『共産主義革命論』第9章

第3部 共産主義革命の実践


第9章 怠ける権利


・「怠けることは悪いこと」がなぜ間違っているのか

みなさんは怠けるという言葉を聞いて、どう思いますか? ほとんどの人は、「よくないことだ」と感じるでしょう。しかし、本当にそうなのでしょうか? 実際には「勤勉」こそが悪であり、「怠ける」ことこそが現代における正義になりうるとしたら?

わたしが大学時代最も影響を受けたのは、カール・マルクスではなく、その偉大さに比べて知名度皆無な共産主義者ポール・ラファルグ氏の『怠ける権利』でした。

わたしが1日4時間労働制を共産主義の基礎に据えたのは、この著書を読んだからといっても過言ではありません。実際にはラファルグは1日3時間といっていましたが、わたしは第8章の内容を説明する際、4時間の方が計算しやすいと思ったので4時間にしています。

1日4時間労働制に加えて、カール・マルクスの「能力に応じて(働き)、必要に応じて(受け取る)」を組み合わせものが、「1日4時間能力に応じて働き、必要に応じて受け取る」というわたしの共産主義の定義のもとになっています。

ここからはなぜ怠ける権利が必要なのかを説明します。怠けること、それはわたしの個人的な欲望というわけではなく、いま資本主義体制が陥っている袋小路から抜け出すための唯一の突破口なのです。

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