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日記 2024.5.13(月) 大好きだ、と素直に言えるように。

7時半に起床。今朝もまだ少し雨が残っている。昨日の夜は激しい雨ですこしこわいくらいだった。お母さんは朝から機嫌が良くない。というか、朝はだいたい機嫌がわるい。お父さんがリハビリの日は特に出発時間があるので朝ごはんの時間を守らないといけなくてピリピリしている。なにか質問しても今それどころじゃないのが見てわからないのかという雰囲気で無駄に嫌な返しをしてくる。私の面倒くさい部分が出そうになるがぐっとこらえて聞き流そうとする。

みんなで朝ごはんを食べながらお母さんの昨日の主張の続きが始まった。やっぱり昨日の遅刻の件はあんまり関係なくてほかに言いたいことがあったようだ。今朝はとことん3人で話をしてみる。みんなが冷静なので話は進む。お母さんからぽろりとやや素直な気持ちが出てきてやっとわたしたちに伝わり始める。いろいろ意見を出し合ってみる。ひとまずの方向性は見えて一旦話を終えた。やっぱり素直さが出てくると話は早い。しかしわたしはもう一歩踏み込んで素直になれなければ、根本的な解決には至らないような気もしている。
お母さんのほんとうに素直な気持ちは、ぐんぐん元気になりつつあるお父さんの運転でまたどこかへ連れて行って欲しいということなのだ。たったこれだけのシンプルなことが言えない。素直になれないだけでどんどんと話はズレていき、話の方向は変わりまったく別なところへ向かって行ってしまっているのだ。お父さんは元々人の気持ちを察するということはできないタイプだし、いつまで経ってもお母さんのほんとうの気持ちには気づくことなんてできそうもない。お父さんとお母さん、わたしもそうだけれどもっとなんでもお互いに細かいことでもなんでもひとつひとつ確認し合いながら進めることが必要だと感じる。

リハビリのお迎えが来る前に、お父さんにはお母さんのほんとうの気持ちはこういうことだと思うと伝えてみた。余計なことだったかもしれない。
お母さんも出かけて行き実家にはわたしひとりとなった。今日はトレーナーを着込んで靴下を履いても肌寒い。もっと暖かい服を持って帰ってくればよかった。寒さと一緒にさみしさのようなものが込み上げてくる。

自分の時間を持とう。お父さんとお母さんの関係に少々踏み込み過ぎているような気がする。日記を書き自分の時間を取り戻していく。手放せるようになってきたはずのおせっかいがまた再発してきている。ひとりではうまくコントロールできるようになってきていても、長い時間を人と過ごしていくとだんだんバランスが取れなくなってくる。頼まれていないことにまで首を突っ込み、ずかずかと土足で入り込んでしまうのはいかがなものか。基本的には人に意見など言えないのだということ、もう一度確認し直さなければ。

より冷静さを取り戻すために台所に立つ。台所はわたしを素直に戻してくれるはずだ。卵とソーセージ、小松菜の炒め物が上手にできた。よし、いいぞ、その調子だと自分をちゃんとほめていく。お昼ご飯の準備をしながら昨日の夜から水に戻しておいた鞍掛豆も茹でていく。乾燥した状態ではまんまるで黒い斑点のある豆だったのだけれど、水に戻していくうちに平べったくなり黒い色素が水に出てきて面白い。新しい水に替えて静かに茹でていく。20分くらい茹でたところでひとつ食べてみるともうやわらかくなり始めていてすごく美味しい。お塩も何にも入れなくてもこんなに美味しいのかと思う。結局1時間ほど茹でた豆はほっくり仕上がった。

豆を茹でている間に出かけていたお母さんは帰ってきて豆を味見しながら二人で美味しいねと言い合う。半分はそのままサラダやお味噌汁に使う分、もう半分はお母さんの希望でお醤油と塩ですこし味をつけてみることにした。

お昼ごはんのあとお母さんがもらってきた大根とチンゲンサイの間引き菜を洗っておく。そのあと少し昼寝。今日は畑には出ないことにする。起き上がってひとりコーヒーを淹れて飲む。ストーブの灯油が無くなってきたので入れておく。夕飯はどうしようかなと考えて、鞍掛豆でフムスを作ってみようと思い立った。

夕方洗濯物を取り込もうとしているとお父さんが帰ってきた。入れ替わりでお母さんはまた出かける。夕方の散歩のために近所のおじいちゃんとともに出かけるお父さん。大好きな夕方、しんとした家の中。久しぶりにパステルを持ち絵を描いていく。実家の裏山の風景を描く。落ち着いて自分の時間に集中することができた。

お父さんが散歩から元気よく戻ってきて包丁を研ごうと言う。いつもの包丁が全然切れなくて数日前に頼んでおいたのだった。研ぎ方を説明してくれるお父さんの横で話を聞きながら今朝のお母さんの話をもう一度してみる。ひとつひとつ確認を丁寧にやってみようと話をしてみる。近ごろお父さんは素直に話を聞いてくれるし、前向きな意見を出してくれる。わたしが素直に気持ちを伝えれば伝えるほど、お父さんも素直になってくる。お母さんが帰ってきたら包丁を研いだから手を切らないように注意してねと伝えてみようということにした。お父さんはいつも根本的な解決を願っているから自分が変わっていくことでよい方向に進むと気づいたようだ。

素直な気持ちを相手に伝えられるようになると、ああいま伝わっているかもしれないという確かな実感を感じるようになる。素直さは自分を、人を助けるための第一歩なのだと思う。自分にも言えるようになってきたのなら、今度はあなたのことが好きだ、と素直に言葉にしていきたい。

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