、私たちが想定していない親子関係をたくさん作ってしまうことになります。体外受精という方法を使うことによって、良い方に考えればたくさん家族ができます。しかし制度がついて行っていないがゆえに生まれてきた子どもが辛い思いをすることになりかねません。実際、精子提供で出自を知る権利というのが起きています。

かつて、精子提供で生まれてきた子どもに対して、夫婦間がうまくいかなくなると、自分の子ではないと無責任なことをいう男性がいました。そのために傷ついた子どもたちは少なくありません。

制度がついて行っていないとそういう子どもたちがたくさん出てくる可能性があります。そのため民法の特例で法律的に責任を取るという制度を定めました。

ママに、母親になるということ

自分がママに、母親になりたいと思うなら、自分の男性への理想を下げるべきではないでしょうか。若い人があまり高い理想を持っていると男性に出会う機会が少なくなるでしょう。自分がママになれたのはママにしてあげたいと思ってくれた男性に出会えたからです。子どもはバーチャルではなく、リアルです。理想通りにはいかないものです。

少子化の元は男性、女性の双方の晩婚化と非婚化です。科学的には卵子凍結という方法があります。アメリカの女性はとりあえず卵子凍結をしておき、これを使わないようにしよう、使わなくても済むようにパートナーを得ようという考え方を持っておられるようです。

一方、日本の場合は卵子凍結という方法があるから、それで良いという考えに流されるのではないかという懸念があります。

どんなに科学技術が進んでも変えられないのが女性の妊娠する期間です。いつの時代でも10代後半から30代前半というのは変わっていません。 不妊治療という医療はあります。しかし、それは病気の治療です。本来なら不妊治療を応援する立場ではありますが、不妊治療を受けないこと、それが一番の不妊治療となります。

今の人たちには保険適用など、10年、20年前よりもチャンスがあるのです。しかし、余裕を持って欲しいと思います。本来できることをできるように、自分を導くのが自分に対しての思いやりになります。自己防衛です。

自分の身体を守るための知識を身につけること、それを若い時からして欲しいのです。

野田聖子議員への取材についての記事は続きます。次回をお楽しみに。

野田聖子衆議院議員が出演されたアイジェノミクス・ジャパン提供「妊活ラジオ」のアーカイブ、今回ブログに掲載した分はこちらからご覧になれます。

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