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ちゃんとしたふく

ポンたつは とてもきような たぬきです。りょうりじょうずで この あいだも みんなに ハンバーグを ふるまいました。

ヒポたろうは なんでも おいしいという かばです。
「おいしい! まえにたべた ハンバーグも ふつうにおいしかったけど このハンバーグはとてつもなく おいしいよ!」
「さすがヒポたろう!よくきがついた。このまえの ふつうにおいしいハンバーグに やまで とってきた きのこを たくさんいれたんだ!そしたら とてつもなく おいしいだろう」
ポンたつはとくいげです。

ベアいちは とっても まじめな くまです。
「おにくの あじだけじゃなく きのこの あじが こくて とっても おいしいです。」
「そうなんだよ ベアいち。じつは このやまでとれる きのこを ぜーんぶいれてみたんだ」
ポンたつは じぶんの くふうに きづいて もらえて ごまんえつ

ベアいちは やまのことを すみずみまでしっている くまです。
「ポンたつさんの ハンバーグは レスタウラントの ハンバーグぐらい おいしい ですよ」
「ん?ベアいち?レスタウラントってのはだれのことだい?」

「レスタウラントは おみせですよ ポンたつさん。おいしい りょうりを おきゃくさんに たべさせてくれます。なかでも ハンバーグは ほほがおちるほど おいしいです」
「おいしすぎて ほほがおちるのか。そりゃ たいへんだ。 とっても いたいじゃないか。」
ポンたつは レスタウラントに とってもいきたくなりました。
「おいも ・・ おいしい ・・ハンバーグを もっと・・たべたいよ・・・もぐもぐ」
ヒポたろうも もぐもぐしながら いいました。 

「なぁなぁ ベアいち。レスタウラントのハンバーグは どこで たべられるんだい?」
「ひがしの おおきなはしを わたったところに レスタウラントは ありますよ。ただね、ポンたつさん。“ちゃんとしたふく”を きていないと レスタウラントには はいれないんで ちゅういしてくださいね。”ちゃんとしたふく”ですよ。」
「ハンバーグと ふくが かんけいが あるのかい? でも わかったよ。“ちゃんとしたふく”でいくようにするよ」

いつもしろいシャツいちまいのポンたつは さっそく“ちゃんとしたふく”をつくりはしめました。
きようなポンたつは さいほうもじょうずな たぬきです
「どんなふくが ”ちゃんとしている”のだろう?やっぱりハンバーグをたべるから エプロンかな?しろいシャツだとソースがとんじゃうし。よし。こいいろのエプロンにしよう」

てづくりの すてきなエプロンをきた ポンたつは わくわくしながら でかけました。
ひがしの おおきなはしを わたると レスタウラントが みえてきました
レスタウラントのまえには おおきなからだの ライアンまる と バッファろう が たっています。

「すてきな エプロンの おきゃくさま おまちください。」
とライアンまる
「このレスタウラントにはドゥレスコードがございまして。」
とバッファろう
「ドゥレスコード? ”ちゃんとしたふく”といわれたので、すてきなエプロンをきてきたんだけど・・。」
「そうです。”ちゃんとしたふく”がひつようなのです」
「そのふくでは ほかのおきゃくさまが おいしくハンバーグをめしあがれなくなってしまいます」
「へ~~ ふくで あじがかわるのかい?そりゃすごいや。わかった。でなおしてくるよ」

ポンたつはいえにかえり かんがえに かんがえました。
こういうとんちは だいすきな たぬきです。
「ハンバーグのあじがかわる”ちゃんとした”ふくが ひつようなんだな。それなら おいしいふくが ひつようだ。」
りょうりもじょうなたぬきは おいしいふくも すいすいつくれます。ハンバーグにあいそうなパンのきじで ふわふわの エプロンをやきあげました。
「これならソースがとんでも きっとおいしくなるぞ」

つぎのひ いっしょうけんめいつくった パンのエプロンをきた ポンたつはレスタウラントのまえまで きていました。
「おいしそうなエプロンの おきゃくさま おまちください。」
とライアンまる
「このレスタウラントにはドゥレスコードがございまして。」
とバッファろう

「きょうは おいしいふくをきてきたよ。ほかのおきゃくにわけてあげたっていい。」
「ちがいます。ドゥレスコードはおいしいふくではございません。」
「そのふくでは ごきぶんがわるくなる おきゃくさまがいるかもしれません。」「なんだって?パンきじだと きぶんがわるくなるのかい? きぶんがよくなるふくとはどんなんだ? わかった。でなおしてくるよ」

ポンたつはふしぎでなりません。
「ハンバーグがおいしくなって きぶんがよくなる ふくとはなんだろう。」
くびをかしげながら やまにやくそうをとりにいきました

つぎのひ ポンたつは やくそうをたくさんねりこんでつくったパスタのエプロンを きていました。 
「からだによさそうなエプロンの おきゃくさま おまちください」
とライアン丸
「このレスタウラントには ドゥレスコードがございまして」
とバッファろう
「このふくでもダメなのかい。パンのエプロンも パスタのエプロンも いっしょうけんめいつくった たいせつな ふくなんだ」
「とても よくできたふくなのは よくわかります」
「それでも このレスタウラントにふさわしいふくではないのです」
いいあらそっていると ちょうど ベアいちが レスタウラントがでてきました。

「きみは レスタウラントのハンバーグをたべてきたのかい? ぼくはなんどいっても なかにいれてもらえないんだ。」
とかえりみちではなすふたり。
「”ちゃんとしたふく”がひつようだってあれほどいったじゃないですか。」
「その”ちゃんとしたふく”がわからないんだ。ぼくはたくさんじゅんびしたんだよ。きみにもこのエプロンをたべさせたいよ。とってもおいしいんだから。」
「それはおいしそうですね。でも”ちゃんとしたふく”というのはこのくろいジャケットのことなんです。ぼくのくろいジャケットをかしてあげるから あした レスタウラントにいってみてください」

つぎのひ ベアいちのジャケットをきたポンたつはレスタウラントにきていました。
「いらっしゃいませ おきゃくさま おまちしていました。」
とライアンまる
「ごゆっくり りょうりをたのしんでください。」
とバッファろう

レスタウラントのなかに はいることができた ポンたつはとってもきんちょうしています、みんなくろいジャケットかドレスをきています。
「やっと おいしいハンバーグがたべることができるぞ」
「おまたせしました」
でてきたハンバーグを ぱくりとひとくち
「もぐもぐ こりゃあ・・ ふつうにおいしいな・・」

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