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不妊治療の経験と仕事との両立について『野田聖子少子化担当大臣インタビュー』

こんにちは、アイジェノミクスのスタッフです。暑い日々が続いていますが、みなさん、いかがおすごしでしょうか。

さて、アイジェノミクス・ジャパンでは先日、野田聖子少子化担当大臣にお話を伺いました!第1回は「不妊治療の経験と仕事との両立について」がテーマ。

その模様はFM西東京にて毎週日曜あさ10:00からの「妊活ラジオ」で放送いたしましたが、もうお聞きになっていただけましたか?? https://842fm.com/blog/ninkatsu/34240/

アイジェノミクスのYouTubeチャンネル「妊活研究ラボ」でもダイジェスト動画をご覧いただけます。
https://youtu.be/82Ou1rWppQY

野田聖子少子化担当大臣について

野田聖子さんは少子化担当大臣として知られていますが、正式には内閣府特命担当大臣。「少子化」だけでなく、「地方創生」「男女共同参画」についての大臣です。女性活躍、こども政策、孤独・孤立対策を担当されていらっしゃいます。

1993年(平成5年)の第40回衆議院議員総選挙で初当選以来、連続9期当選されています。1998年(平成10年)、当時閣僚最年少で郵政大臣に就任。以降、総務大臣や衆議院予算委員長などを歴任されておられます。

野田聖子大臣は米国で卵子提供を受けて体外受精を実施して妊娠したことを、週刊誌に掲載した手記で明らかにしたほか、出産前から密着取材が行われたドキュメンタリーのテレビ番組も放送されていることなどから、不妊治療に取り組まれたことをご存知の方も多いのではないでしょうか。

不妊治療に対して思うこと

野田聖子大臣が不妊治療と出会ったのは20年以上前のこと。「辛い」という一言に尽きたとおっしゃいます。

「不妊になった原因は政治という仕事を選んだからかもしれない」「早め早めに妊活に取り組んでいれば、不妊治療と向き合うことがなかった人生かもしれない」、と過去を振り返られました。当時の政治の世界は「男でなければ職場にいてはいけない」というような空気が漂っていたそうです。

野田聖子大臣が妊活に取り組み始めたのは40歳のとき。家族を作ろうという当たり前の気持ちから当時の旦那さまと取り組まれたそうです。しかし、それは医学的にも科学的にも「遅いスタート」だったのです。

野田聖子大臣がこの時のことを振り返り、現在、思っていらっしゃるのが「教育の大切さ」だそうです。

野田聖子大臣の学生時代には、「不妊」「妊活」といったものを学校では教えていませんでした。自分自身の体のこと、また妊娠の仕組みについて「正しく」学ぶ機会がなかったために、妊娠・出産に関するライフプランの検討が遅れてしまうという問題は、野田聖子大臣だけでなく、私たちの多くが解決の必要性を感じている課題ですよね。

「私たちの世代は月に1回生理が来れば妊娠するという、そういう知識しかなかったのです。そういうものだと思っていました」(野田聖子少子化担当大臣)。

野田聖子少子化担当大臣が取り組まれた不妊治療

40歳からの不妊治療においては、決して多くの時間が残されているとは言えません。不妊治療を開始した野田聖子大臣は、短期間のうちに体外受精まで進む決断をしたそうです。

50歳の時にようやく妊娠・出産にたどり着くことになりますが、その間は、努力をしても妊娠という結果が出せないことに焦り、また、治療と仕事の両立の難しさにも悩む日々が続いていたそうです。

たくさんの注射を打ったり、何度も採卵をして、胚盤胞を作り移植をしても、妊娠・出産までたどり着けない。そんな日々のなか、自身のメンタルをコントロールすることも難しくなり、自分の体が治療に応えられないという事実に自己肯定感を失っていったのだそうです。

「政治家としての仕事で批判されても、それは理屈の話であるから乗り越えることはできたけれど、自分の体が応えられないというのは本当に苦痛でした」(野田聖子少子化担当大臣)。

不妊治療の基本法を作ったのは国の認めた治療だと定義するため

不妊治療と仕事の両立は非常に難しいということを知っておく必要があります。野田聖子少子化担当大臣も自身の経験を妊活ラジオで述べられました。

ガンの治療であれば、診察結果などを元にして手術の予定日などが決まります。休みもそれに合わせて入れることができます。しかし、不妊治療の場合は、採卵前の血液検査の結果次第で、予定している採卵日が1日遅れたり、1日前倒しになったりというのが日常茶飯事。「しかしそれに合うような休職制度はありません」(野田聖子少子化担当大臣)。

野田聖子少子化担当大臣が不妊治療を受けていた時代、「不妊治療」は国内の法律できちんとした定義がなく、婦人科の任意の治療で、自由診療。国は不妊治療に対して責任を持つことができず、関与もできないものとなっていました。

国が関与しにくいということは、国が主導して不妊治療のための休暇システムなどの策定に関わっていく上で障害になるのはいうまでもありません。「そこで、不妊治療っていうのを、きちんと日本の国の中で国が認めている正しい治療なのだ、という風に定義しようということで、数年前に不妊治療の基本法を作りました」(野田聖子少子化担当大臣)。

不妊治療と仕事を両立させるためのシステムづくりに

野田聖子少子化担当大臣が妊活ラジオでおっしゃった「不妊治療の基本法」というのは2020年12月4日、第203回国会で成立し、12月11日に公布された「令和二年法律第七十六号 生殖補助医療の提供等及びこれにより出生した子の親子関係に関する民法の特例に関する法律(生殖医療民法特例法)」のことです。

この法律は生殖補助医療、つまり不妊治療の提供などに関して、基本理念を明らかにして、国や医療関係者の責務、そして国が行う措置について定義するものです。また、不妊治療を受けるにあたって、受診者以外の第三者の卵子や精子を用いた不妊治療で出生した子の親子関係に関して、民法の特例を規定するという法律です。この法律で生殖補助医療は「人工授精又は体外受精若しくは体外受精胚移植を用いた医療をいう」との定義になっています。

「不妊治療はそれまで不妊ではない人たち、関心のない人たちとっては聖域のような、よくわからない世界であったのではないでしょうか。しかし、法律が作られたことによって、多くの人々が知り、理解される治療になってきたといえます。そういった状況を背景に、不妊治療の特性に合わせた、不妊治療に応じた休み方についての議論・検討が進んでいます」(野田聖子少子化担当大臣)。

生殖医療民法特例法についてはこちらのリンクから。
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=502AC0100000076

まとめ

妊活ラジオで行った野田聖子少子化担当大臣への不妊治療についての取材はいかがでしたでしょうか。野田聖子少子化担当大臣は今回の妊活ラジオへの出演について、「これまで不妊治療を経験してきた結果、今があります。学校ではこういったことを教えてくれません。私を反面教師としてみていただきたいと思います」と語られました。

野田聖子少子化担当大臣のインタビュー第二弾はこちらから。https://842fm.com/blog/ninkatsu/34379/

ダイジェスト動画も掲載しています。
https://youtu.be/EMy0U957cAo

それでは、次回もお楽しみに!

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